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キヤノン、3Dプリンター用セラミックス材料を開発。複雑な形状も作製可能
2018年11月27日 14:05
キヤノンは、独自の3Dプリンター用セラミックス材料を用いた、複雑な形状のセラミックス部品を高精度に作製する技術を開発した。本技術により作製されたセラミックス部品の活用が期待されるのは、電気炉などの耐熱性・絶縁性を要する部品や、薬品に対する耐食性が求められる部品などとしている。
樹脂や金属などの材料を用いた3Dプリンターが普及し始めているが、3Dプリンター用セラミックス材料は、造形後の焼成工程において20%程度の収縮が生じるため、高精度な部品作製が難しいとされているという。その理由は、樹脂を含むものが多いためとしている。
今回キヤノンが開発したのは、3Dプリンターの造形法である選択的レーザー溶融法に適したアルミナ系セラミックス材料と部品作製技術。選択的レーザー溶融法とは、金属の造形で一般的に用いられる、材料にレーザーを照射することで溶かして積層する3Dプリンターの造形法の一種。
本技術の活用により、一般に金型での成形や切削加工が難しい中空構造や多孔質構造など、複雑な形状のセラミックス部品を、3Dプリンターで安定的に作製できるという。例えば、六角形の空孔をもつ直径約19mmのハニカム形状部品を作製した場合、焼成工程前後の外形寸法変化は0.8%未満。
キヤノングループではキヤノンマシナリーなどと、本技術を生かした産業機器向け部品の試作検討を始めており、実用化を目指して開発しているという。