スマートフォンは電池が持たない……わけじゃない!
2013-12-20 Reported by 法林岳之
こういう仕事をしていると、「スマートフォンにしたいんだけど……」というケータイユーザーからのご相談をよく受ける。もちろん、ケータイにはケータイの良さがあるわけだけど、スマートフォンにも興味があるわけで、手を出そうかどうしようかを悩んでいるんだという。
こういう相談を受けると、スマホへの乗り換えを躊躇している要因として必ず挙げられるのがスマートフォンの電池の持ち。「スマートフォンにすると、電池がねぇ。結構、使うから……」という話なんだけど、正直なところを言ってしまうと、今のスマートフォンの電池はそんなにヤワじゃない(笑)。スマートフォンをはじめて使う人が「電池の持ちが全然、足りない~」と叫んでしまうほどでは、全然ないのだ。もちろん、スマートフォンとケータイでは根本的なしくみが違うので、「1週間に1回充電すれば、大丈夫」なんてことは難しいんだけど、それでもAQUOS PHONE ZETA SH-01Fの「余裕の3日間」というコピーからもわかるように最近のAQUOS PHONEシリーズは、スマートフォンの中でもトップクラスの電池持ちを誇る。
たとえば、今から3年前の2010年にNTTドコモから発売されたケータイ「SH-01C」と、最新のAQUOS PHONE ZETA SH-01Fとを比較して見ると、次のような感じになる。
SH-01F | SH-01C | |
---|---|---|
発売 | 2013年11月 | 2010年11月 |
バッテリー容量 | 3000mAh | 800mAh |
連続通話時間 | 約910分(3G) | 約220分(3G) |
連続待受時間 | 約700時間(3G) 約580時間(LTE) |
約460時間(3G) |
ちょっと乱暴な比較になってしまうけど、これを見てもわかるように、AQUOS PHONE ZETA SH-01Fは3年前のケータイに比べ、約4倍近い大容量のバッテリーを搭載し、連続待受時間で約1.3~1.5倍、連続通話では約4倍の値となっている。
スマートフォンの場合、基本的なしくみの違いとして、待機中も自動的に通信をしたり、画面サイズが大きく、CPUパワーも強大なため、どうしても消費電力が多いとされている。これはこれで事実なんだけど、もうひとつ隠れた要因として、おそらく多くの人はスマートフォンに慣れるに従って利用時間そのものが長くなる傾向にあり、一段と電池残量が厳しくなってしまうという指摘もある。
じゃあ、ケータイのままでいいのかという話に戻ってしまうんだけど、個人的にはこのスマートフォンの面白さ、楽しさ、便利さを電池の持ちだけで諦めちゃうのは、ちょっともったいないかなというのが本音。
一方、すでにスマートフォンに移行した人からは、「そうは言うけど、やっぱり、スマートフォンは電池が持たないよ」という声が聞こえてきそう。確かに、ケータイに比べれば電池が持たないという見方もできるけど、ボクがいろんな機種を触ってきた印象からすると、特にこの1年、スマートフォンの電池の持ちはグンと改善された感じだ。2年前くらいの機種と比較すると、かなり大きな差があると見ている。
2年前に発売されたスマートフォンというと、auでは個人的にも愛用した「AQUOS PHONE IS13SH」がある。これを同じように、今回の最新機種であるSHL23を比較してみると、スペックではこんな感じの差がある。
SHL23 | IS13SH | |
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発売 | 2013年11月 | 2011年11月 |
バッテリー容量 | 3000mAh | 1460mAh |
連続通話時間 | 約1380分 | 約570分 |
連続待受時間 | 約720時間(3G) 約660時間(4G LTE) |
約410時間(Wi-Fi機能未使用時) |
これはもうスマートフォン同士の比較なので、しくみ云々は関係なし。リアルに電池容量は約2倍、連続通話時間は約2.4倍、連続待受時間は約1.6~1.7倍の差がある。しかもディスプレイは高精細で省電力性能の高いIGZO搭載液晶を採用し、省電力技術の「エコ技」機能も従来に比べ、グッと進化を遂げている。ちなみに、NTTドコモ向けのAQUOS PHONE ZETA SH-01Fはこの冬のモデルの中でもトップクラスの実使用時間の数値を持っているが、AQUOS PHONE SERIE SHL23は通信方式など、細かい部分の仕様こそ違え、基本仕様はほぼ同等のため、こちらもほぼ同程度の実使用時間が期待できるというわけ。AQUOS PHONE SERIE SHL23は筆者自身も使いはじめているが、電池の持ちは安心して使えるレベルに仕上がっているという印象だ。
「スマートフォンは電池が持たない」と言われて久しいけど、スマートフォンのバッテリーと省電力性能は着実に進化を遂げ、安心して使える環境は整ってきている。もちろん、ユーザーの使い方にもよるが、普段の生活で使っていて、「予備のモバイルバッテリーが手放せなくて……」なんていうことは、徐々に考えなくても良くなりつつある。はじめてのスマートフォンの人も買い替えの人も先入観を捨て、もう一度、最新モデルの『電池の持ち』に注目してみて欲しい。
法林 岳之1963年神奈川県出身。携帯電話やスマートフォンをはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。主な著書は「できるWindows 8」をはじめ、「できるポケット docomo AQUOS PHONE ZETA SH-06E スマートに使いこなす基本&活用ワザ 150」(2013年5月24日発売)、「できるWindows 8 タッチPC&タブレット編」など、数多く執筆。Impress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。ホームページはこちら。 |