ReadyNASのデータをクラウドに暗号化して保管
「ReadyNAS Vault」第2回
実際に設定して使ってみよう!
2013.11.29 清水理史
前回、ReadyNASのデータをクラウド上に安全に保管できる「ReadyNAS Vault」について取り上げました。今回は、その実践編として、セットアップの方法を紹介します。
と言っても、ReadyNAS Vaultのセットアップは、とてもカンタンです。ReadyNAS Vaultはクラウド上で提供されているサービスですが、基本的なセットアップはReadyNASの設定画面から実行できるので、以下のように、まるでローカルの機能のように手軽に有効化できます。画像とともに見ていきましょう(矢印をクリックすると次に進めます)。
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ブラウザを使ってReadyNASの設定画面にアクセスします。今回は6ベイのビジネスモデル「ReadyNAS 316」を例に設定を紹介します。
- ReadyNAS Vaultの設定は、「バックアップ」メニューの「クラウドストレージ」の項目にあります。初回は登録が必要なので、「登録するにはここをクリックしてください」をクリックしましょう。
- 「ボリュームの選択」でボリュームを指定し、「共有の選択」でバックアップ対象にしたい共有フォルダを選択します。また、今後、ReadyNAS Vaultの設定に使うアカウントとしてメールアドレスとパスワードを登録します。
- 「登録」ボタンをクリックすると、ReadyNAS Vaultのサーバーとの間で設定が自動的に実行され、登録が完了します。この画面が表示されれば、ひとまず設定は完了です。選択した共有フォルダのデータが自動的にReadyNAS Vaultにバックアップされるようになりました。
登録する情報がメールアドレスだけで済むうえ、設定も共有フォルダを選ぶだけととてもカンタンですね。これなら、NASをはじめて使うという人でも、迷わず使えるのではないでしょうか。
もちろん、より高度な設定をすることもできるので、サービスの管理画面にアクセスしてみましょう。ReadyNAS Vaultの設定画面から、「ReadyNAS Vaultの管理」をクリックすると、以下のように別ウィンドウでサービス設定ページにアクセスすることができます。
はじめてアクセスしたときは、サービスの初期設定が実行されます。英語ですが、カンタンな設定なので、軽く済ませておきましょう。
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登録時に指定したメールアドレスとパスワードを使ってログインします。初回なのでウィザード形式のセットアップが実行されます。英語ですが、基本的に進めていくだけで設定できます。データをバックアップするときの暗号化キーを設定します。標準ではサービスで自動生成されたパスワードが使われますが、自分で指定することもできます。
- バックアップ対象となるフォルダを選択します。セットアップ時に指定した共有フォルダはすでに有効になっているので、他のフォルダも含めたい場合は追加します。
- これで初期設定は完了です。基本的に標準のままでかまわないうえ、後から変更することもできるので、次々にすすめてしまっても大丈夫です。
初期設定が完了したら、一通り、設定をチェックしてみましょう。以下のような設定を実行することができます。
- 「Files」ページは、ReadyNAS Vaultにバックアップされたファイルを参照するためのページです。「My Computers」をクリックしていくと、バックアップした共有フォルダにアクセスできます。
- インターネット経由で他の人と共有したファイルを管理するための「Links」ページです。ダウンロードのためのリンクやダウンロードの停止などの管理できます。
- 「バックアップジョブ」ページでは、バックアップの設定を変更できます。バックアップ対象の共有フォルダを選んだり、バックアップから除外するファイルを指定したり、ReadyNASから削除したファイルをアーカイブとしてどれくらい保管するか(標準は30日)、更新されたファイルのバージョン管理をどれくらいするか、バックアップをどのようなスケジュールで実行するかなどを設定できます。
- 「検索」ページでは、バックアップされたファイルを検索することができます。キーワードを指定すればファイルをリストアップできます。
- 「レポート」は、ReadyNAS Vaultの状況を確認できるページです。ReadyNAS Vaultの容量の使用状況を表示したり、過去のバックアップのレポートやエラーを表示することができます。
- 最後の「マイアカウント」はReadyNAS Vaultのアカウント管理画面です。契約情報の確認やサービスのアップグレードなどを実行することができます。
一通り確認できたら、実践編として、バックアップからファイルを復元してみましょう。ファイルの復元は、ReadyNAS Vaultの「Files」ページから実行できますが、現在のベータ版の画面からは、フォルダ単位でのリストアのみとなりますので、「Files」ページの画面に表示されている「Classic Web Explorer」をクリックして、従来版の画面からの操作を紹介します。
- エクスプローラーでリストアしたいデータを探して表示後、「MORE」アイコンをクリックして、「Automated Restore」を選択します。
- 復元ウィザードの画面が表示されるので、「次へ」をクリックして作業を進めます。
- 復元先のNASと、復元先のパスを指定します。バックアップした場所と同じ場所だけでなく、任意の場所に復元できます。
- 復元操作のスケジュールを設定します。標準ではすぐに実行されますが、日時を指定したり、定期的に復元するといったこともできます。
- ファイルを上書きするかどうかを設定します。通常は、現在NAS上にあるファイルを維持しつつ、別名でリストアするのが安全です。
- 設定が完了すると、設定したスケジュールに従ってリストアが実行されます。なお、リストアジョブの様子は「復元ジョブの管理」から確認することができます。
最後に、もう1つ、ReadyNAS Vaultの特長の1つでもあるバージョン管理の機能を見てみましょう。この機能を使うと、自動的に記録されたファイルの更新履歴から、過去のバージョンをダウンロードすることができます。
大切なファイルをうっかり更新してしまったり、複数の人でファイルを共同編集しているときなどに活用すると便利です。
- エクスプローラーでリストアしたいデータを探して表示後、「MORE」アイコンをクリックして、「Automated Restore」を選択します。
- こちらの機能は、新しいUIのエクスプローラーからも操作できるので、以前のバージョンを確認したいファイルを表示します。ファイルを選択後、上部の「Previos Version」をクリックします。
- ファイルの履歴が表示されました。標準では、すべてのバージョンを保持する設定になっているので、更新されたすべてのタイミングの履歴が残っています。
- 戻したいバージョンをクリックすると、そのファイルをダウンロードすることができます。
さて、どうでしたか? 難しそうな印象があったかもしれませんが、意外にカンタンだったことに驚いた人も少なくないはずです。大切なデータをどうやって保管するかは、企業にとっても、個人にとっても頭のイタイ問題ですが、ReadyNAS Vaultが使えるReadyNASなら、大切なデータを2重に、しかもカンタンに保護できるのでオススメです。
(Reported by 清水理史)
関連リンク
- ReadyNAS Vault 製品情報
- http://readynasvault.com/