第7回 AQUOSのクアトロン搭載モデルは映画ファンに嬉しくて安心なTHXモードを搭載する!
2011/02/03
映画館の画質よりもAQUOSの画質の方が上?
映画が好きな人は多いと思います。筆者もDVDやブルーレイを合わせて数千タイトルコレクションするほどの映画好きですが、最近はあまり映画館には行かなくなりました。
地元のショッピングモール内のシネコンはとても画質が悪く、とても1800円を支払って見たくなるような画質ではないんです。なにしろ、黒の締まりが悪いですし、映像もHD(ハイビジョン)ではなくSDです。そして映写機(プロジェクタ)の光源ランプが寿命間際なのか、それとも調整が行き届いていないのか、発色も悪いのです。
誇張無しで言いますが、一般的な映画館で見るよりも、ブルーレイの映画タイトルをAQUOSで見た方が、いまや高品位の映像鑑賞が楽しめます。
よくよく考えてみると、画面の大きさだけは確かに映画館のスクリーンに軍配が上がりますが、その他の要素、具体的には階調性、色再現性、解像感、コントラスト感...など、ほとんどの画質要素において、AQUOSの方が映画館よりも上なんですよね。あくまで個人的な見解ですが。
ブルーレイの映画ソフトは、今、電気量販店ならば新作でも実勢3500円前後、旬を過ぎた廉価版は2500円前後で再発売されています。
映画館に行くと大人は1人1800円。2人で3600円。そう、2人で映画館に行くと、ブルーレイの映画ソフトを1本購入するのと金額的にはそう大差ないのです。
最近は、映画館で公開された映画は半年後にはブルーレイソフトになって市販されますから、よほど「リアルタイムで見る」ことにこだわらなければ、コスト的にも画質的にも映画はブルーレイソフトを購入して家で見たほうがいいような気がしてきています。ブルーレイソフトには豊富なメイキング映像などの特典も入っていますから、映画本編以外の部分を深く楽しめますしね。
映画好きの1人として言わせてもらうと、映画館は、そろそろ、画面が大きいことだけをウリにするのではなく、画質の方にも気を配っていかないと、AQUOSのような高画質テレビに客が取られてしまうかもしれません...。
AQUOS LX3,LV3,LB3の3シリーズは映画視聴に適したAQUOS!?
と、あまりAQUOSと関係のなさそうな始まり方をした今回のAQUOS クアトロン Watchですが、実は、大いに関係があるのです。
4原色パネル、クアトロン採用モデルのAQUOSのうちLX3,LV3,LB3の3シリーズは映画視聴にとても適したプリセット画調モードを備えているのです。
AQUOS LB3 | AQUOS LV3 | AQUOS LX3 |
これまでのAQUOSにも、映画モード的な画調モードはありましたが、LX3,LV3,LB3の3シリーズには、ハリウッドの映画スタジオのお墨付きの映画モードを搭載しているのです。
その名も「THXモード」です。AQUOS上の表記では「AVポジション[映画THX]」となっています。
クアトロン採用モデルが、全てTHXモードをもっているかというと、そういうわけではありません。クアトロン採用モデルに、XF3シリーズというラインナップもありますが、こちらはTHXモードを搭載していません。
どれでもTHXモード搭載を名乗れるわけではなく、THX社の「THX認証ディスプレイ規格」に合格した製品でなければ、THXモードの名称の画調モードを搭載できないのです。さらにLB3シリーズは、世界初の「THX 3D認定ディスプレイ規格」を取得しています。
それでは、THXモードとは一体なんなのでしょうか。
そして、THX社とは一体どんな会社なのでしょうか。
THXってなに?~ジョージ・ルーカスが始めた映画鑑賞環境向上の取り組みが発端
「THX」とは、SF映画「スターウォーズ」シリーズなどの総監督として著名なジョージ・ルーカスが映画鑑賞環境改善の一環として始めた取り組みが発端になっています。なお、THXという3文字はルーカス監督のデビュー作「THX1138」が元になっていると言われています。
THXは、後に高画質、高音質の規格化をするための法人として活動を開始し、初期は劇場用の規格認証を取り扱っていました。劇場用のTHX認証では、画質や音質についてはもちろんですが、スクリーンと座席の位置関係、屋外騒音の劇場内への混入レベルなど、さまざまな要件項目がチェックされます。最寄りの映画館におもむき、THXロゴがあれば、その劇場は高品位な映画体験を提供している...と言ってもいいかもしれません。
こうした「映画鑑賞のためのトータルな品質向上への取り組み」を、THX社は、2000年代になって、民生向けに展開し始めました。最近では、ホームシアターはもちろんのこと、パソコン向け、ゲーム向け、自動車向けの映像・音響環境にまで、適用範囲を広げています。
ホームシアター向けの映像機器において、最も有名なのは、民生向け映像機器向けのTHX規格とも言える「THX Certified Display Program」です。色再現性、解像感、階調表現、コントラスト性能などが、THXが取り決めた規格を満たしているかどうかが審査され、この規格プログラムをパスした製品は「THX Certified Display Product」を名乗ることが出来ます。日本語で「THX認定取得」という売り文句が付けられた製品は、この規格プログラムをパスした製品と言うことです。
THX認証取得のAQUOS
実はTHX認証取得のAQUOSは、クアトロン採用のLX3,LV3,LB3シリーズが初めてではありません。
シャープのTHX認証取得一号のAQUOSは「AQUOS Tシリーズ」でした。これは2007年に発売されたモデルなので、当然、液晶パネルはクアトロンではありませんし、バックライトもLEDではありませんでした。AQUOS Tシリーズでは、クアトロンになる前のASV液晶パネルを採用し、従来型の冷陰極蛍光管(CCFL)バックライトを採用していました。
THX認証初取得のAQUOS Tシリーズは、簡単に言いますと、「AQUOS Rシリーズ」の優良選別品をベースとしたファイン・チューニングモデルでした。
筆者は当時のAQUOS Tシリーズの開発者に取材したことがありますが、その開発はとても大変だったと語っていました。元々、AQUOS Rシリーズ自体も高画質モデルとして登場させた製品でしたが、THX Certified Display Programでは、一般の人が見ても分からない微妙な輝度ムラまでが厳格にチェックされ、画面全域にわたって厳格な画質の均一性が求められたといいます。このため、AQUOS Rシリーズから細かい部材やパーツの変更を余儀なくされたそうです。そのため価格は、ベースのAQUOS Rシリーズよりも高価になってしまっていました。
まさに、AQUOS Tシリーズは「プレミアムの中のプレミアムAQUOS」だったんですね。
時代が進んだ現在では、4原色のクアトロンと、卓越したバックライト技術によって、画質レベルが劇的に底上げされたため、AQUOS Tシリーズのクオリティが、一般ユーザー向けのAQUOSで実現されたのです。
ハリウッド映画を楽しむならばAQUOSのTHXモードを利用しよう
DVDやブルーレイの映画ソフトのパッケージに「THX」のロゴがあるものは、THX社が規定するコンテンツ制作パイプラインに則って制作され、そのソフトに収録される映像と音声はTHX認証取得のAV機器で再生することで最良の環境で再生できることを意味しています。
また、そうしたTHXロゴ入りのソフトには、「THXオプティマイザー」と呼ばれる、手持ちのAV環境を、THX規格が想定する状態に近づけるチューニングモードを搭載しているものがあります。
THXオプティマイザーでは階調やコントラスト、シャープネスなどの様々な調整が行えますが、THX認証取得のAQUOSでは、この調整は不要です。単純にリモコン上の[AVポジション]ボタンで、「映画THX」のモードにすれば、そのソフトを最適な画調で楽しむことができます。
THXロゴが付された映画ソフトにはしばしば「THXオプティマイザー」が搭載されていることがある。ちなみに、AVポジションの「映画THX」モードを持つAQUOSならば特別な調整は不要 |
THX認証機器での再生推奨ソフトは、THXの公式サイトで検索することが出来ます。パッケージにTHXロゴがあるタイトルはもちろんですが、そうでないタイトルも、意外にTHX推奨ソフトだったりします。「スターウォーズ」シリーズなどのジョージ・ルーカス監督の作品は全てTHX推奨ソフトなのはいわずもがなですが、「タイタニック」や「アバター」などのジェームズ・キャメロン監督のものもTHX推奨作品です。また、THXロゴの記載はありませんが「トイ・ストーリー」シリーズなどのピクサースタジオ系もTHX推奨作品になっています。「アラジン」「美女と野獣」など、いわゆる名作系のディズニーアニメもTHX推奨作品です。そうそう、「ジュラシックパーク」シリーズや「インディジョーンズ」シリーズをはじめとした、スティーブン・スピルバーグ監督作品もそうです。
挙げれば本当に切りがありません。
なので、いわゆるハリウッド映画を楽しむときには、AQUOSをぜひ、THXモードにしてみましょう。
(トライゼット西川善司)