単に見やすく、使いやすいだけじゃない。さりげなくそこにある、こだわり機能の数々

知られざる「らくらくスマートフォン4」の世界

2017/03/09 | 日沼諭史

意外に知らない、さりげに便利ならくらくスマートフォン4の機能

主にシニア層向けの携帯電話としてロングセラーを続けている「らくらくホン」シリーズ。その最新モデルとなる「らくらくスマートフォン4 F-04J」が、2017年2月に発売された。

スペック競争の激しいスマートフォンというジャンルとはいえ、このらくらくホンシリーズに限っては、世代交代で基本性能がどれだけ上がったか、みたいな話をするのはあまり意味がない。たしかに、チップセットがオクタコアに、カメラがより高画質な約1300万画素(前モデルは約800万画素)に、連続待受・通話時間がさらに長時間に、という変化はあるけれど、一番重要なのは“使いやすさ”なのだ。

「らくらくスマートフォン4」

重量、サイズは前モデルと全く同じ。なのにハードウェアは進化。カメラは約1300万画素となり、前モデルをはるかに上回る高画質に

その“使いやすさ”がどこにあるのか。きっと多くの人が知っているであろうポイントとして、画面内のボタンと文字が大きめに作られていることが挙げられる。画面を押し込む独特のタッチ操作で、タッチミスしにくくなる工夫も使いやすさの1要素だ。しかし、「らくらくスマートフォン4」には他にも使いやすさをアップさせるこだわり機能が、ひっそりと存在していたりするのである。

ぐっと押し込むようにタッチすることで、ボタンなどが反応するようになっている。設定で通常のタッチ操作にすることも可能

今回はそんな「らくらくスマートフォン4」の知られざる、さりげなく便利な機能のいくつかをご紹介したい。シニア層向けだからこそ有用なもの、かと思いきや、フツーのスマートフォンにもあったらいいのに……と感じてしまう機能も実はあるのだ。

文字が見にくい時は、ボタン一発で拡大 or 「音声読み上げ」して耳で聞こう!

老眼が進むと、大画面とは言えないスマートフォンのディスプレイとにらめっこして、小さな文字を読むのは骨が折れることかもしれない。「らくらくスマートフォン4」の画面に表示される文字は、一般的なスマートフォンの標準設定よりも大きめとはいえ、それでも老眼鏡がないとちょっとつらい……という人もいるはずだ。

ボタンや文字は大きめだが、老眼が進むとやはり読むのが大変になるだろう……

もっと文字が大きければ……と思った時は、端末の右サイドにあるカメラボタンを一発長押ししてみる。なんと、瞬間的に画面がぐっと拡大してくれるのだ。カメラボタンを押したままの状態で画面をスワイプすると好きな方向にスクロールできるので、画面内の気になる部分を楽に見ることができるようになる。

そんな時はサクッと端末サイドにあるカメラボタンを長押し

押している間、画面を拡大してくれる

押したままスワイプで画面スクロール

目で文字を追うのすらおっくうだ、というのであれば、いっそのこと自分で読まないで、誰かに読ませる、という手がある。「らくらくスマートフォン4」が備える、強力な「音声読み上げ」機能がここで活用できる。

これは名前の通り、画面内にある指定したテキスト要素をそのまま音声で読み上げてくれるというもの。読み上げてほしいテキストあたりに軽く指を触れるだけで、Webブラウザーで表示しているコンテンツもリンクも、もちろんホーム画面のボタンも、さらには設定画面内のテキストも、ほとんどなんでも読み上げる。

「音声読み上げ」の設定画面

音声のボリュームや読み上げの早さの調節もできる

天気予報コンテンツは、太陽と曇りのイラストが組み合わされたアイコンをしっかり「晴れ時々曇り」と読んでくれるし、スリープ解除直後のトップ画面を表示したら日付や歩数を教えてくれて、ホーム画面に移動すると電池レベルと電波受信レベルまでしゃべってくれる。当然ながら通知パネルに届いたメッセージも即座に読み上げる。なんだかプライベートのマイ秘書がスマートフォンに住み着いたような感じ。

読んでほしい箇所を軽く触れると、ピンク色の枠で囲まれ、読み上げ開始

テキストではない天気予報のマークもちゃんと読み上げた

操作方法の仕様上、音声読み上げをオンにしている時は画面スクロールを2本指で操作しなければならないという制約はあるけれど、至れり尽くせりのまさしく“らくらくスマホライフ”が送れること間違いなし。個人的には普通のスマートフォンでも使いたいなあと思う機能だ。

「つながりホットサポート」と「ファミリーページ」でそれとなく安否確認!

遠く離れたところに住む筆者の父と母は順調に後期高齢者に近づきつつあり、唐突に何かが起こってもおかしくない年齢を迎えている。今のところは健康そうだとはいえ、いつまでもずっと元気なはずはないし、極端に暑かったり寒かったり大雪が積もったりするニュースを聞くと、無事に過ごしているか少し気になったりもするのである。

ただ、そのたびに電話をかけるとお互いに煩わしく思ってしまうこともあり、気軽に様子をうかがえないのが悩みどころ。メールやLINEなどでやりとりすればいい、という考え方ももちろんあるだろう。「らくらくスマートフォン4」はLINEにもきっちり対応しているし、普段から使っている慣れたツールを互いに活用できるのは安心だ。

LINEアプリをインストール。スタンプなども使ってやりとりを楽しめる

ただ、実際のところそこまで積極的に心配がるほど両親の安否について不安に思っているわけでもないのだ。まあ、今のところは両親ともに元気に暮らしているおかげで、親がそういう年齢に差し掛かっている、という意識がまだ薄いせいもあるだろう。

この微妙な関係、タイミングで、より気軽に両親と連絡を取り合ったり、日常的に安否確認する方法が、「らくらくスマートフォン4」には用意されている。それが、「つながりホットサポート」と「ファミリーページ」だ。

「つながりホットサポート」は、「らくらくスマートフォン4」を使っているユーザー(親など)が、その日の体調と歩数を記録すると、あらかじめ登録した人(のメールアドレス)にその情報をお知らせするもの。「元気・やや元気・わるい」の3つから選択した体調と歩数が、受信側のユーザーが設定したタイミングで送られてくる。「わるい」が選択された時はすぐにメール送信されるようになっているので、緊急時には素早く対処できるだろう。

「つながりホットサポート」

1日に1回、体調を選択してもらおう

連絡相手をあらかじめ登録しておくと……

このようなメールが相手に適宜届く

もう1つの「ファミリーページ」は、互いの近況をメッセージや写真の交換で伝えられるコミュニケーションツール。両親や自分の家族を招待して、自分たち専用の掲示板のような形で運用することが可能だ。互いに投稿できるだけでなく、個別の投稿に対してコメントを付けたり、“いいね!”を表す「拍手」を送ったりして、にぎやかにやりとりできる。Facebookのような多機能なSNSとは違い、最小限の機能で、シンプルに使えるのがいいところ。

「らくらくコミュニティ」の1機能である「ファミリーページ」に投稿

イラスト付きのコメントを返すことができる。機能が少ない分簡単に使え、SNSとの棲み分けもしやすい

これら「つながりホットサポート」と「ファミリーページ」の2つを組み合わせてうまく使いこなすことで、両親と今まで以上に密に連絡を取りつつ、しかし互いに面倒に感じない程度のほどよい距離感で接することができるのではないだろうか。

Google Playに対応し、子供や孫と共通の話題を持てる!

ところで、「らくらくスマートフォン4」では、待望のGoogle Play対応が実現し、好きなアプリを追加インストールできるようになった。先述の通り、他のスマートフォンと全く同じようにLINEアプリも、Googleの各種アプリ・サービスも制約なしに使える。Pokémon GOをプレーして健康維持を図りつつ、子供や孫と共通の話題で盛り上がることだってできる。

Google Playに対応し、好きなアプリをダウンロードできるように

「らくらくスマートフォン4」標準のホーム画面

ホームアプリを差し替えて、フツーのスマートフォン風にカスタマイズするのもOK

これまで通り、らくらくスマートフォンの伝統的な使いやすさを損なうことなく、むしろさりげなくスマートフォンの活用をサポートしてくれる拡大機能、音声読み上げ、つながりホットサポート、Google Play対応などでさらに利便性がアップした。外観からは気付けないちょっとしたこだわり機能の追加により、ハードウェア面だけでなくソフトウェア面でも大幅な進化を果たしたのが「らくらくスマートフォン4」と言えるだろう。