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Review

スマホからも使えるウェブアルバムを自宅に構築
ReadyNAS NV+ v2で「ReadyNAS Photos II」を使い倒す

 

ReadyNAS Photos IIを使いこなそう

ネットギアのReadyNASのアドオンには、有用なものが数多くある。今回は写真共有サービスの「Photos II」を紹介したい

ネットギアのReadyNASシリーズと言えば、アドオンによって機能を強化できることが特長の1つとなっているが、その中でも、ぜひ使っておきたいアドオンに「ReadyNAS Photos II」がある。

コンシューマー向けNAS「ReadyNAS NV+ v2」や「ReadyNAS Duo v2」に標準搭載されていることは、以前のレビューでも触れたが、写真の表示や共有などが手軽できる機能で、ブラウザからの手軽な操作で写真をアップロードしたり、スライドショーで表示したり、メールで友人と共有することができるようになっている。

同様の機能は、いわゆるウェブアルバムサービスを使うことでも可能だが、ReadyNAS Photos IIの場合、保存先が自宅となるためプライバシーを保護しやすいうえ、数TBの容量を初期投資のみで利用し続けることができるなどのメリットがある。

とは言え、気軽に試せるウェブサービスと異なり、ハードウェアを所有していないと使えないため、その概要がわかりにくいのも事実だ。そこで今回は、ReadyNAS NV+ v2を使って、実際にどのようにReadyNAS Photos IIが動作するのかを詳しく紹介することにしよう。

ReadyNAS Photo IIの初期設定

まずは、初期設定から見ていこう。前述した通り、今回利用したReadyNAS NV+ v2には標準でReadyNAS Photos IIがインストール済みとなっている。このため、付属のユーティリティソフト「RAIDar」を使ってReadyNAS自体の初期セットアップを実行し、以下のように簡単な設定をするだけで、すぐにRadyNAS Photos IIを利用することが可能だ。

初期設定の手順
RAIDar経由、もしくはブラウザからReadyNASの設定画面を表示。「写真の共有を始める」をクリック
ReadyNAS PhotosIIの設定画面が表示されるので、ウィザードに従ってセットアップを実行
ホスト名を設定。この名前を使ってインターネット経由でアクセスするので、わかりやすい名前を設定しておくと便利
設定完了。「次へ」をクリックすると、ReadyNAS PhotosIIにアクセスする
最初に管理者アカウントを作成する。アカウントはReadyNAS本体のアカウントとは別に管理される
写真を保存するためのアルバムを作成する。撮影者や被写体、イベントごとにアルバムを作成して管理できる
写真をアップロードする。「ブラウズ」をクリックしてパソコンに保存されている写真を選択し、「アップロード」をクリック。一度に複数の写真をまとめて登録できる
アップロードが完了すると、写真がアルバムとして表示される

UPnP非対応のルーターを使っている場合やうまくUPnPで設定できなかったときは、ルーターのポートフォワードの設定が必要になるが、基本的には、この初期設定でReadyNAS Photos IIを使うための準備が完了する。

もちろん、アカウントやアルバムは後から追加することが可能で、たとえば家族それぞれのアカウントを作成して使い分けたり、日付や撮影シーンごとにアルバムを複数作って写真を管理することが簡単にできる。

これまでPC上の写真管理アプリなどを使っていた場合は、そのアプリの管理機能がそのままNAS上に搭載されたと考えて差し支えないだろう。

ただし、たくさんの写真がPCに保存されている場合、個別にアルバムを作成して写真を登録していくのが面倒となる。このような場合は、ReadyNAS Photos IIのインポート機能を使うと便利だ。

あらかじめPC上の写真フォルダをReadyNASの共有フォルダにコピーしておき、設定ページから写真のインポートを実行すれば、自動的にアルバムとして登録することができる。

共有フォルダの写真を自動的に登録する
設定画面で、「写真の共有を始める」の右側の設定アイコンをクリックする
管理画面が表示されるので、「フォトグラファー・メニュー」をクリックし、「ReadyNASのフォルダからのインポートの準備」をクリック
インポート元の共有、写真が保存されているフォルダ、登録先のフォトグラファーを選択。標準では選択したフォルダ配下のサブフォルダがアルバムとして登録されるが、「シングルアルバムモード」をチェックすると、1つのアルバムにまとめて保存される
写真枚数によっては、長い時間がかかる場合もあるので実行後は放置しておくといい
ReadyNAS上のフォルダと同じ名前のアルバムに写真が自動的に登録される。たくさんの写真がある場合は、この方法でアルバムを登録すると便利

なお、アルバムに登録した写真は、さらにカテゴリを使って整理することもできる。アルバムにさまざな写真が雑多に登録されていて見にくいときは、カテゴリを使って分類しておくのがおすすめだ。

写真を整理する
アルバム内にカテゴリを作成して写真を整理することが可能。「アルバムオプション」から新しいカテゴリを作成
未分類の写真をカテゴリに移動する。「アルバムオプション」から「写真の移動・削除」を選択し、移動したい写真を選ぶ
写真を移動すると、カテゴリごとのタブで写真を管理できるようになる。同じ日付のアルバムに異なるシーンの写真が混在している場合などに便利

登録した写真を家や外出先から見てみよう

続いて、登録した写真を見る方法を紹介しよう。自宅のパソコンから見る場合は、ブラウザを使ってReadyNAS Photos IIにアクセスするだけと簡単だ。個別に写真を見るだけでなく、BGM付きのスライドショーで写真を楽しむこともできる。

写真を見る
家庭内のパソコンからはブラウザ経由で手軽に写真を閲覧可能。設定画面で「写真の共有を始める」をクリックするとアルバムが表示される
見たいアルバムをクリックするとアルバム内の写真が表示される。アルバム一覧に戻りたいときは「アルバムビューへ戻る」をクリック
写真をクリックすると大きく表示可能。「<」や「>」ボタンで次の写真を表示できる
スライドショーで見る
スライドショーで見たいアルバムを表示。画面上の「スライドショー」ボタンをクリック
自動的に写真が表示される。手動での写真の切り替えや全画面表示への切り替えもできる
アルバムごとにBGMを設定することもできる。フォルダの設定アイコンから「参照」を選択する
BGMに設定したい音楽をアップロード後、プレイリストに登録するとBGMとして設定される。複数の音楽を設定することも可能

もちろん、パソコンだけでなくスマートフォンから写真を見ることも可能だ。スマートフォンを自宅の無線LANなどに接続している場合だけでなく、外出先から3G回線を使ってアクセスすることもできるので、いつでも写真を楽しめる。

外出先からスマートフォンでアクセス
設定画面で「写真の共有を始める」の右側の設定アイコンをクリックして管理画面を表示する
外部アクセスURLを確認。「http://photos.readynas.com
/netgearspace/」の形式となる。メールなどでスマートフォンに送っておくと便利
スマートフォンのブラウザに確認したURLを入力。ログイン画面が表示されるので、自分のアカウントでログインする
ReadyNAS PhotosIIに保存したアルバムが表示されるので、見たいアルバムをタップして開く
アルバムをタップすれば写真を参照できる。さらに写真をタップすれば大きく表示することが可能
写真をダウンロードしたり壁紙に設定することもできる
スライドショーも再生可能。スマートフォンからでも写真を堪能できる

このほか、写真を見るだけでなく、スマートフォンから写真をアップロードすることも可能だ。カメラ機能を使って撮影した写真は、メールを使ってReadyNAS Photos IIに保存することができる。

スマートフォンから写真をアップロードする
ReadyNAS PhotosIIにログインし、右上の「設定」をクリック後「参照」を選択。設定画面を表示する
「リモートアップロード」をクリックし、設定を有効化する。パスコードやアップロードオプション、ターゲットのアルバムを選択すると、宛先アドレスが自動生成される
スマートフォンのメールアプリから、生成されたメールアドレス宛に写真を添付してメールを送信。件名で保存先アルバムを変更したり、コメントを入力することもできる
送信した写真は指定したアルバムに自動的に保存される。送信元メールアドレスに制限を設けなければ、パーティなどでみんなから写真を送ってもらって集めることもできる

スマートフォンのストレージ容量がいっぱいにならないように昔の写真を転送したり、保存しておきたい大切な写真をReadyNAS Photos IIにバックアップするといった使い方をするとよさそうだ。

写真をインターネット経由で共有する

ReadyNAS Photos IIを使えば、単に写真を保管、閲覧できるだけでなく、インターネット経由で友人などに写真を公開することも手軽にできる。NASはこれまで、単なる保管先というイメージが強かったが、これでインターネット上のウェブアルバムサービスと同様に、写真を使ったコミュニケーションまでも楽しめるようになったわけだ。

操作方法としては簡単で、写真を公開したい相手にメールを送るだけでかまわない。ReadyNAS Photos IIにはメールを送るためのUIも組み込まれているので、そこから相手のメールアドレスを指定して招待するだけと簡単だ。

写真を公開する
写真のURLをメールで送信して、相手に見てもらったり、ダウンロードしてもらうことができる。まずは、送信したいアルバムを選択して、設定アイコンから「共有」をクリック
送信画面が表示されるので、メールアドレスとメッセージを入力して「送信」をクリックする
相手には同じ画面のメッセージが届く。相手が「View Slide Show」もしくは「View Album」をクリックするとアルバムにアクセスできる
アルバムにアクセスすると、撮影者が保存した写真を参照できる。スライドショーをここから起動することも可能
写真にはメッセージを書き込むこともできる。写真を通じたコミュニケーションも手軽に楽しめる
アルバムの設定を変更すると、相手がダウンロードできる写真のサイズを設定可能。標準では「小(480x480)」になっているので、オリジナルをダウンロードさせたいときは「元画像」を選択しておく

もしも、TwitterやFacebookなどの友人と写真を共有したい場合は、写真のURLだけを取得して、他のサービスに貼り付けておけばいい。これで、相手がリンクをクリックすれば、自動的にReadyNAS Photos II上の写真にアクセスできるようになる。

URLをソーシャルネットワークサービスなどで使う
写真には外部から参照可能なURLを割り当てることが可能。写真の設定アイコンをクリックして「共有」を選択
サイズごとに写真のURLが表示される。これをコピーしてソーシャルネットワークサービスなどに貼り付ければ写真を手軽に公開できる

写真を安全に管理できる

設定画面で「写真の共有を始める」の右側の設定アイコンをクリックして管理画面へ。「バックアップ」で、バックアップ先にReadyNASの共有フォルダを指定すると、指定した日時に写真をバックアップできる。もう1台ReadyNASがある場合は、RSYNCでそこにバックアップすることもできるので、ネットワーク経由で写真を同期させることも可能

最後に、バックアップ機能を紹介しよう。ReadyNAS Photos IIに登録した写真は、バックアップ機能を使って、定期的にReadyNAS上の共有フォルダやネットワーク上の別のReadyNAS(RSYNC利用)にバックアップすることができる。

これにより、データを保護するだけでなく、NASの入れ替えのときなどに写真を取り出して移行することができるうえ、自宅と実家などのように離れた場所にあるReadyNAS同士で写真を同期するといった使い方ができるようになるわけだ。

このように、ReadyNASのアドオン「ReadyNAS Photos II」は、写真を安全かつ楽しく管理することができる機能となっている。このような使いやすいアドオンが豊富に用意される点も、ReadyNASならではの特長と言えそうだ。

(Reported by 清水 理史)
製品情報
■ReadyNAS NV+ v2 製品情報
http://www.netgear.jp/products/details/RND4000-200AJS.html
■ReadyNAS Duo+ v2 製品情報
http://www.netgear.jp/products/details/RND2000-200AJS.html
■NETGEAR ホーム向けNAS製品ラインアップ
http://www.netgear.jp/products/home/storage