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ソニーの新カメラ、24~720mmなのに28倍ズーム? #なぜ30倍じゃない?
2018年10月26日 19:36
ソニーは、高倍率ズームレンズを搭載するコンパクトデジタルカメラ3機種が発表された。3機種とも、35mm判換算24~720mm相当の画角を得られる高倍率ズームレンズを搭載、光学ズーム倍率は28倍としている。720÷24=30なので、30倍と思われるのだが、「28倍」となっているのはなぜなのか。
この理由は、最新のCIPAガイドラインに基づいて計算したスペックとなっているから。これまでカタログスペックとして表記されていたズーム倍率の数値は、「物理的な実焦点距離」(=物理的なもの)を基準にするメーカーと、「撮影可能な画角」(=デジタル処理を経たもの)を基準にするメーカーが混在していた。
2018年1月に制定された、CIPAガイドラインでは、2018年7月23日以降に発売となる製品において、レンズとイメージセンサーの物理距離を「実焦点距離」とし、光学ズームの倍率は実焦点距離の割り算で算出するよう規定した。理由は、レンズの歪曲特性によってスペック上の焦点距離表記からイメージする画角と実際の画角の間に乖離が生じる可能性があるからだという。
今回の3機種の場合、物理的な実焦点距離は4.25~118mmで、ガイドラインに従って割り算をすると光学28倍ズームとなる。
なお発売日は11月9日。価格はいずれもオープン。店頭予想価格は「DSC-HX99」が6万円前後、「DSC-WX800」が5万円前後、「DSC-WX700」(ソニーストアなどWeb限定)が4.8万円前後。
この件についてさらに詳しい内容をデジカメ Watchで、コンパクトデジタルカメラ3機種について詳細は、デジカメ WatchとAV Watchで紹介している。
CIPA(カメラ映像機器工業会)は、デジタルカメラをはじめとする映像関連機器の開発、製造・販売に携わる会員によって構成される国際的な業界団体。世界中のカメラユーザーが共通の仕様基準を基に最適な一台を選べるよう、また、広く互換性を確保してユーザーの利便性が高まるよう、国際団体として業界の世界標準となるCIPA規格とCIPAガイドラインの策定を行なっている。