すげー楽勝、のメール端末 ~NTTドコモ エクシーレ~
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■ 思わず買ったメール端末その2
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NTTドコモ エクシーレ
標準価格38,200円。NTTドコモのパケット通信対応メール&ブラウザ端末。回線一体型で携帯電話もケーブルも不要
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俺が存在を知って即座に欲しくなって買いに行ったらちょうど発売日だったそのメール端末とは、NTTドコモのエクシーレ!! NECが作ってるらしい超斬新なメール端末エクシーレ!! ブラボーエクシーレ!! ナイスエクシーレ!! ハラショーエクシーレ!! 詳しいことはココを参照してチョのエクシーレ!!
で、ご存じの方はもうおわかりのように、このエクシーレのどこがイイのかと言えば、この端末のみでメールの送受信やWebページのブラウジングなどができまくりやがり倒し尽くすという点だ。エクシーレにはパケット通信のための通信機能が内蔵されており、つまり、他のメール端末のように、携帯電話とかPHSを別途用意して接続する必要がないのである。すなわち、本体の液晶面をパカッと開いてボタンを1~2度押すだけで、バッサバッサとメールが入ってくるのでありドッガドッガとメールを送れるのが、エクシーレだ。
ところで、エクシーレはそれ自体が通信機器っていうかパケット通信専用で音声通話ができない携帯電話みたいなモンなので、端末を使い始めるためにはキャリア(ドコモですな)と回線の契約をしなくてはいけない。回線契約の種類はふたつで、1パケット(128バイト)の通信に0.35円かかって基本料金(月額)が500円のスーパーライトプランSと、1パケット通信に0.2円かかって基本料金が900円のライトプランSがある。これ以外に、本体の代金(わしの場合はドコモショップで38,000円くらいで買ったんダ!!)とか手数料とかがかかる。さらに、エクシーレのパケット通信に対応したプロバイダに入っていない場合は、対応プロバイダに加入するか、ドコモのmopera(月額500円でメールサービス利用可能)に加入する必要がある。あれ、なんで使用料金の話に……!? ともあれ、俺の場合なら、エクシーレの基本使用料が900円(ライトプランS)とmoperaメールの使用料が500円、合計1,400円の基本料金であり、これに加えて128バイトあたり0.2円の通信料金で、メール送受信やWebページ閲覧等をやりまくれるわけだ。
■ すげー楽勝、のメール機能
さて、さっそくエクシーレを使い始めたのだが、まずは通信設定。mopera以外にもいろんなプロバイダーが使えるようだが、どーも俺の加入しているプロバイダーは未対応なので、とりあえずmoperaのメールサービスに電話で登録。端末の簡単な設定を済ませると、間もなくメール等が使えるようになった。ちなみに、moperaもiモードと同じように、契約した翌日の朝9時頃から“回線が開通”するらしい。
で、メールの送受信を試してみたのだが、これがヤケに楽勝。エクシーレ本体の操作もおおよそボタンを1度か2度程度押すだけで送受信の操作ができて楽勝なのだが、やはりケーブルで携帯電話などと接続する必要がなく使えるというのが超便利。電源のオン/オフも携帯電話のような感覚で、通常は常時オンにしておき、液晶面を閉じればレジューム(のような)状態になる。使いたくなったら液晶面を開けば即メニューが表示され、ボタンを押せばメールの送受信ができる。また、ドコモのパケット通信の利用可能圏は、ドコモの800MHz帯のPDC(一般的なドコモのケータイ)とおおよそ同じなので、だいたい日本中いつでもどこでもメールの送受信ができる感じだ。
エクシーレの液晶はモノクロで、320×240ドット表示。わりと狭い感じだが、メールの読み書きには、まあ差し支えない。Webページを見る場合は、メニューキーで縮小表示できる。正直なところ、Webページ閲覧にはちょっと狭い画面だし、縮小表示させると文字なども見にくいのだが、でもこの端末だけ持ち歩けばメールもWebもイケちゃうってコトを考えると、多少の見にくさはまーいーさという気分になってくる。ちなみに、メールの文字は縮小表示ができず、画面には20文字×13行(メール本文表示部分は20文字×6行)しか文字が出ない。ハッキリ言ってこちらも狭い感じなのだが、でも本体だけでオッケーなのでこちらもまーいーさ、という感じ。ケーブルでつないでからじゃないとメールとかができない、という面倒から解放された俺の心は、非常に広く穏やかになっているのだ。
■ パケット通信の気楽さ
ところでエクシーレは、その通信速度が最大9.6kbpsだ。なーんだソレってフツーのデジタル携帯電話とおんなじじゃん、みたいな。そうなのである、おんなじなのである。が!! フツーのケータイ&メール端末で通信したのと、エクシーレで通信したのじゃ、意味も感覚も全然違うのである。というのは、エクシーレはパケット通信でメールの送受信やWebページの閲覧を行なうからだ。
ケータイ&メール端末で通信すると、通信している間はずっと通話料金がかかる。なので、ネゴシエーションに手こずったり、サーバが混んでいたりすると、その反応の遅さの分だけ、余計に通話料金がかかることになる。だが、パケット通信(サービス)の場合は、送受信したデータ量に課金がなされるので、長くつなごうが一瞬つなごうが、結果は同じ。接続時間と課金は関係がないのだ。この、なんと言うか、“使った分だけ払う”というパケット通信サービスならではの感じは、効率的に通信料金を払っている感じで気分がいい。
それから、なるほどこれはパケット通信の方が絶対いいや、と思える機能(サービス)がエクシーレにあった。Live!メールやLive!トークだ。
Live!メールは、エクシーレから他のエクシーレに対してダイレクトかつ即時にメールを送る機能(サービス)で、ケータイのショートメールなどと似たような感覚で使えるメール機能だ。こちらは、パケット通信云々とはあまり関係ないのだが、おもしろいのは、Live!トーク。こちらは、エクシーレとエクシーレの間で(1対1で)チャットをする機能。リアルタイムで文字をやり取りして、文字のお話ができるというものだ。
で、実際にLive!トークをやると「あっパケットだったんだぁ安心した~」という気分になる。なぜなら、チャット(Live!トーク)を何分間しようと、何時間しようと、つないでいる時間は料金に関係しない。チャットで何文字やり取りしたかだけが通信料金として計算されるのだ。なので、ゆっくり、じっくり、時間を気にせずチャットができるというわけだ。でも、エクシーレを持ってる人同士で1対1のチャットだけなんですけどね。でも恋人同士にはいいかも!! でも恋人同士とかならアレか電話とかテレビ電話PHSとかか……。
ともあれ、この自ら電波を出しちゃって、パケット通信でデータをやり取りするエクシーレは、そういうふうな感じで今までのメーラーとはちょっと違った感覚で使えるアタラシモノなのであった。
■ 実際、どーなのか
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筐体色はブルーイッシュシルバー(左)とパールホワイトの2色
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ところで、実際のところ、俺はこのエクシーレを、現在ではメール端末としてしか使っていない。エクシーレはWebブラウザとしても使えて、HTMLの3.2も読めて、GIFもJPEGも表示できるのだが、やっぱり最大9.6kbpsじゃ遅いので、Webサイトには全然アクセスしなくなった。
それから、前述のLive!メールやLive!トークは、電話マニア仲間のゲヱセン上野氏とたまに何となく遊びでやるのだが、そーれほど必要性もないし、結局1対1のチャットとか即時的に届くメールとかは、代替えがいくらでもあったりする。1対1のチャットなら電話で話をしちゃえば速攻で済むし、即座に送りたいメールならiモード端末とかに向けて発する(ゲヱセン上野氏も俺も当然iモードユーザー)方が手っ取り早い。
というわけで、エクシーレは専らメール送受信端末として働いているのであった。なので、メール端末としては実用的なのかどうかという点に限って、話を進めたい。
で、いきなり比較したりしてみたいが、前回紹介したPOCKET・Eとエクシーレを比べてみると、まず、ソフトウェア的な面ではPOCKET・Eの方がこなれている感じがする。また、画像を添付・閲覧できるなどの点で、POCKET・Eのメーラーの方が高性能な感じ。ついでに本体の値段もPOCKET・Eの方がずっと安い。処理速度的には、エクシーレの方がちょっと速い感じだが、大きな差というほどではない。それから、キーボードの打ちやすさもPOCKET・Eの方が圧倒的にイイ。
そんな感じで、表面的な部分では、圧倒的にPOCKET・Eの方が勝ってる感じなのだが、実際使ってみると、エクシーレの方がスムーズで使いやすく感じられる。それはやはり、本体だけで通信できるという点が大きいのだが、これに加え、エクシーレの比較的単純な機能と、それからソフトウェア的に違和感がないことがある。
エクシーレの各機能は、どちらかと言うと、ポケットボードのようなタッチ(のソフトウェア)だ。カーソルキーで機能を選んで、[決定]を押して機能に入り、項目を選んで[決定]を押して表示させる。表示が済んだら[戻る]や[メニュー]で元の状態に戻す。メール端末とかモバイルとか、そういうコトを連想させない平易さで、電子手帳的な(PDAほど難解でない)敷居の低ささえ感じさせる。だが、メールの送受信は問題なくできる。ボタンをポポンと押せばメールが入ってくるし、送ることもできる。ケーブルでつなぐ必要さえないのだ。この辺の簡便・容易さに、どうも無意識のうちに居心地の良さを感じ、ついついポケットに入れて出かけてしまう。
それから、メールを書くときに肝心になるキーボードだが、これはPOCKET・Eほどは打ちやすいとは感じないが、これじゃあ使い物にならないとかいうモノでもない。本体を両手で持っての、両手親指打ちが容易にできる。長文はかったりいが、ある程度詳細なメールの返答などなら苦にならない。と同時に、繰り返すが、液晶面を開けばそのまま即メールができるというのは、落ち着いて機器を操作する場所が意外なほどない外出時には、もの凄く実用的である。
そんなわけで、買ってからかなり頻繁にエクシーレを使っている俺であった。ちょっとソコまでお出かけ、なんて時には、iモード端末とエクシーレとサイフと鍵とタバコを持って出かければ、まあメール絡みのコミュニケーションで不自由することはないのだ。サブノートのようにいろんなコトができるわけじゃないが、最低限のコミュニケーションが取れる常備可能品として考えると、かなり安心できるし、実用的なアイテムだと感じている。
◎関連URL
エクシーレのニュースリリース
http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/99/whatnew1126.html
製品情報
http://www.nttdocomo.co.jp/products/dopa/exire.html
参考記事:[モバイルCATCH UP]「エクシーレ」から見えてくるモノ
http://www.watch.impress.co.jp/mobile/column/catchup/1999/12/14/
(スタパ齋藤)
1999/12/27
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