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SH-04Eに搭載されている約4.5インチのS-CG Silicon液晶システムによるディスプレイは、液晶ガラス上のICにメモリを内蔵することにより、写真やメニュー画面など、静止画を表示しているとき、CPUからの画像伝送を停止できるため、システム全体で高い省電力を可能にしている。液晶パネルによる省電力と言えば、AQUOS PHONE ZETA SH-02Eに搭載された、IGZOによる液晶パネルが高い評価を得ているが、SH-04Eに搭載されるS-CG Silicon液晶システムもそれに迫るほどの高い省電力性能を実現している。 これまでの多くのスマートフォンでは省電力を重視するあまり、画面表示がすぐにオフになってしまい、慌てて電源キーを押して、ロックを解除するといったシーンが多かったが、SH-04Eではモーションセンサーなどで、ユーザーが端末を持っているか、置いているかを判断できる「Bright Keep」が搭載されており、操作中の不用意な画面オフを防ぐことができる。 省電力と言えば、もうひとつSHシリーズのスマートフォンには、従来から独自の省電力技術を活かしたエコ技機能が搭載され、長時間駆動を可能にしてきた。もちろん、SH-04Eにもエコ技機能が継承されており、エコ技設定を「標準」から「技あり」に切り替えることで、実使用時間を約13%もアップできる。ちなみに、本体背面に搭載される着脱式の電池パックは、2000mAhという大容量のものを搭載しており、安心して長時間、利用することができる。音楽再生時の省電力にも優れ、最長約62時間の連続再生が可能だ。ちなみに、充電は一般的なmicroUSB端子にACアダプタを接続する方法に加え、おくだけ充電にも対応しており、ワイヤレスチャージャーも同梱される。 タッチパネルについては、かつてのザウルスをはじめ、数多くの製品で培われてきたシャープ独自のタッチパネルのチューニング技術を活かしたダイレクトトラッキング技術を採用し、指先の動きに吸い付くようななめらかさと快適なレスポンスをバランス良く、実現している。 また、本体はIPX5/IPX7等級の防水、IP5X等級の防じんにも対応するため、外出時のとっさの雨をはじめ、キッチンや洗面所など、水を扱うところでも安心して使うことができる。 |
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クアッドコアCPU「Snapdragon S4 Pro」を搭載。アプリに応じて動作するコアをコントロールすることで、ハイパフォーマンスと低消費電力をバランスさせている |
通信については、NTTドコモのLTE方式による超高速データ通信サービス「Xi(クロッシィ)」に対応し、昨年末から一部の地域で提供を開始した受信時最大100Mbps、送信時最大37.5Mbpsのサービスにもいち早く対応したことで、オンラインゲームやストリーミング動画なども快適に楽しむことができる。ちなみに、Xi以外のエリアでも受信時最大14Mbps、送信時最大5.7MbpsのFOMAハイスピードに対応しているため、どちらのエリアでも快適に使うことが可能だ。
Wi-Fiについては、IEEE802.11b/g/nに対応しており、簡易設定については業界標準のWPS、バッファロー製品でサポートされるAOSSに対応することで、初心者でも簡単にセットアップできるようにしている。ちなみに、Wi-Fiについてはテザリングにも対応するほか、スマートフォンに表示している画面をそのままテレビなどに表示できるワイヤレス出力にも対応する。
カメラは裏面照射型CMOSセンサーによる1310万画素カメラを背面に搭載し、画質を落とさずに手ブレを抑える光学式手ブレ補正に対応する。これまでのスマートフォンで採用されてきた電子式手ブレ軽減との組み合わせにより、暗いところでも美しい写真を撮ることができる。さらに、声をかけることでシャッターが切れる「Voice Shot」にも対応するため、手ブレによる撮影の失敗をグッと抑えることができる。ディスプレイの上部には、裏面照射型CMOSセンサーによる120万画素のインカメラが搭載されており、自分撮りもきれいに撮影できるほか、手鏡モードで身だしなみをチェックすることができる。
また、この高画質のインカメラを活かしたアプリとして、資生堂マキアージュアプリ「ビジンメークナビ」がプリインストールされる。さまざまなアイテムを使いながら、シミュレーターでメーキャップをしたり、メーキャップした画像を保存しておくことができるなど、女性ユーザーにとっては非常にうれしい内容となっている。単純にスペックを追求するだけでなく、使う楽しさも考えられているわけだ。
この他にもワンセグやおサイフケータイ、赤外線通信といった日本仕様をしっかりサポートし、今後、世界的に標準プラットフォームとしての普及が期待されているNFCにも対応している。NFCについては、Androidビームで写真などが転送できるほか、FeliCaつきカードなど、ICチップを内蔵したカードをカギとして活用することで、簡単かつ安全にロック解除やシークレットモード解除ができる機能もサポートする。
そして、ユーザーインターフェイスについては、NTTドコモ標準のPalette UIに加え、シャープが昨年来取り組んでいるオリジナルホーム「Feel UX」にも対応する。
現在、多くのスマートフォンはロック画面を解除したときに表示されるホーム画面、ボタンをタップしたときに表示されるアプリケーション一覧画面から構成されている。これに対し、Feel UXでは電源キーによるスリープを解除したときに表示される「ウェルカムシート」と呼ばれるロック画面でロックを解除すると、すぐにアプリのアイコンやショートカット、ウィジェットが並ぶ「3ラインホーム」が表示される構成となっている。ウェルカムシートは左右にフリックすることで、壁紙を切り替えることができ、ロックボタンを上方向にフリックすることで表示されるショートカットバーから、よく使うアプリやショートカットを直接起動することができる。ショートカットバーにはデフォルトで「spモードメール」「電話」「カメラ」の3つのアプリが登録されているが、登録するショートカットはカスタマイズが可能で、よく使うアプリや、連絡先、ブックマークなどが登録できる。
3ラインホームは画面上段の「アプリ」「ウィジェット」「ショートカット」と書かれたタブで表示を切り替えることができ、それぞれのシートは縦方向にスクロールさせることができる。アプリケーションシートはその名の通り、SH-04Eにインストールされているアプリが登録されており、アプリのアイコンをドラッグして、重ね合わせることでフォルダにまとめたり、使わないアプリを非表示に切り替えることもできる。
ウィジェットシートはAndroidプラットフォームの特徴のひとつであるウィジェットを貼り付けておくためのスペースだが、SH-04Eでは新たにFacebookやTwitter、mixiなどの更新情報をチェックできる「Social Board」が追加された。それぞれのSNSに対応したアプリを起動しなくてもすぐに興味のある投稿を確認できるのは、スマートフォンに慣れたユーザーにとっても有用だ。
ショートカットシートはアプリや連絡先などのショートカットを貼り付けておくための場所だ。どんなスマートフォンでもそうだが、ある程度使い込んでくると、ルーティンワーク的に常に使うアプリやよく連絡する相手先などが決まってくるが、そういった情報を貼り付けておくことで、すぐにそれぞれの機能を起動することができる。ちなみに、3つのシートは並べ替えにも対応しているので、ショートカットシートを中央や左列に表示することも可能だ。
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「Feel UX」のウィジェットシート |
新たに追加された「Social Board」。アプリを起動しなくても、Facebook、Twitter、mixiの更新情報をチェックできる |
「Feel UX」のショートカットシート |
画面下のナビバーに設定するアプリは、好みに合わせてカスタマイズできる |
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また、3つのシートの下には電話やメール、ブラウザのアイコンが並ぶナビバーが表示されているが、これも好みに合わせてカスタマイズでき、標準設定のナビバーと切り替えることができる。たとえば、spモードメールよりもGmailをよく使うので、ナビバーにGmailのショートカットを設定したり、音声通話を常に電話帳からはじめたいときは電話帳アプリのショートカットを登録しておくこともできる。このナビバーのカスタマイズとショートカットシートをうまく活用することで、SH-04Eのユーザビリティはかなり自分に合った環境を作ることができるはずだ。
さらに、ブラウザ利用時には画面端からスライドすることで、ブックマークをはじめ、戻るや進むといった操作メニューをすばやく表示できる「クイックツールボックス」が利用できるが、この考えを本体操作に活かす「クイックツールボックスEX」も便利な機能だ。具体的にはアプリを起動したり、3ラインホームを利用中、本体を2回振るか、ナビバーに表示されているアプリ使用履歴キーを長押しすることで、簡単に起動することができる。標準では「書」メモ(カクメモ)や辞書、どこでもコピーなどの機能が登録されているが、自分の好みに応じて、よく使うアプリやショートカットを6つまで登録することができる。
スマートフォンを使ううえで、もうひとつ気になるプライバシーやセキュリティについては、ケータイ時代にも高い評価を得てきたシークレットモードが利用できる。電話帳に登録されている特定の相手のデータをシークレットに設定することで、その人の電話帳データが非表示になり、着信時も名前や顔写真などが表示されなくなる。電話帳データを参照するメールの差出人表示などもメールアドレス表示に切り替わる。この電話帳データのシークレット設定はダウンロードしたアプリにも対応しているため、標準以外の電話帳アプリを利用しているときにも同じようなシークレット設定が活かされる。
日本語入力については、従来モデルから好評を得ている「文辞技」が継承されているが、どこでも辞書で呼び出せる内蔵辞書を一新し、国語辞典の誤用検索や英和辞典のかな検索など、わからない単語や間違いやすい単語をすぐに調べられるようにしている。もちろん、従来から好評を得ている文字パレットを上下左右にスライドさせることによる、文字入力モードや入力方式の切り替え、メール作成時に文字入力開始前によく使う言葉を候補に表示するいきなり予測変換、手書き入力時に漢字とかなを交ぜた入力でも賢く変換できる漢字かな混じり手書き予測変換なども継承されている。

この数年間、国内外の市場において、広く普及してきたスマートフォン。なかでも国内市場は、日本のユーザーが元々、ハイスペック指向が強いこともあり、ハードウェアのスペックからプラットフォームに至るまで、猛烈なスピードで進化を遂げてきた。デザインやカラーも豊富なバリエーションが揃い、製品としてもかなり成熟してきた印象だ。しかし、製品としての成熟度が高くなってきたがゆえに、ユーザーの期待やニーズも多様化し、より完成度の高い製品を求めるようになってきた。「AQUOS PHONE EX SH-04E」は、まさにこうした欲張りなユーザー、目の肥えたユーザーの期待に応えられるプレミアムなスマートフォンだ。ジャストフィットするボディサイズ、美しいフォルム、新感覚のイルミネーション、フラッグシップに迫るスペック、洗練されたユーザビリティなどを高い次元でバランス良くまとめており、非常に完成度の高いスマートフォンとして仕上げられている。ケータイからはじめて移行するユーザーはもちろん、これまで使ってきたスマートフォンから乗り換えるユーザーにとっても魅力的な一台であり、ぜひ試して欲しいモデルと言えるだろう。

1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。主な著書は「できるWindows 8」をはじめ、「できるポケット docomo AQUOS PHONE sv SH-10D スマートに使いこなす基本&活用ワザ 150」(2012年8月31日発売)、「できるポケット SoftBank AQUOS PHONE 006SH スマートに使いこなす基本&活用ワザ 150」(2011年6月30日発売)などのスマートフォン関連も数多く執筆。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。Impress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。
■ docomo with series AQUOS PHONE EX SH-04E 製品情報(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/product/with/sh04e/
■ docomo with series AQUOS PHONE EX SH-04E 製品情報(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/products/sh04e/
■ シャープ 携帯電話 NTTドコモラインアップ
http://k-tai.sharp.co.jp/lineup/docomo/
■ イルミが光る「AQUOS PHONE EX SH-04E」、ARメイクアプリも
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20130122_584322.html

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