第6回:『みんなのいえ』
女優・八木亜希子にタモさんのテンションは?
限りなく無職に近いフリーライターという立場だと、昼間のテレビを見る時間が必然的に多くなる。小学校を休んで見たテレビは優越感に浸れたもので、それがズル休みだったりすると罪悪感に襲われたものだ。今じゃどちらの感情もない。ただ普通に見ている。
ニュースなども見るようになると、アナウンサーの顔と名前の覚えも早くなる。最近、いいなと思う女子アナは、これは奇をてらうこともなく真顔で語ってしまうが、フジの安藤幸代アナ(厳密には共同テレビ所属)と、TBSの久保田智子アナだ。いずれも入社2年目で、仕事が増えるとともに、好感度もアップ。安藤アナが「カブレラ選手はホントすごいパワーですね」なんて言った日には、「オレも上腕二頭筋を鍛えちゃおうかな」などと本気で考えたりして。
そんな彼女たちの活躍を見ていると、どうしても女子アナのタレント化というか、アナウンサーのフィールドが広がった時代を思い出す。そのパイオニアのひとりが八木亜希子であることに異論はないだろう。彼女のいい意味での変わらなさとは、一体なんなのだろう。フジへ入社した'88年当時から、今までずっといっしょ。もちろん年齢とともに成長しているのだが、雰囲気的には変わらない。フリーになる際に付き物のキナ臭い話も一切なく、業界内にも八木シンパは多いようだ。その辺からも彼女の人柄が伺える。
ここまでポテンシャルの高い八木アナ。いわば“コノ娘”の推薦枠とも呼べる逸材だが、本格的に演技をするのは、今回の『みんなのいえ』が初めてとのこと。彼女の役どころは、中学校の美術教師で、夫には強気な態度でものを言う。そんな妻のシリに敷かれがちな夫は、ココリコ田中が演じている。新築を建てるにあたり、様々な問題が浮上し、夫婦間にもピリピリムードが走るわけだが、それでも「夫婦っていいよな」なんて思えるのは、八木アナのまったりした雰囲気があるからだ。
自分にとって八木アナの演技と言えば、フジの深夜番組『ビデオの王様』シリーズが忘れられない。同じCXの笠井信輔アナとともにレンタルビデオ店の店員に扮し、ビデオを紹介する、いわばビデオ紹介番組だ。ビデオ紹介がメインなのだが、前フリとなるちょっとしたドラマで、八木アナは不慣れな演技に一生懸命となっていた。さらにこの番組では、八木に、越智静香、中島宏海を加えた3人で“Q3”というユニットを組み、シングル『永遠のミスキャスト』をリリース。八木アナ(と同時に女子アナ)が演技と歌に挑戦した記念碑的なシリーズとなった。あれから10年経った今でも、彼女だけは同じ役柄を演じても違和感はないだろう。いや、笠井アナも童顔をキープしており、相変わらず学ランが似合いそうだ。密かにボクは、彼を“アナウンサー界の宮川一朗太”と呼んでいる。
最後にチョイ役で『みんなのいえ』に出演している佐藤仁美にも触れたい。八木アナと比較するわけでもないが、なぜ最近の彼女は化粧の濃い、ガラの悪い役ばかりなのだろう。『みんなのいえ』では携帯電話で大声を出して会話する喫茶店の客だし、現在放映中のドラマ『R-17』ではケバケバの雑誌編集者。やはり映画『バウンス
KoGALS』の印象が強いのか。『ジャングルTV』では持ち味のがんばり屋ぶりを出しているものの、入れ替わりで去った新山千春がいた頃の方が、明らかにタモさんのテンションは高い。
『笑っていいとも!』でもそうだが、競演者で変化するタモさんのテンションや微笑み具合は、“コノ娘”の重要なファクターにするほど、筆者は信頼している。だから、映画キャンペーンで度々登場する女優陣とタモさんとのからみは見逃せない。最近八木アナとからんだタモさんは、サングラスからハミ出るくらい目尻が下がっていた。
(佐藤ろまん)
【関連サイト】
□『みんなのいえ』OFFICIAL SITE
http://www.minnanoie.net/
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