vol.23『オーシャンズ11』 vol.22『プリティ・プリンセス』 vol.21『ピアニスト』 vol.20『アモーレス・ペロス』
vol.19『ハリー・ポッターと賢者の石』
vol.18『殺し屋1』
vol.17『ムッシュ・カステラの恋』
vol.16『インティマシー』
vol.15『Short6』
vol.14『メメント』
vol.13『GO』
vol.12『赤ずきんの森』
vol.11『ドラキュリア』
vol.10『陰陽師』
vol.9『サイアム・サンセット』
この映画の最大の見所は、なんといってもジェット・リーの華麗なアクションシーンの数々であろう。最近ではハリウッドに拠点を移し、世界的スターへの道を確実に歩んでいるジェット・リーだが、本作ではハリウッド初主演映画「ロミオ・マスト・ダイ」で見せたようなワイヤー・アクションの多用を避け、鍛えられた肉体と周辺にある机などの小物を使ったリアルなアクションを徹底的に追求している。また、日本でも大人気の映画監督リュック・ベッソンの世界と香港アクションが融合すると、どんな作品が仕上がるのだろうか? といった点でも映画ファンにとっては興味深い作品だ。ストーリー的にも強くて優しい男(でも孤独)=リュウ(ジェット・リー)と不幸な女=ジェシカ(ブリジッド・フォンダ)が出会い、心を触れ合わせていくといった展開は、「レオン」や「ニキータ」といった作品の流れを汲むベッソンお得意のテイストといったところだろう(製作と脚本にリュック・ベッソンが関わっているが、監督は本作品が劇場用映画デビューとなるクリス・ナオン氏によるものなので、必ずしもベッソン映画とは言えないが)・・・。 いやいやいや、とにかくジェット・リー強~い。まあこのお方は「ワンスアポンナタイムインチャイナ」シリーズはもちろんのこと、悪役として出演していた「リーサル・ウェポン4」でさえ、やたら強いのに、なぜか最後は間抜けに死んでしまうサマがメル・ギブソン以上に目立ちまくっていたっけ。今回の映画でもジェット・リーパワーは健在。無数の雑魚フランス男(ショッカーみたいなもん?)や弾丸を交わし、ボスキャラ(黒幕)に向かっていく姿は血も涙もあるターミネーターって感じ。いくらジュテームフランス男が脆弱といっても、数十人の空手をたしなむフランス人をたった一人で倒しちゃうなんて尋常じゃない。しかも、これはベッソンの東洋趣味なのか知らないけど、リュウの武器は鍼灸用の鍼!(こういう設定はいかにも西洋人が好みそう)。西洋人の、東洋人はとてつもない神秘の力を持っているのでは?? という幻想がヒシヒシと伝わってきます。私としては、どうせならジェット・リーが獅子舞の格好で戦うとか、京劇の女装して敵地に乗り込むとか、とことんB級な方向で攻めて欲しかったけど(笑)、まあそこはおフランス映画なんで、上品にお洒落にまとまっています。
でもな~、なんである。せっかくジェット・リーのアクションがふんだんに盛り込まれているし、チェッキー・カリョの悪党ぶりもなかなかサマになっていてgood!なのに、ストーリー展開がちとしょぼいのが残念。近頃の映画にしては、先が読めちゃうし、偶然にしては出来すぎって設定も目立つ。この映画のタイトルである「キス・オブ・ザ・ドラゴン」の意味は、映画を最後まで観てのお楽しみなのだが、意外性ナシ。まさかコイツが! と思うような人物が裏切り者だったとか、物語にもっと捻りが欲しかった。そんでもってこの映画のヒロインであるジェシカがまたいただけない。リュウはクールで心優しい男だけれど、ジェシカときたら、そりゃ不幸で可哀想かもしれないけど、それは自分が悪いからでしょってつっこみたくなるキャラ。まあでも、こういうはた迷惑なオナゴのために、たった一人でフランス警察に乗り込むリュウがまた格好良かったりするんだけどね~。 とはいえ、ストーリーは関係ない! なにはともあれアクション大好き! という人やジェット・リー(日本ではリー・リンチェイの方が馴染み深いよね)のファンには絶対お勧め。見た後真夏の空のようにスカっとすること間違いナシです。
今秋、日比谷映画他、全国東宝系にてロードショー 監督:クリス・ナオン アクション監督:コーリー・ユエン オリジナル・スコア:クレイグ・アームストロング 製作:リュック・ベッソン/ジェット・リー/スティーヴン・チャズマン/ハッピー・ウォルターズ 脚本:リュック・ベッソン/ロバート・マーク・ケイメン 出演:ジェット・リー、ブリジット・フォンダ、チェッキー・カリョほか 2001年/アメリカ・フランス/スコープ・サイズ/ ドルビー・デジタルDTS/98分/全6巻/ 日本語版字幕:松浦美奈 製作:Europa Corp. 提供:日本ビクター、TBS 配給:K2、日本ビクター