スマートフォンに求められるもの
今やスマートフォンを手にしない日はない。多くの人が躊躇なくそう言えてしまうほど、私たちの毎日にスマートフォンは欠かせない存在となりつつある。スマートフォンが重要な存在になる一方、スマートフォンそのものに求められるものも少しずつ変化してきている。
たとえば、スマートフォンが登場したばかりのころは、ケータイで利用されてきたおサイフケータイやワンセグ、赤外線通信といった三種の神器の搭載にはじまり、CPUなどのハードウェアのスペック、タッチパネルのレスポンス、安定した動作などがユーザーの求めるものとして語られてきた。同時に、グローバル市場で展開するブランドネームなどを重視する声が多く聞かれたのも事実だ。
しかし、おサイフケータイやワンセグなどの日本仕様は、国内で販売される大半の機種が搭載するようになり、日本には欠かせないと言われる防水についても国内向けの製品はもちろん、グローバル市場での対応製品が登場しはじめ、今後、スマートフォンの標準機能になると見る向きも多い。
こうした、スマートフォンとしての完成度に対するニーズが満たされてきたのに対し、ここ1〜2年で顕著になってきたのが、スマートフォンとしての実用性や持ち物としての個性という要素だ。
たとえば、ディスプレイサイズはスマートフォンが普及しはじめたころから必ず比較要素として挙げられていたが、ディスプレイサイズが大きくなれば、おのずとボディサイズが大きくなり、実際に手に持って操作するときに使いにくく感じてしまう。つまり、単純にディスプレイが大きければいいのではなく、持ちやすさとのバランスが期待されているわけだ。
また、かつてケータイが広く普及したとき、ボディカラーや形状、デザインなど、個性に対するニーズが高まったことがあるが、スマートフォンでも同様の傾向が見られ、本体のデザインやカラー、質感などを気にするユーザーが増えてきている。誰もがスマートフォンを持つ時代だからこそ、何となく選ぶのではなく、「自分は○○だから、これを選ぶ」という明確な個性やデザインが期待されているわけだ。
今回、ソフトバンクから発売されたシャープ製スマートフォン「AQUOS Xx SoftBank 304SH(以下、304SH)」は、他のスマートフォンにはない個性と存在感を持つ魅力的なモデルだ。
AQUOS Xx SoftBank 304SH
シンプルかつ上質な質感
ソフトバンク向けのシャープ製スマートフォンと言えば、昨年12月、本体の上と左右の額縁を極限まで狭く仕上げた三辺狭額縁を採用した「AQUOS PHONE Xx SoftBank 302SH」を発売し、注目を集めたが、今回の304SHはその後継モデルに位置付けられる。三辺狭額縁を採用したモデルについては、AQUOS PHONE Xx SoftBank 302SHを皮切りに、今年2月には同じくソフトバンク向けの「AQUOS PHONE Xx mini SoftBank 303SH」、au向けの「AQUOS PHONE SERIE mini SHL24」が発売され、各社の激戦がくり広げられた春商戦において、両機種とも高い人気を得ている。今夏は「304SH」のほかに、NTTドコモ向け、au向けにも三辺狭額縁を採用したモデルを投入しており、本体正面の画面占有率が高いEDGESTデザインは、シャープ製スマートフォンのひとつの顔として、定着しつつある。
また、シャープ製スマートフォンと言えば、これまで「AQUOS PHONE」をブランドネームとし、これにソフトバンク向けの「Xx」、NTTドコモ向けの「ZETA」、au向けの「SERIE」という愛称を組み合わせたネーミングを採用していたが、今夏からシャープ製液晶テレビでおなじみの「AQUOS」に統一し、そこに各社の愛称を組み合わせたモデル名が使われることになった。ネーミングを一新し、新たなスタートを切るわけだ。
メタルフレームによる美しいボディを採用
三辺狭額縁によるEDGESTデザインを採用した304SHだが、これまでのモデルに比べ、ボディデザインが一段と進化を遂げている。スマートフォンのボディは背面をラウンドさせ、持ちやすさを考慮したデザインがひとつのトレンドになっている。ただ、背面をラウンドさせる関係上、材質的には樹脂を中心としたパーツで構成するため、手に持ったときの質感はある意味、どの機種も似たような印象だ。塗装なども含め、仕上げの美しさは優れているが、ほとんどの機種が同じような仕上げを採用しており、個性は少ない。
今回の304SHは、本体に高級感のあるメタルフレームを採用しており、アルミの質感が際立つアルマイト染色による3つのカラーバリエーションをラインアップしている。ボディ周囲の上下の縁にはダブルダイヤモンドカットを施し、メタルの質感と輝きを兼ね備えた美しいボディに仕上げている。メタルフレームの採用は電波の感度が気になるところだが、304SHではメタルフレームそのものをアンテナとして活用することにより、十分な感度を確保している。デザインと機能性を兼ね備えたメタルフレームによるボディというわけだ。
高級感あふれる仕上りのメタルフレーム。アンテナとしての役割も果たす
電源ボタンも金属製
このメタルフレームを採用したボディは、EDGESTデザインを従来モデル以上に際立たせている。三辺狭額縁は本体前面の約78%を画面が占有し、画面の内側と外の世界を融和させるような演出だが、304SHはディスプレイ周囲にメタルフレームのボディカラーが見える構造を採用し、三辺狭額縁を一段と強調している。
画面の大きさと金属フレームが際立つEDGESTデザイン
ディスプレイは従来と同じ約5.2インチのフルHD対応ながら、今回はS-CG Silicon液晶に代わり、待望のIGZO液晶ディスプレイを採用する。今回のIGZO液晶ディスプレイは昨年来、各社向けモデルに搭載されているものと違い、新たにPureLED(ピュアレッド)と呼ばれる新開発のバックライトと高透過率カラーフィルターに、映像リアリティエンジン「FEEL artist」を組み合わせることにより、色鮮やかで美しい映像を再現できるようにしている。
IGZO液晶ディスプレイの特長については改めて説明するまでもないが、「インジウム(In)」「ガリウム(Ga)」「亜鉛(Zn)」「酸素(O)」によって構成される酸化化合物を液晶パネルの薄膜トランジスタや配線に使うことで、高精細かつ高い省電力性能を実現している。また、従来のアモルファスシリコン液晶が毎秒60回の書き換え動作を必要としているのに対し、IGZO液晶ディスプレイは静止画なら毎秒1回、動画も30fpsのコンテンツであれば、半分の書き換え動作で済むため、全般的な消費電力を低く抑えることができている。
本体内蔵のバッテリーは従来のAQUOS PHONE Xx SoftBank 302SHと同じ2600mAhだが、連続通話時間は約20%増の1350分(3G利用時)、連続待受時間は3G利用時で550時間から850時間、4G利用時で380時間から600時間、4G LTE利用時で450時間から650時間へと大幅に伸びている。さらに、シャープ製スマートフォンで従来から採用されてきた「エコ技」を使うことで、さらに長い使用時間をも実現できる。「3日間超え」というキャッチコピーがおなじみだが、今回の304SHは、実用レベルでもかなりのロングライフを実現したと言って差し支えないだろう。
楽しく進化を遂げたカメラ
ケータイ時代にはじまり、スマートフォンでも進化を続けるカメラ機能。撮りたいときにいつでもすぐに撮れる手軽さは、スマートフォンならではのものと言えるだろう。しかし、スマートフォンのカメラ機能が一般的なデジタルカメラと大きく違うのは、撮影した写真を手軽に他の人たちに見せられることが挙げられる。メールに添付して、家族や友だちに送ることはもちろん、TwitterやFacebook、LINEなどのSNSを介して、より多くの人にその場の驚きや感動を伝えることができる。撮影の対象となる被写体も人物だけでなく、街の様子、食事、ショーウィンドウの商品、動物、看板など、多岐に渡っている。つまり、スマートフォンのカメラは単に情報を記録するのではなく、視覚に入る面白いもの、驚いたもの、感動したもの、楽しいものをいつでも気軽に伝えられる機能として、活用されてきているわけだ。
では、こうしたスマートフォンのカメラのニーズに対し、どう答えていくか。シャープは今回の304SHでもいろいろな取り組みをしているが、まず、筆者自身が非常に気に入ったのが新たに搭載された「全天球撮影(Photo Sphere)」だ。今年、国内メーカーから360度のパノラマ撮影ができるデジタルカメラが発売され、話題になっているが、304SHに搭載されている全天球撮影はこれとほぼ同じような写真をスマートフォンのみで撮影できるものだ。
撮り方としては、まず、[SHカメラ]アプリを起動し、画面右上に表示される[STD AUTO]と表示されたアイコンをタップする。シーン別などの撮影機能が一覧で表示されるので、ここで[全天球撮影]を選択する。周囲を撮りたい場所の中心に立ち、片方向を撮り、続いて少しずれた位置にカメラを向け、画面内に表示された●に、フォーカスアイコンの位置にある○を合わせると自動的にシャッターが切れる。これを上下左右の方向に何度もくり返し、撮影することで、最終的に360度のパノラマ写真が合成される。撮影した写真を再生するにはアルバムアプリを使う。画面をフリックしながら、360度の写真を上下左右に動かし、再生できる。画面内に表示されたコンパスのアイコンをタップすると、今度は端末の動きに合わせ、画面内の写真も上下左右に動くしくみだ。ちょうどGoogleストリートビューの写真を上下左右に動かすときと同じような感覚で、360度のパノラマ写真を楽しめるわけだ。
画面の指示に従うだけで簡単に全天球撮影が可能
筆者も実際にいくつかの場所で全天球撮影をしてみたのだが、撮影そのものは非常に簡単で、生成された360度パノラマ写真をほかの人に見せると、「どうやって撮ったの?」とかなり驚かれた。ちなみに、撮影した360度パノラマ写真はGmailやGoogle+などで共有したり、公開することができる。個人で使うのも楽しいが、お店などが店内の様子を撮影して、公開するなどの楽しい使い道もありそうだ。
スマートフォンならではの新しい楽しみと言える360度パノラマ写真に対し、カメラの基本的な部分もしっかりと作り込まれている。スマートフォンに限らないが、カメラで撮影したとき、思うような写真が撮れないことがある。たとえば、人物を撮ったのに、背景が明るすぎて、逆光で人物の顔が暗くなってしまうようなケースが挙げられる。こうした明暗差が激しいシーンにおいて有効な機能として、これまでもHDR(High Dynamic Range)撮影機能が搭載されていたが、シャッターを切ってから露出を変えた写真を複数枚撮影し、合成するというプロセスの都合上、動きのある被写体ではうまく撮影できないなどの制約があった。今回の304SHでは新たに「リアルタイムHDR」を搭載することにより、そうした欠点を克服し、しかもHDRの連写にも対応した。設定を「HDR AUTO」にしておけば、自動的に逆光などの極端な輝度差を認識するため、設定を切り替える必要もなくなり、確実にきれいな写真を撮影することが可能だ。
HDR撮影で、画面の明るいところも暗いところもよく写る
また、従来モデルでは暗いところの撮影に強い画像処理エンジン「NightCatch」が搭載されていたが、今回はこれも「NightCatch II」にバージョンアップし、人物撮影時はフラッシュを有効にし、背景はフラッシュを無効にして複数枚を撮影し、画像全体を明るく合成するといった撮影を可能にしている。ちなみに、フラッシュについては従来モデルよりも輝度を向上させるだけでなく、自然な色調のLEDをフラッシュに採用することにより、人物も明るく自然な色合いで撮影できるようにしている。従来モデルから高い評価を得ているF値1.9の明るいレンズは継承されており、1310万画素の裏面照射型CMOSイメージセンサーとの組み合わせで、美しい写真を撮影することが可能だ。ちなみに、背面のカメラ部はキズに強く耐久性に優れたうえに、指紋も付きにくいガラス製のレンズカバーが採用されている。
F値1.9の明るいレンズと、自然な色合いのLEDフラッシュ、NightCatch IIなどを併用し、人物撮影も得意
撮影時の機能としては、フレーミングアドバイザーがなかなかユニークだ。写真はある程度知識のある人が撮ると、被写体の位置や向き、背景なども含め、美しい構図の写真を撮ることができるが、スマートフォンで手軽に撮ることを重視しているユーザーにとっては、なかなか難しいところ。そこで、「フレーミングアドバイザー」では撮りたいシーンに合わせて、ガイドラインやメッセージによるアドバイスを表示することで、写真に詳しくない人でも上手に見える写真を撮ることができる。たとえば、料理を撮るときは画面上にお皿の形のガイドラインが表示されるので、そのガイドラインにお皿の位置を合わせる形で撮影する。自分自身で見る楽しみはもちろん、SNSに投稿すれば、いつもより多くの「いいね!」がもらえるかもしれない。スマートフォンだからこそ、こういうアプローチは歓迎したいところだ。
プロ顔負けのアドバイスで上手に見える写真が撮れる「フレーミングアドバイザー」
このほかにも、シャッターを押し続ける限り連写ができる「おしっぱなし連写」、近景と背景の両方にピントを合わせられる「多焦点撮影」、イメージセンサーの性能を最大限に活かした「4K2K動画撮影」など、多彩な撮影機能が搭載されている。
さらに、カメラを撮影のためだけでなく、情報を得るための窓口として活用する機能も充実している。従来のAQUOS PHONE Xx SoftBank 302SHでは、カメラをかざした英文を翻訳できる「翻訳ファインダー」がはじめて搭載されて話題になったが、今回はカメラで撮影した中国語や韓国語を翻訳できる「かざして翻訳」が提供される(アプリのインストール必要・無料)。この「カメラで文字を読み取る」というしくみを応用し、カメラをかざして読み取った文字を検索する「検索ファインダー」も利用可能だ。「NAVITIME」のアプリをSHカメラから別途追加(無料)する必要があるが、街中に向けてカメラをかざしたとき、周辺の情報がARで表示される「周辺ファインダー」という機能も楽しめる。いずれもスマートフォンのカメラならではの機能であり、キレイに撮るだけでなく、カメラを楽しむしくみが用意されていることは高く評価できる。
カメラに写った英文をリアルタイムで翻訳する「翻訳ファインダー」
カメラに写った単語でリアルタイムに検索できる「検索ファインダー」
カメラで撮影した中国語や韓国語を日本後に翻訳できる「かざして翻訳」
使いやすさを考えた実用機能も充実
三辺狭額縁によるEDGESTデザインを採用したことにより、5.2インチという大画面ディスプレイを搭載しながら、約72mmのボディ幅に仕上げられた304SH。ボディの厚さも約9mmに抑えられているため、多くのユーザーの手にフィットするサイズと言えそうだ。
5.2インチの大型ディスプレイを搭載しながらも、狭額縁で持ちやすい
ただ、「手に持つ」という状態と「手に持って使う」という状態は、似ているようで、少し違うものだ。ボディ幅が抑えられているとはいえ、人によっては片手で持った状態で操作しようとすると、反対側に親指が届かないといったことも起きてくる。そこで304SHでは、片手操作を考慮した機能が搭載されている。たとえば、ワンハンドアシストは表示している画面を縮小して、左右に寄せて表示することができる。5.2インチのディスプレイを4インチクラスに縮小するような印象だ。操作は簡単で、ホームキーから斜め方向にスワイプすることで、表示を切り替えることができる。もう一度、同じ操作をすれば、元の表示に戻すことができる。縮小表示は左寄せと右寄せの両方に対応しており、左右どちらの手で持ったときにも利用できる。
ホームボタンのあたりから弧を描くように右ないし左にスワイプと……
画面が縮小表示される。左に寄せることももちろん可能
また、画面最下段のホームキーなどが表示されるナビゲーションバーのうち、アプリ履歴キーをタップすると、クイックランチャーが表示され、直前に利用したアプリにすぐに切り替えられるだけでなく、よく使うお気に入りのアプリを起動したり、ミニアプリと呼ばれるウィンドウ表示のアプリを起動することができる。ミニアプリはテレビやネット動画、アルバム、マップなど、利用頻度が高いアプリがあらかじめ登録されている。
どの画面からでもさまざまな機能にアクセスできるクイックランチャー
ウィンドウ形式でアプリを立ち上げておけるミニアプリ
ところで、シャープ製スマートフォンでは独自のホームアプリとして、「3ラインホーム」を提供してきたが、今夏のモデルからバージョンアップした新しいホームアプリ「Feel UXホーム」が搭載されている。従来の3ラインホームはアプリ、ウィジェット、ショートカットの3つのシートが用意され、それぞれを縦にスクロールできる形を取ってきたが、今回はアプリシートとデスクトップシートの2つに統合され、デスクトップシートには自由にショートカットを配置できるという形式に変更されている。画面下段のナビゲーションバーの上の段に「ドック」と呼ばれる固定表示も可能で、ドックにフォルダを設定することにより、よく使うアプリは画面を切り替えずに、すぐに起動することができる。ホームアプリはユーザーによって、好みがあるが、新しいFeel UXホームははじめてのユーザーにもわかりやすい構成だ。Android標準ホームに近い「SHホーム」も用意されており、こちらに切り替えて使うことも可能だ。
よりシンプルに、使いやすくなった「Feel UXホーム」
画面下部の「ドック」はアプリやフォルダを固定表示しておける
実用的な機能として、もうひとつ見逃せないのがフルセグ/ワンセグの両方に対応したテレビ機能だ。従来のAQUOS PHONEシリーズに搭載されるテレビ関連機能は、他社に先駆けて録画にも対応するなど、機能的にも充実してきたが、今回はフルセグ視聴時のデータ放送にも対応しており、地上デジタル放送の番組で提供されているプレゼント応募やクイズの回答といった双方向番組を楽しむことができる。特に今年は大きなスポーツイベントも控えており、外出時にテレビ視聴をする機会が増えそうだが、動きの激しいスポーツであるからこそ、ワンセグよりもフルセグで視聴できる環境が欲しいところだ。ちなみに、本体にはアンテナも内蔵しているため、外部アンテナを接続しなければまともにテレビが視聴できない、といったこともない。シャープのテレビメーカーならではのこだわりと言えそうだ。
アンテナ内蔵なので、別途外付けアンテナを持ち運ぶ必要はない
フルセグ放送中に画面を長押しすれば、データ放送の4色ボタンが出現。番組の投票企画などに気軽に参加できる
データ放送の詳細表示ももちろん可能
こうした実用的な機能は、端末に搭載されるだけでなく、ユーザー自身が実際に使わなければ搭載されたメリットがないが、シャープでは標準で「体験しよう!」というアプリを提供しており、本稿でも触れた「Feel UXホーム」や「ワンハンドアシスト」をはじめ、「翻訳ファインダー」や「検索ファインダー」などの機能を体験しながら、利用できるようにしている。はじめてのユーザーはもちろん、すでにスマートフォンを使ったことがあるユーザーも新機能に親しみやすく、効果的なアプローチと言えるだろう。
スマートフォンの新しい可能性を思う存分、体験できる「AQUOS Xx SoftBank 304SH」は買い!
ここ数年のスマートフォンの進化は著しかったが、昨年あたりから「そろそろ落ち着いてきたね」という評価も聞かれるようになってきた。確かに、ハードウェアのスペックとしての進化は少し落ち着いてきた感があるかもしれないが、実際に「ユーザーが使う」という部分においては、まだまだ進化の余地がかなり残されている。特に、スマートフォンの普及が約50%近くまで拡大し、これから今まで以上に多くの人々が移行する状況を鑑みると、もっと実際の利用シーンに即した機能やアプローチが求められるはずだ。
今回発売された304SHは、三辺狭額縁によるEDGESTデザインと質感の高いメタルフレームのボディの魅力もさることながら、リアルタイムHDRや全天球撮影、フレーミングアドバイザーといったユニークな機能を搭載したカメラ、ワンハンドアシストやクイックランチャー、Feel UXホームといった実用性を考えたユーザビリティなど、これまでのスマートフォンにはなかった新しい可能性を提供している。そして、それを単に搭載するだけでなく、「体験しよう!」というアプリにより、ユーザー自身に使ってもらおうとする工夫にも取り組んでいる。このあたりはケータイ時代から長くユーザーのニーズに的確に答えてきたシャープらしい姿勢と言えるだろう。AQUOS Xx SoftBank304SHは他機種にはないスマートフォンの新しい可能性を思う存分、体験したい欲張りなユーザーにこそ、ぜひ楽しんでもらい一台と言えるだろう。
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執筆: 法林岳之
1963年神奈川県出身。携帯電話やスマートフォンをはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。主な著書は「できるWindows 8.1」をはじめ、「できるポケット docomo AQUOS PHONE ZETA SH-01F 基本&活用ワザ 完全ガイド」、「できるゼロからはじめるタブレット超入門 Android 4対応」など、数多く執筆。Impress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。ホームページはこちら。