4.7インチ大画面液晶搭載のフラッグシップモデル！
AQUOS PHONE Xx SoftBank 106SH

　シャープの新作スマートフォン「AQUOS PHONE Xx（ダブルエックス） SoftBank 106SH」が、7月上旬以降にいよいよ発売される。ソフトバンクが発表した2012年夏モデルラインアップの中でも、トップクラスの性能を誇る注目の1台だ。今回、発売前の同機を試用する機会が得られたので、ファーストインプレッションをお届けする。

　106SHを手に取ってみて、やはり最初に目がいくのは、その大画面。サイズは4.7インチで、これはソフトバンク2012年夏モデルの中で最も大きい。画面解像度も1280×720ドットのHD表示。この2つが相まって、画面表示の美しさを際立たせている。

　液晶の狭額縁化が進んだ点も魅力だ。106SHの本体サイズは約130×67×10.8mm。対して、2011年秋冬モデルとして発売された102SHは、約128×65×9.8mmで4.5インチディスプレイを内蔵する。106SHは、わずかなサイズアップで、より大きなディスプレイを採用できたことが数値からも分かる。

　この106SHの液晶ディスプレイには、シャープ独自の「S-CG Silicon液晶システム」が用いられている。液晶画面そのものの透過率を従来機（CG Silicon液晶）と比較して大幅に向上させただけでなく、画像処理用のメモリーを液晶側に内蔵させることにより、静止画（写真やメニュー画面など）の表示時にCPUからのデータ伝送をカットし、余分な電力を抑えられるようになった。液晶単体ではなく、メモリーを併用するという“システム”のアプローチで、消費電力削減が図られているというわけだ。

　シャープ製スマートフォンの多くに、液晶テレビ「AQUOS」の開発で培った高画質化技術が用いられていることは、すでにご存じの方も多いだろう。106SHでも「SVエンジン3」と呼ばれるバージョンが導入されている。また、音響面では「Dolby Mobile v3」の採用にも注目したい。ステレオヘッドフォンを接続することにより、5.1Chバーチャルサラウンドを楽しむことができる。106SHで映画を見る場合などに、このコンビネーションが大きな効果を発揮するだろう。

　通信規格の面で注目したいのは、なんと言っても「プラチナバンド」への対応だ。ソフトバンクが新たに取得した無線周波数帯（900MHz帯）での通信をサポートすることで、電波の繋がりやすさが改善される見込みだ。プラチナバンドでの通信がスタートするのは7月25日から、しかも一部地域より順次となるため、今回はその真価を体験できなかったが、非常に楽しみな要素だ。

　「ULTRA SPEED」への対応も忘れてはならない。106SHは下り最大42Mbps版のULTRA SPEEDをサポートしており、従来の下り最大21Mbps版よりさらに高速化されている。サービスエリアの兼ね合いもあるため、すべての地域で下り42Mbpsをすぐに体感できるわけではないが、将来を考えた場合に、あって損はない機能だ。

　スマートフォンの基礎性能を支えるCPU・チップセットについても抜かりはない。106SHでは、クアルコム製のデュアルコアCPU「MSM8260A（Krait）」（1.5GHz駆動）を採用。シングルコアCPUと比較して処理スピードが向上しただけでなく、電圧制御による省電力性の面でも有利という。一方、CPUや液晶の改善によって省電力化を図ると同時に、1900mAhという大容量バッテリーを採用しているのもポイントだ。

　内蔵ソフトウェア面の細かな改善も進んだ。「ダイレクトトラッキング技術」により、画面タッチ時の反応やスクロールの応答性が向上。バッテリー消費関連の設定値をワンタッチで切り換える「エコ技」機能も搭載されている。OSがAndroid 4.0になった点も見逃すわけにはいかない。

　106SHはスマートフォンとして順当な進化を果たす一方で、従来型携帯電話（フィーチャーフォン）でおなじみの機能をサポートしている点も忘れてはならない。防水、おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信がそのまま使えるので、フィーチャーフォンからも比較的簡単に乗り換えられるはずだ。

　106SHの特長は数多いが、あえて1つに絞るならば、液晶ディスプレイの美しさを挙げたい。しかし、その画面の鮮烈さを、ウェブサイトの写真だけで感じるにはどうしても限界がある。発売間近となり、一部の店舗では実機の参考展示もスタートしている。店頭でぜひ、106SHに実際に触れ、その魅力を自分自身で感じ取ってほしい。

（森田秀一）