この数年、着実に進化を遂げてきたスマートフォン。ハードウェアのスペックが追求され、プラットフォームの完成度が高まる一方、スマートフォンで利用できるサービスやコンテンツも充実し、今まさに「旬」の時期を迎えようとしている。しかし、ユーザーからはスマートフォンをもっと快適に、もっと楽しく、もっと余裕を持って使いたいという声が高まっている。そんなニーズにしっかりと応えてくれるのがシャープ製スマートフォン「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」だ。この冬、NTTドコモがもっともおすすめする一台をいち早く試すことができたので、その仕上がりをチェックしてみよう。
スマートフォンに求められる「もっと!」
「スマートフォンが普及しはじめた」と言われ、すでに数年が経つ。おそらく、読者のみなさんの周囲でもスマートフォンを使う人が多数を占めるようになり、最近ではスマートフォンからスマートフォンへの買い換えユーザーもかなり増えてきている。
スマートフォンが登場したばかりの頃、各社とも端末の開発にかなり注力していたものの、それまでのケータイに比べ、機能的にも性能的にも不足した部分が多く、我々ユーザーもどこか我慢をしながら、遠慮しながら、スマートフォンを使っていた印象だった。しかし、昨年あたりからスマートフォンを構成するハードウェアは、安定したパフォーマンスを実現できるようになり、プラットフォームもひとつの完成の領域に達しつつあると言われている。また、多くの企業が提供するサービスはオンライン、オフラインを連携させながら拡がり、スマートフォンで利用できるコンテンツもアプリだけでなく、音楽、映像、電子書籍など、多様な楽しみ方が定着しつつある。スマートフォンは端末そのものだけでなく、周囲の環境も含め、今まさに「旬」の時期を迎えつつあると言えそうだ。
そんな完成度を高めてきたスマートフォンの利用環境だが、その一方で、ユーザーからは「もっと!」という声が聞こえてくるようになってきた。なかでもスマートフォンからスマートフォンへ買い替えるユーザーは、自らのこれまでの体験を元に、もっと快適に、もっと楽しく、もっと余裕を持って使えるモデルを求める声が多い。スマートフォンを活用する範囲が拡大してきた今だからこそ、ユーザーがスマートフォンに求めるものは一段と高く、多様になってきているわけだ。
そんな欲張りなユーザーのニーズに、しっかりと応えてくれるのがNTTドコモから発売されたシャープ製スマートフォン「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」(以下、SH-01F)だ。AQUOS PHONE ZETAシリーズと言えば、シャープのNTTドコモ向けスマートフォンのフラッグシップモデルに位置付けられるが、昨年発売された「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」では、スマートフォン初のIGZO液晶ディスプレイを採用し、シャープ製スマートフォンで培われてきた「エコ技」機能をはじめとする省電力技術を組み合わせることにより、それまで多くのスマートフォンユーザーが不安を抱えていた『電池の持ち』について、ひとつの解を示した。
そして、2013年夏モデルとして発売された「AQUOS PHONE ZETA SH-06E」ではIGZO液晶ディスプレイをフルHD化しながら、NTTドコモが計測する実使用時間において、当時のトップクラスとなる60時間超を実現し、一般的な使い方で「2日間以上」の余裕を体験することを可能にした。もちろん、電池の持ちだけでなく、美しいフルHD対応のIGZO液晶ディスプレイ、F値1.9の明るいレンズを採用した1310万画素カメラをはじめとしたハードウェアのスペックも充実させると共に、UIリアリティ技術により、さまざまな機能をユーザーがより直感的に扱えるように作り込み、さまざまなサービスやコンテンツをあますことなく楽しみ尽くすスマートフォンとして、各方面で高い評価を得た。
今回発売されたSH-01Fは、約5インチのフルHD対応IGZO液晶ディスプレイを採用し、3000mAhの大容量バッテリーに、「エコ技」機能をはじめとするシャープ独自の省電力技術を活かすことにより、ついに「3日間」という余裕を体験できるスマートフォンに仕上げられている。CPUに最新のクアッドコア「SnapDragon 800 MSM8974 2.2GHz」を採用し、32GBのフラッシュROM、2GBのRAM、F値1.9の明るいレンズに「NightCatch」、1630万画素裏面照射型CMOSイメージセンサーを採用したカメラには、「多焦点撮影」や「美ズーム」を搭載するなど、ハードウェアのスペックについてもこれまでのモデルと一歩上回る仕上がりとなっている。また、新たに「持つ」だけで時間を確認したり、着信音量を抑えられる「グリップマジック」を搭載し、スマートフォンを心地良く使うためのさまざまな工夫が随所に活かされているのも見逃せないポイントだ。まさに、ユーザーの「もっとスマートフォンを使いたい!」という期待に応えてくれる完成度の高いスマートフォンと言えるだろう。
IGZO液晶ディスプレイ×3000mAh大容量バッテリー
スマートフォンを構成する部品のうち、ディスプレイはもっとも重要なデバイスのひとつだと言われる。画面に表示された情報を見るだけでなく、ユーザーが画面に直接、指先で触れ、スマートフォンを操作するからだ。そのため、スマートフォンのディスプレイサイズは、その進化と共に大型化が進み、最近では5インチ前後が主流になりつつある。
ディスプレイが大きくなり、フルHD対応などの高解像度化が進んだことで、視認性や操作性もグッと向上したが、その一方で、課題も増えてきている。たとえば、ディスプレイサイズが大きくなれば、当然、バックライトもより広いエリアを光らせる必要があるうえ、今年のハイエンドモデルの主流である1920×1080ドット表示が可能なフルHD対応ディスプレイでは、さらにバックライトの光量が必要になる。そのため、どちらの場合においても従来に比べ、格段に消費電流が増える傾向にある。スマートフォンはもともと、電池の持ちが良くないとされてきたが、実はここ数年でハイスペック化が進んだディスプレイは、消費電流を増やしてしまっていたわけだ。
こうした状況に対し、シャープでは2012年11月「IGZO液晶ディスプレイ」を採用した「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」、2013年5月にはIGZO液晶ディスプレイをフルHD化した「AQUOS PHONE ZETA SH-06E」を相次いで開発し、NTTドコモから市場に送り出してきた。そして、今回のSH-01Fにも5インチのフルHD対応IGZO液晶ディスプレイが採用されている。
IGZOについては、これまでも何度もくり返し説明してきているが、世界ではじめてシャープが量産化に成功した酸化化合物で、「インジウム(In)」「ガリウム(Ga)」「亜鉛(Zn)」「酸素(O)」によって構成され、これを液晶パネルのTFT(薄膜トランジスタ)に使うことで、高精細かつ低消費電力を実現することができる。一般的に、TFT液晶パネルは素子が格子状に仕切られ、それぞれの枠にはひとつずつ薄膜トランジスタが付けられており、ここに電気を通し、枠内の液晶を変化させ、バックライトの光を通したり、遮ったりすることで、文字やグラフィックを表示させている。ところが、この薄膜トランジスタは液晶パネルのそれぞれの素子の枠内に付けられているため、自らもバックライトの光を遮ってしまっている。
これに対し、IGZOは一般的な液晶パネルに採用されるアモルファスシリコンに比べ、電子移動度が高いため、液晶の素子に枠内に付けるトランジスタを小型化できるうえ、液晶パネルの格子状の枠も細線化できるため、バックライトを遮るものを大幅に減らすことができる。その結果、限られた対角サイズで高精細化(高解像度化)を実現しやすく、少ないバックライトの光量で画面を明るく表示することができる。IGZO液晶ディスプレイはバックライトの光の透過率が高く、無理にバックライトを明るくする必要がないため、消費電力を抑えられるということだ。今年のスマートフォンではディスプレイのフルHD化が進んでいるが、フルHDはHDに比べ、液晶パネルの格子が高密度、つまり、一段と目の細かいメッシュになるため、バックライトの光量を上げる必要があるが、IGZO液晶ディスプレイはその点においても有利に働く。
また、IGZO液晶ディスプレイの省電力性能で、もうひとつの大きなアドバンテージが「液晶アイドリングストップ」だ。一般的にアモルファスシリコンによる液晶パネルは、毎秒60回もCPUによる書き換え動作が発生するのに対し、IGZO液晶ディスプレイは最小で毎秒1回、動画も従来の半分(30fps時)の書き換えで済むため、電池の消費を抑えることができる。クルマのアイドリングストップと同じように、待機時や停止時のロスを大幅に減らすことができるわけだ。
そして、気になる液晶パネルとしてのクオリティについては、440ppiという高密度を実現している。一般的な印刷物や写真プリントが300~350ppiであることを考慮すれば、その美しさは十分すぎるものと言えるだろう。
人間の知覚に似た「色相(H)」「彩度(S)」「明度(V)」の3つの要素から構成される色空間において色調整が可能な「HSV色空間」に対応し、人の肌や空の青、山の緑などを美しく再現することができる。同時に、新しいカラーフィルタの採用により、RGBバランスを最適化することで、明るさと画質を従来よりも一段と向上させている。従来モデルでも好評を得ていたシーンに合わせたディスプレイ表示も継承されている。たとえば、周囲の明るさや照明の種類、時間帯などによって、画質を調整する「ユースフィットモード」、色空間の国際標準規格であるsRGBに合わせたチューニングでネットショッピングなどに適した「ナチュラル画質モード」、ディスプレイのちらつき感を抑え、目への負担を軽減できる「リラックス画質モード」などを選ぶことができる。電車やバスなど、公共交通機関で周囲からののぞき見をブロックできる「ベールビュー」も対応しており、ステータスパネルから簡単に切り替えたり、設定を変更することで、画面上端を覆うだけで切り替えられるようにしている。このあたりは実利用環境をよく考慮した機能構成と言えるだろう。
さらに、従来からシャープ製スマートフォンのロングライフを支える技術として、ユーザーに支持されてきた「エコ技」機能については、今回のSH-01Fから内容が更新され、エコ技設定の画面やステータスパネルでON/OFFを簡単に切り替えられるようにしている。時間や電池残量による自動切り替えはもちろん、必要に応じて、画面モードなどやWi-Fiなどの項目についても個別に切り替えることが可能だ。多くの人にはより簡単に、もっと細かくコントロールしたい人には、そういった設定がしやすいように、作り込まれているわけだ。
ちなみに、バッテリーについては、本体に3000mAhの大容量バッテリーが内蔵されている。充電については底面のmicroUSB外部接続端子からの充電になるが、オプションの「ACアダプタ04」による急速充電にも対応する。朝の通勤や通学前、外出前のちょっとした空き時間など、電池残量不足に気づいたときに、すぐに充電できる安心感は大きい。
エンターテインメントを遊び尽くせ
IGZO液晶ディスプレイにより、余裕のロングライフを実現したSH-01Fだが、ユーザーにとっては単にロングライフであるだけでなく、その余裕をどう活かすかが重要になってくる。なかでもエンターテインメントについては、誰もが気になるところだ。
今回のSH-01Fに搭載された新機能の中で、最初に注目したいのは、映像エンターテインメントだ。まず、放送サービスについては、ケータイ時代から日本仕様の欠かせないサービスとして、ワンセグが搭載されてきた。しかし、ワンセグはもともと、320×180ドットのQVGAベースで映像が送られてくるため、かねてからスマートフォンやケータイのディスプレイにはスペック不足であることが指摘されてきた。特に、現在の主流であるフルHD(1920×1080)やHD(1280×720ドット)のディスプレイでは、かなり映像を拡大するため、各社とも超解像技術などで対応するしかなかった。今回のSH-01Fは地上デジタル放送「フルセグ」対応のチューナーが搭載されており、放送波が安定して届く場所であれば、いつでもどこでも家庭用テレビの地上デジタル放送と同等画質の番組を楽しむことができる。
しかも録画にも対応しているため、夜中や早朝の内に番組を録画しておき、通勤や通学中などに番組を視聴するといった使い方もできる。受信状況については利用する場所にもよるが、見通しのいい場所や屋外では安定してフルセグを視聴でき、屋内で受信状況が落ちてくると、自動的にワンセグに切り替わるといった印象だ。都心でクルマで移動中にも試したが、思いの外、安定して視聴できた。ワンセグとフルセグ以外では、NTTドコモが提供する「NOTTV」にも対応しているため、さらに多くの番組を視聴することが可能だ。特に、NOTTVはニュース専門チャンネルが放送されているため、先日のような台風のときにはいつでも最新のニュースを確認できるのがうれしいところだ。
また、こうした放送や映像コンテンツを楽しむうえで、サウンドも大切な要素だが、SH-01FではAV機器などにも採用されていて、映画の音響技術などでも知られるDTS社の「DTS Sound」に対応し、高音質のオーディオを再現できるだけでなく、効率良く楽曲データを処理するシャープ独自の技術を組み合わせることにより、長時間の再生を可能にしている。ちなみに、音楽再生については本体上面のイヤホンマイク端子にイヤホンを接続すると、自動的に音楽プレーヤーを起動でき、再生時は前回聴いていた曲の続きを再生することが可能だ。本体メモリー(フラッシュROM)として、32GBが利用できるほか、最大64GBのmicroSDXCメモリーカードにも対応しているため、音楽プレーヤーとしてもしっかり活用することができる。
NightCatch+F値1.9レンズの1630万画素カメラを搭載
SH-01Fの新機能で、次に注目したいのはカメラだ。カメラはメイン(外側カメラ)が1630万画素裏面照射型CMOSイメージセンサー、サブ(内側カメラ)が210万画素裏面照射型CMOSイメージセンサーがそれぞれ採用されており、メインカメラはAQUOS PHONE ZETA SH-06Eに引き続き、F値1.9のレンズを採用。これに、さらに明るく撮れる新開発の画像処理エンジンの「NightCatch」が組み合わせられている。
カメラそのものはケータイ時代から多くの人が活用し、写メールなどの文化を生み出してきたが、スマートフォン時代に入り、写真をメールで送るだけでなく、FacebookやTwitterなどを通じて、友だちや家族、仲間とシェア(共有)することが増えてきている。友だちや家族、仲間といっしょに楽しむことはあまり変わりないが、これまでの「一対一」を中心とした写真のやり取りに対し、スマートフォンでは「一対多」で写真を楽しむケースが増えてくるため、その分、もっとキレイに、もっと楽しく写真を撮りたいという欲が出てくる。筆者の周りでもケータイ時代は「撮るだけ」だった人がスマートフォンに機種変更して、「Facebookに投稿するとき、どうすれば、キレイに撮れる?」といった質問をしてくるケースもある。SH-01Fのカメラは、そんなニーズもしっかりと応えてくれるスペックを持ち合わせている。
まず、新たに搭載された「NightCatch」と呼ばれる画像処理機能は、暗い場所でも少ないノイズで明るく写真を撮ることを可能にする。昨年のAQUOS PHONE ZETA SH-02EもF値2.5のレンズを組み合わせたカメラを搭載し、それまでの機種よりも明るく写真を撮ることができていたが、今回のSH-01FではF値1.9のレンズと画像処理エンジンのNightCatchにより、飲食店などの少し暗いところでもキレイに写真を撮ることができる。ちなみに、F値はレンズの焦点距離を有効口径で割った値で、一般的には、レンズの明るさを示す指標として用いられている。コンパクトデジタルカメラやデジタル一眼レフの交換レンズなどにもF値が示されているので、一度、見比べてみて欲しいが、F値1.9というスペックはデジタル一眼レフなどと比較しても遜色ないレベルの明るさのレンズということになる。このF値1.9というレンズの明るさは暗いところでの撮影が有利になるだけでなく、少し近い被写体をクローズアップで撮ったとき、一眼レフカメラなどで撮ったような背景をぼかした雰囲気のある写真を撮ることができる。
撮影時の機能としては、従来に引き続き、逆光に強いHDR撮影などが利用できるが、今回は複数のポイントにフォーカスを合わせる「多焦点撮影」にも対応する。これは近景から遠景を自動的に撮影して合成し、奥行のある風景で撮影するときも全体をくっきりとした写真にすることができる。特に、旅行などで、観光スポットを背景に人物を撮るようなシチュエーションではかなり有効な撮影機能だ。ちなみに、撮影時のオートフォーカスについては新しいフォーカス制御により、単にすばやく撮影できるだけでなく、タッチAEで露出もピント合わせも同時に行ない、決定的なシャッターチャンスを逃さずに撮影することが可能だ。
また、スマートフォンのカメラ機能はコンパクトデジタルカメラと違い、デジタルズームを採用しているため、ズームしたときの写真はどうしても粗くなってしまう傾向にあるが、SH-01Fには超解像技術を利用した「美ズーム」というズーム機能が搭載されており、最大16倍まで美しくズームで撮影をできるようにしている。ファインダー内を左右にドラッグするか、ピンチ操作で、ズームができるので、操作もしやすい。ちなみに、インカメラも裏面照射型CMOSセンサーによる210万画素カメラが搭載されており、同じく超解像技術を採用した「美セルフ」により、自分撮りも美しく撮影することができる。
撮影した写真はシャープ製スマートフォン独自のアルバム機能で閲覧することができるが、単純にサムネイル表示で一覧表示をするだけでなく、マルチタイル表示で大小いろいろなサイズで表示をしたり、おまかせでイベント別、人物別に写真を表示することができる。自分で見るときだけでなく、友だちや家族、仲間に見せるときにもちょっと印象の違った写真の見せ方が楽しめる。
もっと気持ち良く、もっと使いやすく
IGZO液晶ディスプレイや3000mAh大容量バッテリー、1630万画素カメラなど、スペックについては申し分のないSH-01Fだが、シャープ製スマートフォンらしく、使いやすさについてもしっかりと追求されている。なかでも今回は実用面でグッと来る機能がいくつも搭載されている。
まず、新感覚で使うことができるのが「グリップマジック」だ。本体のボディ側面の下部にタッチセンサーが内蔵されており、本体を「持つ」だけで、すぐに使いはじめることができる。
AQUOS PHONEに限らず、一般的にスマートフォンは省電力のため、ユーザーが操作していないときは、画面をオフにしており、使いはじめるときは電源キーを押したり、ホームキーなどを操作することになるが、電源キーの位置によっては押しにくかったり、場所を探してしまうなんていうこともある。SH-01Fのグリップマジックでは、本体が画面オフの待機状態でもユーザーが端末を手に取ると、本体側面下部のタッチセンサーが反応し、画面がオンになり、ロック解除などの操作をはじめることができる。ちなみに、手に持ったとき、ロック画面を表示するのではなく、数秒間、時計を表示する設定に切り替えることもできる。着信時やアラームの鳴動時も握るだけで、音量を最小にして、バイブをオンに切り替えることが可能だ。また、寝転がって操作をするときなども、持っている間は画面を横回転しないように固定することができ、快適に使用できる。
同様の画面のオン/オフの自動制御については、従来モデルに引き続き、画面を指先でなぞるだけで画面をオンにできる「Sweep ON」が搭載された。今回はグリップマジックを組み合わせることで、誤動作を減らすように作り込まれている。従来モデルでは手に持っているときに画面がオフにならない「Bright Keep」という機能が搭載され、筆者自身も非常に便利に使ってきたが、今回はこの機能にもグリップマジックを組み合わせ、手を離すとすぐにバックライトを微灯に切り替え、電力消費を抑えるなど、一段と実用的な使い方をできるようにしている。こうした一連の自動制御は、文章で表わすとわかりにくいが、実際に使ってみると、非常に心地良いもので、スマートフォンにいい「おもてなし」を受けているような印象もある。
ユーザーインターフェイスについては、従来モデルに引き続き、「Feel UX」が採用されている。Android標準のものに比べ、ムダな操作が少なく、非常に直感的に使えるホームアプリだが、今回はロック解除画面のウェルカムシート(壁紙)の全画面表示をはじめ、Feel UXホーム設定のカスタマイズやカラー変更、動画によるヘルプなど、ユーザーが使いやすく、楽しめる環境を実現している。なかでもFeel UXホーム設定のカスタマイズについては、フルHDの高精細を活かした5列レイアウト、初心者にもやさしいシンプルモードを用意し、スマートフォンに慣れたユーザーからはじめてのユーザーまで、幅広いユーザーが確実に活用できるようにしている。
また、AQUOS PHONEでは従来から「履歴」「お気に入り」「ミニアプリ」といった機能をすぐに起動できるクイックランチャーを搭載してきたが、今回のSH-01Fでは[アプリ使用履歴]キーをタップするだけで表示できるようにしており、それぞれの機能を簡単に起動できるようにしている。ちなみに、[アプリ使用履歴]キーをロングタップすると、ステータスパネルをすぐに表示することもできる。ディスプレイサイズが大きくても片手で簡単に操作できるわけだ。
この他にも文字入力については間違えやすい単語を補正してくれたり、キーボードのサイズや位置のカスタマイズなどの改良が図られている。ダウンロード辞書もサポートしており、「SHSHOW」からダウンロードすれば、尊敬・謙遜・丁寧語のような慣れない単語や方言なども簡単に入力できるようになり、一段と使いやすい環境を実現している。
ユーザーの「もっと!」に応えてくれるAQUOS PHONE ZETA SH-01Fは「買い!」
今年、国内のスマートフォンの契約数は、全体の約半数を超えると言われている。ハードウェアはもちろん、サービスや機能などの面も充実し、スマートフォンは今まさに「旬」の時期を迎え、「使える!」「買い!」と言えるタイミングになってきた。しかし、その一方で、はじめてのユーザーも買い換えのユーザーもスマートフォンに対する要求は、日に日に高まっており、そんな欲張りなユーザーのニーズにもしっかりと応えられるモデルが求められる状況になってきた。今回発売されたSH-01Fは、まさにそういった幅広いユーザーのニーズにしっかりと応えることができるモデルとして仕上げられている。余裕の3日間駆動を可能にするIGZO液晶ディスプレイやエコ技設定、3000mAh大容量バッテリー、撮ること、シェアすることが楽しくなる1630万画素カメラ、グリップマジックをはじめ、「おもてなし」の心が活きるユーザービリティなど、ユーザーの「もっと!」に応えてくれる「買い!」のスマートフォンと言えるだろう。
1963年神奈川県出身。携帯電話やスマートフォンをはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。主な著書は「できるWindows 8」をはじめ、「できるポケット docomo AQUOS PHONE ZETA SH-06E スマートに使いこなす基本&活用ワザ 150」(2013年5月24日発売)、「できるWindows 8 タッチPC&タブレット編」など、数多く執筆。Impress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。ホームページはこちら。