Impress Watch 10th Anniversary Special

2006年全Watch 年間アクセスランキング

～　日常に溶けてしまったネットワーク　～

　10年分を見てきたアクセスランキングも、今回で最後となる。最後の年は終わったばかりの2006年だ。

●　全Watch 年間アクセスランキング　●

順位	題目
1	スーファミにPC内蔵してデモ、カートリッジはHDDケース
2	2ちゃんねるで話題になった中学柔道部が1位、9月のgoo検索ランキング
3	au design project第5弾の「neon」
4	ドコモ、903iシリーズなど秋冬モデル14機種
5	ドコモ、「702iシリーズ」を開発
6	au、1X WIN対応の新端末7モデル発表
7	au、音楽とデザインにこだわった秋冬モデル12機種
8	サントリー、「ポーション」をイメージした清涼飲料、　　　「ファイナルファンタジーXII ポーション」を発売
9	ボーダフォン、秋冬モデル13機種を発表
10	ドコモ、902iSシリーズなど新FOMA端末8モデルを開発
11	どうなる？浦和レッズのユニフォーム
12	SAP、オンデマンド型CRMソリューションを販売開始
13	NTT東西、固定電話向けサービス「Lモード」撤退を検討
14	HDDの全内容を公開する「山田オルタナティブ」、Winny利用者以外も注意
15	ソフトバンクのMNPシステムに障害、ドコモやauに乗換え不可

　1位は珍しくAKIBA PC Hotline!のネタで、スーパーファミコンの筐体の中にPCを入れた改造機が展示されたというニュースだ。

　また、2位は部活中に大怪我を負った女子生徒に対する2ちゃんねるの支援活動が話題となった中学校が、検索のランキングで1位になったというニュースだ。

　いずれのニュースも、大きな話題ではなく、ほんのちょっと変わってはいるものの、身近ともいえる話題であることが特徴だ。

　言ってみれば、この10年間でネットワークがいかに普通のものとなり、読者の関心もハードウェアやシステムから、その上で流通する内容へとシフトして行ったことの表われと言えるだろう。参加が容易になり、参加する人が増えれば増えるほど、ネット上の話題と日常の話題はどんどん近づいている。

　また、それまでは周囲との日常会話で終わっていたような話題が、ネットワークを介することで大きな話題へと成長して行く証でもあるだろう。

　この10年を振り返ると、PCから携帯電話へ、掲示板からSNSへと、ネットワークを担う機器と構造が変化し、ネットワークが日常に密着してしまったことを感じる。

　なお、ハードウェア面では、ネットワーク端末であり、コミュニケーションツールである携帯電話への関心が続いており、ランキングの3位から7位までを占めている。たぶん、携帯電話はいつも持ち歩ける他者であり、自分自身を反映した鏡でもあるのだろう。そういえば、電車の中で携帯メールを打つ人々の姿は、手鏡を見る姿に似ている。

　結局、Watchの10年は、ネットワークという衝撃が日常生活の中に取り込まれていく過程を映し出していたのだと思う。もう、私たちはネットワーク無しでは生きていけないし、ネットワークと日常を分離することもできなくなっているのだ。

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