「ミニシアターとしてのシネクイントの在り方をどのように考えていますか。渋谷には多くのミニシアターがありますよね。その中での差別化について」 斉藤さん 「今まで2年間ほどやってきてようやく少しだけシネクイントの立場みたいなものが出てきたかな、と思っています。なんとなくね。今度『メメント』が上映されますが、変則的なミステリーなんですよ。そういう変化球的な作品と『クイーン・コング』のような色モノと、これも上映予定の『ハッシュ!』という、作品の質で勝負する直球があってね。作品のバラエティに富んでいるんです。でもまだ地固めの段階ですよ。極端に路線を変更するのは難しいです。でも、今年は色モノが当たったんですよね。『アタック・ナンバーハーフ』とか『けものがれ、俺らの猿と』とか。正直言ってわかんないですね。本当に難しい」 「映画産業は割に合わないとよく聞きますが…」 斉藤さん 「割に合わないですね。僕は先週の火曜日に休んだくらいでそれ以降は出ずっぱりだもん。ホテル泊まりですよ。朝は早いし、夜も遅い。休日は会議だし、土日も出てきます。ほとんど缶詰状態。それでも給料は安いし。しかも浮き沈みが激しいビジネスだしね。失敗すると落ち込むし」 「でも結局は映画が好きだからやり続けられるんでしょうね。逆にそうでもないとできない、と。ありがとうございました」
(谷古宇浩司)
【劇場データ】 1999年7月オープン。フランス・キネット社製の座席は、全席カップ・ホルダー付きで全228席。「世界中の喜怒哀楽(エンタテインメント)をお届けします」をキーコンセプトにジャンルを問わない作品の上映を行っている。過去の上映作品は初上映の『バッファロー'66』を皮切りに『GO!GO!L.A.』、『アシッド・ハウス』、『チューブ・テイルズ』、『クロコダイルの涙』、「ギャラクシー・クエスト』など多彩。ホールで手に入る多様な作品チラシを目当てに訪れる映画ファンも多い。シネクイント公式サイトの『支配人日記』は必読!カレー好きなシネクイントのトモちゃんが抱くロマンポルノへの愛情には涙必至だ。 □シネクイントOFFICIAL SITE http://www.parco-city.co.jp/cine_quinto/