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KDDIと楽天が提携。楽天は決済や物流、KDDIはLTE通信網を提供

KDDIと楽天は1日、決済、物流、通信ネットワーク分野において、協力関係を結ぶと発表した。具体的には、楽天が決済サービスや物流網を、KDDIのスマホ決済やショッピングモール「Wowma!」に提供する。一方のKDDIは通信網を提供、楽天が2019年10月より開始予定の第4世代移動通信サービスにおけるローミング協定を締結した。楽天はサービス開始当初から全国でLTE網を展開可能とする。

決済サービス分野においては、楽天が展開しているQRコード決済サービス分野でも、「楽天ペイ(アプリ決済)」をはじめとした決済プラットフォームや加盟店網をKDDIへ提供。これによりKDDIは、楽天グループが直接契約している全国約120万カ所の加盟店等を活かしたスマホ決済サービス「au PAY」を2019年4月より順次開始する。

物流サービス分野は、楽天が、KDDIが運営する総合ショッピングモール「Wowma!(ワウマ)」に対して、楽天の物流サービスを2019年4月より順次提供する。両社が、楽天が推進する「ワンデリバリー」構想を共に進めることで、効率的な物流・配送サービスを実現するという。

KDDIが提供するのは通信ネットワーク。通信ネットワーク分野におけるローミング協定を締結し、楽天が2019年10月より開始予定の第4世代移動通信サービス(LTE通信サービス)に対して、KDDIが通信ネットワークを提供する。これにより、楽天は、サービス開始当初より日本全国でLTE通信サービスの提供が可能となる。

この協定は、提供期間を2026年3月末までと定め、その期間内に楽天は自前での全国ネットワーク建設を着実に進め、完成した地域から順次、自前ネットワークへ切り替えを行なう。ローミング予定エリアは、東京23区、大阪市、名古屋市を除く、全国エリア。

なお、1日に開催されたKDDIの決算会見では、KDDIの高橋社長が提携について、楽天からの申し入れで実現したことや、KDDIは楽天が持つ加盟店や物流にも興味があったことなどに言及。決済・物流・通信サービスのいずれの分野でも競争関係にあるが、「『協調』と『競争』を合わせた『協争』という新しい概念で提携することにした」とコメントしている。

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