『俺的』Mobile Product of The Year 1999
筆者とスタッフの1999年私的ベスト製品はコレ!!
モバイル製品は用途とユーザーの好みにより、どんな製品が良いかいちがいに言えないところがある。また、モバイルセントラルは10月スタートのため今年の総決算アンケートをやろうにも10月からしかデータがないという事情もある。
そんなわけで、今年を振り返る企画として、筆者やスタッフの選んだ1999年の私的ベストモバイル製品を以下にご紹介したい。
■ スタパ齋藤:
1999年のモバイル系のベストプロダクトを選んでちょんまげというコトなのだが、俺にはできないっていうか無理っていうかつまり、1個だけじゃ収まらないのであり、まことに身勝手かつイレギュラーかつズルいのであるが、2つ選ばせていただいた。
それは、ドコモのiモード端末のN501iと、DDIポケットのエッジ端末のKX-PH23Fだ。双方とも電話機なのだが、その電話機自体が最強最高スーパー使いやすくってナイスってことで選んだ感じではない。電話機としてもかなりナイスなのだが、それよりもむしろ、iモードというシステムと、エッジおよびPメールDXというシステムが、やっぱりどう考えても非常に良いと思ったのである。
まず、iモードだが、これはパケット通信であり、iモードのメールサーバがメール本文を自動的にギュッギュッと端末に送り込んでくれる点が良い。良い、というよりも俺にとっては理想的だ。iモードは、送れるメールが1通につき全角(2バイト文字)で250文字までという字数制限があるものの、サーバに届いたメールを次々と自動転送してくれるので“受信の手間”がなくてすげぇナイスだ。iモード端末がピピピっと鳴ったらボタンを押してディスプレイを眺めれば、そこには俺宛のメールが“発生している”感じなのである。サーバからiモード端末へのメール転送は、だいたいいつもサーバにメールが到着した直後に行われるので、メールが着信したら即読める、というようなリアルタイムさも非常に便利だし気持ちがいい。また、ドコモのパケットサービスは日本全国ヒッジョーに広い範囲で行われているため、このポケットの中のリアルタイムメール端末は、いつでもどこでも最も迅速にメール着信を知ることができる装置として、本格的に役立ちまくりなのである。この使い勝手は一度味わったらもうやめられない。専用線を使った人がダイヤルアップに戻れないのと同じような感覚だと思う。というわけで、iモード端末は携帯電メール端末として限りなくグレート。ちなみに、N501i端末本体については、通話するための装置としてそのカタチが使いやすいこと、液晶ディスプレイが大きく表示される文字数が多く読みやすいことで、これを選んだ。
それから、エッジ端末。PHSの大きなウリである音の良さ(加入回線よりも音イイかもネ!!)や通話料等の安さやデータ通信速度の速さに、さらなる通信安定性(高速道路で実験した結果には我ながらビビったヨ!!)が加わった、もしかしたらこれからのスタンダードになるかもしんないってパフォーマンスを持っている。それからPHSはその特性上、デジタル携帯電話(PDC等)のように電池を食わないので、長時間使い続けられる。純粋に“持ち歩いて使うための電話機”として考えれば、俺にとってエッジは現在最高にイケてるサービスなのであり電話機になる。それに加え、PメールDXの、特にメールを読む場合の便利さ。PメールDXはiモードのように自動的に端末にメールが届くものではなく、サーバにメールを読み出しに行かなければならないのだが、Pメールによるメール着信通知サービスを使えば、iモード的なメール受信の即時性が得られる。また、全角1000文字までのメールが読めるので、たいていのメールが全文読めたりなんかする。これは本格的に便利なのである。iモード端末同様、一度使ったらやめられない良さがある。ちなみに、KX-PH23Fは、フリップタイプ(フリップが開きにくいという点もあるが)という点が気に入っており、また、操作性(ボタンやメニューの構成)が実にカンファタボーなので、これを選んだ。
というわけで、どちらかと言えば“1999年モバイルサービスオブザイヤー”みたいになっちまったが、とにかく、俺にとっての1999年最強製品は以上の2点である。
でもホントはもっと他にイロイロ良かった製品があったんですけどね……モバイルっぽくないってことで除外したりしたんですけどね……わりと1999年はケータイとメールの年って感じだったんで……って締めくくった後にグジャグジャ言うな男らしくない!!>俺。
■ 法林岳之:NTTドコモ「ブラウザボード」
1999年はモバイル製品に限らず、一般消費者が購入するコンシューマ向け製品全般の中でも「携帯電話」「PHS」が圧倒的に支持された一年だった。NTTドコモの「iモード」「ドッチーモ」、セルラー/IDOの「cdmaOne」、DDIポケットの「文字電話」などがそうだ。これらの製品が登場したことにより、携帯電話やPHSを取り巻く環境が変わり、「モバイル」という言葉も完全に市民権を得たようだ。
そんな中で、順当に「Mobile Products of the YEAR 1999」を選ぶとすれば、やはり、NTTドコモのiモードが最有力ということになるのかもしれないが、筆者は敢えて選ばない(笑)。iモードで提供されるコンテンツやサービスはたいへん素晴らしいものがあり、世界的にも例を見ないほど進んだシステムと言える。しかし、携帯電話は「話してナンボ」のものだ。急激な加入者増とトラフィックの増加により、NTTドコモの携帯電話は都市圏を中心に通話品質が低下しており、一部ではかなり厳しい指摘も受けている。筆者も通話部分に関しては満足しておらず、ここ半年以上は他の携帯電話やPHSを利用するケースの方が多かった。このことを考慮して、iモードは次点とさせてもらう。
次に、PC関連だが、ミニ/サブノートPCについては、全般的に低調だったと言わざるを得ない。昨年、PC Watchの「筆者が選ぶ『PC of the YEAR'98』」では東芝のLiretto100を選んだが、今年、実際に購入に至ったのはソニーのVAIO PCG-C1XEだけだ。今のところ、快調に使っているが、起動時のシステムリソースの残りが少なすぎ、いろいろと使いにくい面も残されている。個人的には満足したが、「Mobile Products of the YEAR 1999」としては選べない製品だ。
これに対し、筆者が今年、注目したのがメール端末やWindows CEマシンをはじめとする携帯情報端末だ。たとえば、NTTドコモは昨年のポケットボードに続き、5種類ものメール端末を投入し、ラインアップを充実させてきている。Windows CE版のPostPetをいち早く標準搭載した日立の「PERSONA HPW-30PA/50PA」、メール端末に匹敵するコンパクトボディを実現したHPの「JORNADA680/690」、Palm OSの正式な日本語版搭載モデルとして登場した日本IBMの「WorkPad/c3」なども有力な候補として挙げられる。
筆者はこれらの中から「Mobile Products of the YEAR 1999」として、NTTドコモの「ブラウザボード」を選びたい。ブラウザボードはシャープのコミュニケーションパル MT-200をベースに開発したものだが、PHSの64kbpsデータ通信サービスへやドッチーモへの対応、着脱式ケーブルの採用、搭載メモリの大容量化、機能を一覧できる画面の追加など、オリジナルモデルを確実に上回る機能と使い勝手を実現している。販売台数的には昨年のポケットボードに及ばないかもしれないが、今あるサービスをフルに活用できる環境を提示できたことは十分に評価できる。目先のスペックとデザイン、つまらないギミックばかりが注目されてしまう現在の「おたくなモバイル環境」に対し、「実用性」という一石を投じたとも言える製品だ。
■ 広野忠敏:日立「ペルソナ HPW-50PA」
今年はモバイルの分野でも数多くの製品が登場した年だ。iモードの登場、Windows CEの普及、ポケットボードのような携帯端末の普及など良い意味でのターニングポイントとなった年だったともいえるだろう。数多くリリースされたモバイル製品からMobile Product of the Yearを選ぶのはなかなか難しい。
今年のモバイル情勢の中で、筆者が最も面白いなと思ったのは、女性ユーザの台頭だ。たとえば、筆者の周りにもiモード携帯ユーザは数多くいるが、メール機能を本当に「活用」している人のほとんどは女のコだったりする。また、駅のホームや電車の車内でポケットボードなどの携帯端末で一生懸命メールを送信する女のコの姿は、極めて日常的な光景でもはや珍しくもなんともない。ちなみに、野郎が小さな携帯端末を操作する姿ってそんなに絵にはならないけど、女のコが携帯端末を一生懸命使ってる姿って、何故か絵になるんだよね。
ところで、女性をターゲットにしたモバイル製品の中でも、今年一番インパクトが高かったのが日立のペルソナ。ご存知のように今年の5月にリリースされた日立の「ペルソナ」(HPW-30PA/30PAW)は「Post Pet for Windows CE 2.0jp」がバンドルされた最初のハンドヘルドPC。そして、11月には、明らかに女性をターゲットにした新しい「ペルソナ」(HPW-50PA/HPW-50PAD)がリリースされたのは記憶に新しいところだ。この「ペルソナ」筐体デザインもポップな印象。さらに、PostPetだけではなく女性向のさまざまなソフトがバンドルされているのが特徴。ハードウェアのスペックは他のハンドヘルドPCに比べると劣っている部分が多いが、ターゲットを女性にと明確にすることで、かなり売上を伸ばしているのだ。欲を言えば新しいペルソナは旧ペルソナよりも高スペックでリリースして欲しかったんだけどね。さすがにちょっと処理速度は遅すぎかな。
他のメーカーもペルソナの後へ続けと、同じようなコンセプトのマシン(たとえば、NECのモバイルギアII MC/R430)をリリースしているが、スペックは良くても内容的にペルソナと比較するとちょっと見劣りしてしまう。筐体デザインを替えて、PostPetだけを付ければいいってものでもないと思うのだが……。
そんなわけで、ちょっと不満もあるがコンセプトも◎、デザインも◎、商業的にも大成功を収めた「新ペルソナ」(HPW-50PA/HPW-50PAD)は非常に素晴らしいマシンだと言える。内容さえよければ多少見劣りするハードウェアスペックでも売れてしまうという点も、スペック至上主義のパソコン業界の中では極めて異質な存在でいい。「新ペルソナ」は今年一番のモバイルデバイスであると断言しよう。
■ 塩田紳ニ:日本IBM「Workpad c3」
タイトルからすると、モバイル関係で今年一番良かった製品は? というものだと思うが、個人的なポリシーということで、日常的に利用したり、身銭を切って購入したものという前提条件を付けさせてもらう。というのは、カタログやニュースを見ただけという程度の知識で、他人様に商品を推薦するなどやはりココロが痛むし、だいたい、モバイル関係といっても、たとえば携帯電話なんかすべて使ったわけでもないので、判断のしようがない。それで、今年買った製品なんかを振り返りつつ、Mobile Product of the Yearを考えてみたい。
世間的にいえば、iモードなんでしょうが、筆者は、iモードを使っていないので、この件についてはパス。携帯電話は、IrDA内蔵のNM207が印象に残る。Palmシリーズなんかとの相性もバッチシなのだが、すでに入手困難、やはりパスとしたい。その他、文字電話(DDIポケット)もちょっと盛り上がったが、やっぱり使わなくなっちゃった。これもパス。この手の中では、PHSのパルディオEメールや、ツーカーセルラー東京のSKY Messgeなんかが意外に使えて、最近はもっぱら、外出先でのメールはこれ。まずSKY messageは、インターネットメールの受信は、800円/月(来年から300円/月)で、受信数に制限はなく、また、メールは、勝手に端末に送られ、受信操作がまったく不要。メールを出してもらうだけで、ポケベルのように使える。一時、非常に送信エラーが多かったが、最近持ち直した。ただし、これは、メッセージサイズが全角で最大192字なので、どちらかというとメールのリストを見るようなもの。それでも、返事をすべき重要なメールかどうかは判断がつく。一般的な使い方としては、これでメールの有無をチェックし、必要なら、別の機材でメールを全文読むという形になるだろう。
もう1つのNTTドコモのPHSにあるパルディオEメールは、センターにメールの有無を問い合わせて、受信するタイプだが、メールがなければ通信量がかからないこと、端末に1時間単位で自動的にメールチェックを行なう機能がある(621Sなど)。こちらは、最大1500文字であるため、ほとんどのメールの全文を受信できる。
ただし、これは、我が家がインターネットに常時接続なので、やってきたメールにフィルタをかけて、必要そうなメールだけを転送しており、普通のプロバイダーにダイヤルアップIP接続というやり方ではちょっと難しいかも。やはり他人様におすすめするのはやめておこう。
オモチャ、ゲーム系では、モスクワオリンピックを思い出すトミーのミーシャ(デジカメ)や、白鳥との関係が疑わしいワンダースワンとかがあるが、両者を接続するワンダーミーシャ(仮称)の出荷が来春であること、ワンダースワンの通信アダプタがまだなので、今回は、やっぱりパス。この範疇には、文字電話として買ったトミーの手書きPiPiもあるのだが、前述の理由でやっぱりパス。
モバイルに入るかどうか、疑問な点もあるが、デジタルカメラというカテゴリーでは、今年ニコンのCOOLPIX 950を入手した。しかし、本体はまあまあだが、外部に接続したスピードライト(ニコンではストロボをこう呼ぶ)の制御が単なるオートストロボ並で、スピードライト(SB-28買ったんだよ)が持つBL調光(モニタ発光させ、反射光を測光して発光量を決定する機能)やオートパワーズーム機能(発光範囲を調整)などの機能をほとんど使えないのにはがっかり。やっぱりD1買えってことですか? うちにある普及型の35mm一眼レフで、COOLPIXと定価がそんなに変わらないF70Dでは、全部使えるのに……。パノラマ撮影できるような一眼レフ(F70D)は、決してプロ向けではなく、家庭での記念写真用って感じの製品だと思うけど、それに負けるようなデジカメの定価が10万円近くするってのにはねぇ。まだまだ、高い商品なんでしょうか。それで、これについてはやっぱりパス。
PDA系では、Windows CEマシン2台(Palm-Size)、Palmシリーズが3台ある。Windows CEマシンは、1台は英語版(Mars)、もう1台は日本語版(CASSIOPEIA for DoCoMo)で、特にCASSIOPEIAは、IMAP4アクセス用に1カ月ほど持ち歩いて利用した。しかし、前述のようにメールは、PHSや携帯電話でチェックできるようになったとの、WorkPadでも日本語でIMAP4を扱うことができるようになったので引退した。電池の持ちに満足できなかったというのもある。
Palm系では、いま、Workpad 30Jとc3そしてVISORが手元にある。連載でも書いたように30Jのほうは、8MBに増設して、プログラム入れ放題という感じで使っているが、c3のコンパクトさについクラッと来て、いま、メインの機種をc3にしている。液晶の見やすさや反応といい、日常的に利用するPDAとしては申し分ないというのがもっぱらの感想である。とりあえず、お勧めするものとてしは、このWorkpad c3にしておきたい。
標準のままでも十分使い物になるし、Palmwareで機能の拡張も可能だ。また、キーボードや携帯電話/PHSアダプタなんかも登場し、周辺装置も充実してきた。来年にはソニーも互換機を出すし、Appleが検討中というウワサもある。ジョブズがPalm Computingを買収しようとしたという噂があるぐらいなので、結構本気なのかも。
週刊Palm通信担当で、WorkPad c3とは、あまり、予想を裏切らないような結果で申し訳ないが、これが小生のMobile Product of the Yearである。ほんとは、今年一番活躍したモバイル機器って、CrossPad XPなんだけど、これ自体は、国内販売されてないし、発表としては去年のものになるので、推薦しづらいんですよね。しかも好き嫌い多いみたいだし。
■ 石井英男:ソニー「PCG-C2GPS」
今年一年を振り返ってみると、個人的にはいろいろ充実した一年だった気がする。何がどう充実していたのかということは、本題とはまったく関係ないので割愛するが(笑)。で、モバイル業界についてはどうだったかというと、iモード対応端末やcdmaOne対応端末、ポケットボードを進化させたような製品が続々登場してきたことなど、携帯電話関連製品はかなりの盛り上がりを見せていたようだが、肝心のPC業界に関しては、心を揺さぶられるような製品があまりでてこなかったように思う。
その中でも筆者が興味を持ったのは、11月にソニーから発表された「PCG-C2GPS」である。PCG-C2GPSは、1998年9月に発表された「PCG-C1」の流れを汲むマシンだが、PCG-C1シリーズの売りであった内蔵CCDカメラ「MOTION EYE」がなくなり、その代わりに着脱式のハンディGPSレシーバが付属していることが特徴だ。
ハンディGPSレシーバを活用するアプリケーションとして、ナビゲーションソフトの「Navin'You Ver.3.6」やデジタルコンパスソフトの「CyberGyro Ver.1.0」が添付されている。ハンディGPSレシーバも実用的かつ面白いのだが、PCG-C2GPSで筆者が最も評価したいのは、液晶ディスプレイとして反射型低温ポリシリコン液晶パネル(1024×480ドット)を採用していることだ。反射型液晶パネルは、一般的に使われている透過型液晶パネルと違って、バックライトを必要としないことが特徴だ。
もちろん、液晶自体は光を出さないので、なんらかの光源は必要なのだが、反射型液晶パネルでは、パネルの表面から外光を取り入れて表示をおこなう仕組みになっているので、透過型液晶パネルとは逆に、周りが明るければ明るいほど表示が見やすくなるわけだ。PCG-C2GPSをはじめとするミニノートは、その携帯性を活かして常に持ち歩いて使うのが、ふさわしいスタイルであろう。ノートPCを、明るい屋外で使おうとする際、最大の障害となるのが液晶表示の見にくさであるが、PCG-C2GPSでは、そのような問題はない(むしろ、屋外で使うほうが使いやすいほどだ)。なお、室内や夜など周りが暗い場所で使う場合は、フロントライトを装着することで、十分な視認性が確保できるようになっている。
また、バックライトがなくなったことによって、本体重量が軽くなり、バッテリ駆動時間が延びたことも、モバイル派にとって非常にありがたいことだ。価格がやや高いことが難点なので、ハンディGPSレシーバを省いた廉価版の製品が登場してもいいのではないだろうか。
■編集部 工藤:シャープ「ザウルスMI-C1」
ふりかえってみると、文字電話とかcdmaOneなんかも今年なんスよね。1999年は新しい携帯電話/PHSサービスがいくつも登場し、インターネットの普及とあいまって、電子メール端末が脚光を浴びた年。ある意味モバイル元年と言ってもいい年かなと思う。そんなわけで、全体のムーブメントから言えばiモードかなと思うのだが、わたくし的にはこの年末にD502iにNM207から機種変更する予定で、つまりまだiモードユーザーではないので、なにか他のモノにしようと思う。
そんなわけで、選んだのがシャープのザウルスMI-C1。MI-C1はカラー液晶搭載であり、携帯電話/PHSインターフェイスも装備していることを考えると驚くほど小型軽量だ。反射型液晶もすごく改良されていて、以前は“いちおう色ついてます”って感じだったけど、MI-C1のは胸張ってカラーといえるレベル。また、薄暗いところでもけっこうイケるのがありがたい。
今年買ったPDAとしてはWorkPad 30JやPsion Series 5もあるけれど、現状ではPalmシリーズやPsionは、やはり自分で環境を作り込むのが好きな人向けだと思う。実はザウルス買ったのはコレがはじめてなんだけど(いままでは高すぎ)、なんていうかすごいラク。郵便番号を7桁入れると、それに対応した住所とかが出てきて「それでオッケーよん」とボタンをタッチするだけで町名まで入力完了。こういう芸当は、外国出身のPDAには望むべくもない。
なお、新ザウルスについては、スタパ氏の新連載もスタートしているので、詳しくはそちらで見ていただくとして、以下PDAについての私的雑感を書いてみたい。
基本的にわたくしはぐーたら人間なので、マシンがやれることは極力マシンにやっていただきたいんである。Graffitiとか、キカイに合わせた文字覚えたりするのは比較的イヤなわけね。あと、こういうこというと軽蔑されそうだけど、PCとシンクロすんのも面倒なの。だからたまにバックアップ取るくらいで、PDAはPDAとして完結して使えるものが好きなんス。このあたりは、小物好きな一般的PCユーザーとはかなり性向の違うところだと思っておりますデス、はい。でも、一般消費者はどっちかてーとわたくしに近いかなとも思っているわけです。そんなわけで、ぐーたら人間を喜ばす、さらに賢くカッコいい/可愛いPDA(値段は5万円以内希望)を2000年以降に期待したいと思うのであります。
■編集部 湯野康隆:NTTドコモ「iモード」
やっぱiモードでしょ。利用時間からするとMP3プレーヤーとか、ペルソナの方が長かったりするけど、それぞれMDプレーヤーやノートPCから置き換わっただけだから、目新しさで言うとこれなのである。何しろ今年の新語・流行語大賞のトップテンにも入っているほど世間の認知度は高いんだし。
J-フォン東海では今年8月、音声通話と文字メッセージの発信回数が逆転。こういう話を聞くと、ケータイが“ネットケータイ”に着々と進化しているんだな、と感じずにはいられない。
メールを確認できて、必要とあらば返事を書くこともできる。遊びに行った帰りに乗換案内を利用して一番早いルートを割り出すこともできる。そして駅のホームや電車の中で暇つぶしにニュースを読んだり、ネットサーフィンしたりすることもできる。わずか100g程度で胸ポケットに収まる。
そんなデバイスでこれだけのことができるなら、別に音声通話なんてできなくても、それはそれで便利なんじゃない? ちょっと話が極端すぎるかもしれないけど、iモード端末の音声通話機能なんて、この際オマケだと思ってもいいんじゃないだろうか。もちろん、最新モデルのF502iはハイパートークに対応していて、音もそれなりによくなっている。
とはいえ、ネットケータイって、DDI-セルラーとIDOのcdmaOne陣営がiモードに2ヵ月遅れでEZweb/EZアクセスを提供したり、今月にはJ-フォンがJ-SkyWebをスタートしているじゃないか、という話もある。でもやっぱりiモードなのだ。
まず、対応コンテンツが作りやすく豊富だということ。EZweb/EZアクセスで使われている記述言語(HDML)は難しすぎるし、J-SkyWebで使われている一応インターネット標準の画像フォーマット(PNG)は「何ですか、それ?」っていう感じ。すでにインターネットで情報提供を行なっているコンテンツプロバイダー(個人も含む)の立場からすると、やっぱりiモードが一番とっつきやすい。
次に、パケット課金にもいち早く対応したというところ。まあ、この点では、先月になってcdmaOne陣営も来年早々にPacketOneでパケット課金に対応することを発表しているし、J-フォンのJ-SkyWebもパケット単位の課金ではないが、それに近い課金システムを導入している。そういう意味ではこの勝負はまだこれからなのかもしれない。
それから、端末自体の使いやすさ。色々といじってみたが、iモード端末はマニュアルを読まなくてもどうにか使うことができるのに対し、EZweb/EZアクセスとJ-SkyWebの端末はマニュアル無しでは細かい部分でつまずいてしまう。この辺は、後者が各々の記述言語とシステムに縛られちゃってるというのもあるだろうし、端末メーカー間の競争の有無というのもある程度影響しているように思える。
そして何より、ドコモはプロモーションの仕方がうまかった。と言っても、広末涼子と織田裕二、あるいはボス電とカーネル電を比較しているわけじゃない。あくまでも音のよさを強調したcdmaOne陣営と、それをせずにネットケータイの具体的な使い方を示したドコモ。この辺のバランス感覚とスタンスの微妙な違いは案外重要なのかも。
というわけで私的にはiモードがイチバン。でも、来年は別のキャリアにイチバンをとってほしいな。
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