DCR-PC100 【後編】
DVノンリニアビデオ編集ができるVAIO C1XEと デジカメユーザー必携のPictureGear4.0
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ほんのちょっと前までは、パソコンで本格的なビデオ編集を行なおうとすると、高価なIEEE-1394ボードを増設して、HDDも大容量のウルトラワイドSCSIで固めるなど、お金と手間がかかっていた。しかし、IDEのHDDが高速で大容量かつ安価になり、必ずしもHDDをウルトラワイドSCSIで固める必要もなくなってきたし、Windows 98 Second EditionがIEEE-1394を標準でサポートしたことで安価なIEEE-1394ボードが登場し、以前ほどお金をかけずにノンリニアビデオ編集が楽しめるようになった。
■ ノートパソコンでビデオ編集する時代に
とりわけソニーのVAIOシリーズは、デスクトップもノートパソコンもi.LINK端子を標準で搭載していて、DVカメラとVAIOをi.Linkケーブルで接続するだけで、DVカメラで撮影した映像を静止画あるいはムービー(動画)としてパソコンに取り込める。最新のVAIOノートであるPCG-N505ESやPCG-C1XEには、「DVgate motion」という動画取り込みソフトが搭載され、ノートパソコンでもビデオ編集が楽しめる時代が訪れたのである。
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これがDVgate motionの画面。パソコンからDVカメラをコントロールしながら、取り込む範囲をビジュアルに指定できる。取り込む際にコマ落ちが発生した場合には、再度取り込み直す機能もある。C1XEで動画編集を行なうには、メモリを128MBに増設する必要がある。
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DVgate Motionのほかにも、DVテープに記録されているカットを一覧表示できる「DVgate scan」、取り込んだムービーのIN点/OUT点を指定して不要な部分をカットする「DVgate Clip」、DVカメラから取り込んだムービーをクリップ単位で並び替えて1本のムービーとして出力できる「DV assemble」、そして静止画キャプチャを行なう「DVgate still」といった便利なユーティリティが付属しており、DVカメラで撮影した映像を自由に加工できる。DVgate clipとDVgate assembleは、MPEG形式に変換してムービーを出力できるので、ムービーを配布したい場合には非常に便利だ。
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とうとうノートパソコンでもノンリニア動画編集ができる時代がやってきた。新VAIOにはDVGate motionという動画取り込みユーティリティが標準で付属しており、VAIOとDVカメラをi.Linkケーブルでつなぐだけで、動画のカット編集や静止画キャプチャが行なえる。編集し終わった動画データは、DVのクォリティを維持したまま、再びDVテープに書き戻すことができる |
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CPU | モバイルPentium II 266PE MHz |
液晶 | 1024×480ドット表示、TFT液晶 |
メモリ | 64MB(最大128MB) |
HDD | 8.1GB |
サイズ | 248×153×27~29mm(幅×奥行×厚) |
重量 | 1.0kg |
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なかでも、PCG-C1XEは、DCR-PC100と組み合わせてモバイルで使うには、非常に魅力的なアイテムだ。CPUはモバイルPentium II 266PE MHzながら、HDDは8.1GBと余裕の容量。スピーカーはステレオだし、ポインティングデバイスもタイピングのじゃまにならず、誤操作が少ない点が個人的にはお気に入りだ。これでNikon D1がi.Linkで接続できれば文句なしなのだが、残念ながら現時点では接続エラーとなってしまう。システムのプロパティには「不明なデバイス」としてD1が認識されているのだが、Nikon Veiw DXではD1を見つけられないようなのだ。ホストコントローラの設定の「専用デバイス以外をサポート」の項をチェックして再試行してみたのだが結果は同じ。もし、これで動いていたら、今頃は手元にC1XEがあったに違いない(笑)。あー、よかった。
■ デジカメユーザー必携のPictureGear4.0
ところで、ソニーVAIOシリーズには、デジカメユーザーにとって必携のツール「PictureGear」も付属している。いわゆる画像を一覧表示するブラウザソフトと呼ばれるもので、単体のアプリケーションとしても市販されている。
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PictureGear4.0の画面。静止画、動画ファイルをビジュアルに一覧管理できるソフトだ。単体のアプリケーションとしても発売されている。価格は7500円
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そのPictureGearが4.0にバージョンアップして、さらに魅力的になった。従来は、サムネイルが正方形に並べられていて、画面にはその一部が表示されていたので、ファイルが多くなると画面を上下左右斜めにスクロールする必要があったが、今回の4.0では画面のヨコ幅、タテ幅にフィットするようにサムネイルを並べ替えることができるようになったので、非常に見通しが良くなっている。また、Nikon D1などに用いられているYCbCr形式のTIFFフォーマット(RGB形式のTIFFよりもファイルサイズが小さくなるという利点がある)にも対応し、YCbCr形式に対応していないアプリケーションにも指定した形式に変換してデータを渡すことができるので便利だ。
さらに、サムネイル状態でのムービー(動画)再生が可能になったほか、AVIやMPEG、QuickTime形式などの動画データからパノラマ写真を作成したり、より大きな画像を作成できる「動画スティッチ」機能が追加されている。動画スティッチを使って好結果を得るには、撮影の際に、パンニングやズーミングに気を配る必要があるが、ホームページに掲載する程度の粗い画像なら十分楽しめる機能だ。
このほかにも、従来からあるラベル作成機能や静止画からのパノラマ作成機能、スライドショー再生(最大256画像までという仕様は不満!)、デジカメのExif情報表示機能(もっともCyber-shotやPC100の画像には撮影データは記録されていないのだ!)なども搭載。しかも、従来よりも低価格になったので、デジカメの画像が増えて整理に困っているという人にはイチオシのソフトだ。
■ PictureGear4.0の動画ステッチサンプル
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PC100で撮影した動画をDVgate motionでC1XEに取り込み、PictureGear4.0でパンステッチを行なってみた。撮影は手持ちでフルオートで行なっているが、さらなる好結果を得るためには、ホワイトバランスやAE、AFをロックして三脚撮影をしたほうがいい
(画像をクリックすると元画像がご覧いただけます。272KB) |
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PictureGear4.0のズームステッチの例。三脚を使ってゆっくりとズーム撮影した動画をC1XEに取り込み、PictureGear4.0の動画ステッチを行ったものだ。ズームインした部分だけ鮮明に写るのが特徴だ。ビデオカメラの動画からこれだけ大きな画像も作成できるのだ
(画像をクリックすると元画像がご覧いただけます。685KB) |
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函館市電のMPEGムービー。DVgate motionにて取り込んだPC100の動画を、DVgate assembleに読み込み、MPEG形式で出力したものだ。動画が撮れるデジカメは録画時間が短いのでハプニングを捉えるのはむずかしいが、DVカメラはとりあえずビデオを回しっぱなしにしておいて、後で見せたいシーンを選ぶことができるのが強みだ
(画像をクリックするとMPEGムービーがご覧いただけます。1891KB) |
◎関連URL
■VAIOデジタルビデオ編集読本 99年夏号
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/Dokuhon/DV-Book/index.html
■ソニー「VAIO PCG-C1XE」製品情報
http://www.sony.co.jp/sd/ProductsPark/Consumer/PCOM/PCG-C1XE/
■ソニー「PictureGear4.0」製品情報
http://www.vaio.sony.co.jp/software/PictureGear/index.html
■ソニー「DCR-PC100」製品情報
http://www.sony.co.jp/sd/ProductsPark/Consumer/VD/DCR-PC100/
(伊達淳一)
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1999/10/21
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