ポータブルオーディオプレイヤーについて

　もはや必須アイテムという感があるポータブルオーディオプレイヤー。音楽ダウンロードサービスとの連携も定着し、ますます便利になってきている。そこでユーザーの使用状況を、Impress Watchとgooリサーチが共同で調査した。

　まず所有状況だが、Watch読者のほぼ8割、gooリサーチでは半数以上が、少なくとも1個以上のポータブルオーディオプレイヤーを所有している。さらに、Watch読者の約2割、gooリサーチの1割が2個所有している。

あなたは現在、ポータブルオーディオプレーヤーを所有していますか。　（n=11,064） [Impress Watch]	あなたは現在、ポータブルオーディオプレーヤーを所有していますか。　（n=1,080） [gooリサーチ消費者モニター]

　ポータブルオーディオプレイヤーは、値段が手ごろなことと、サイズがかさばらないなど、複数個所有するのに障壁要素がほとんどない。また新製品の投入サイクルが短いこともあり、買い換え頻度も高いと思われる。Watch読者の約15%が3個以上所有していると回答しており、gooリサーチでの約2.6%と比べて際立っている。新製品に飛びつく傾向にあるWatch読者の特性が表れているといえよう。

　メーカー別では、アップルの独走はゆるぎないものとなっている。iPodシリーズを追いかけるのが、ソニー、クリエイティブ、アイリバー、東芝、松下か。Watch読者ではクリエイティブが、大手家電メーカーの東芝と松下よりも多いところがおもしろい。一方gooリサーチでは、家電メーカーやオーディオメーカーのシェアが比較的高くなっており、メーカーの知名度が購買に結びついているように思われる。残念ながら、上記で挙げた以外のメーカーは大苦戦しているといえるだろう。

あなたが所有しているポータブルオーディオプレーヤーのメーカーを教えてください。　（n=8,778） [Impress Watch]	あなたが所有しているポータブルオーディオプレーヤーのメーカーを教えてください。　（n=603） [gooリサーチ消費者モニター]

　記録メディア別では内蔵メモリ型が強く、Watch読者の半数以上、gooリサーチの半数近くを占めた。記録容量が年々増え、内蔵メモリ8GBという製品もある。HDD型はWatch読者が3割強、gooリサーチで3割弱だが、内蔵メモリの容量が増えると、HDD型のシェアは減少していくと思われる。

あなたが所有しているポータブルオーディオプレーヤーの種類を次のなかからお選びください。　（n=8,778） [Impress Watch]	あなたが所有しているポータブルオーディオプレーヤーの種類を次のなかからお選びください。　（n=603） [gooリサーチ消費者モニター]

　Podcastなどで動画を取り込みたい場合は、現状ではHDD型のほうが有利だろう。動画対応でも8GB程度の容量では、正直いって心もとない。一方、音楽だけ聴くユーザーなら、CD所有数が500枚を超えているようなヘビーリスナー以外は、内蔵メモリ型で十分な容量を確保できるようになってきているといえよう。

あなたが所有しているポータブルオーディオプレーヤーの記憶容量を教えてください。　（n=8,778） [Impress Watch]	あなたが所有しているポータブルオーディオプレーヤーの記憶容量を教えてください。　（n=603） [gooリサーチ消費者モニター]

　使用しているオーディオフォーマットは対応機種に依存するが、iPodのシェアが高いわりにAACの比率が高いとはいえない。一方MP3の比率はかなり高い。iTunesではデフォルトのフォーマット設定がAACとなっているが、これをMP3に変更して使っている人が意外に多いということになる。

あなたが主に使用しているオーディオフォーマットを次のうちからお選びください。　（n=8,778） [Impress Watch]	あなたが主に使用しているオーディオフォーマットを次のうちからお選びください。　（n=603） [gooリサーチ消費者モニター]

　CDなどから曲を取り込む際にビットレートをデフォルトから変更している人は、Watch読者の約65%にものぼった。このうち、高ビットレート（低圧縮）に変更して音質を高めている人が約46%、また音源ごとにビットレートを調整している人が約9%と、自分のリスニングスタイルに合わせて工夫している。また低ビットレート（高圧縮）にして、より多くの曲をプレイヤーに転送する工夫をしている人が1割いる。一方gooリサーチでは、ビットレートを変更していない人が約43%、わからないと回答した人が約24%で、かなり多くの人がデフォルト設定のままだった。

CDなどからアルバムや曲などを取り込む際にデフォルトの設定からビットレートを変更していますか。　（n=8,778） [Impress Watch]	CDなどからアルバムや曲などを取り込む際にデフォルトの設定からビットレートを変更していますか。　（n=603） [gooリサーチ消費者モニター]

　音楽ダウンロードサービスの利用状況ではWatch読者とgooリサーチで目立った差はなく、購入したことがない人が半数以上であった。購入経験がある人でも頻繁に購入している人は2%未満であり、ときどき利用しているか、過去に何度か購入した程度だ。アップルは先日、「iTunes Store」からの音楽ダウンロード楽曲数が30億曲を突破したと発表したが、これはアメリカでの発表であり、今回のアンケート調査結果では、日本にはまだまだ伸びしろがあることになるだろう。

音楽ダウンロードサービスを利用してアルバムや曲などを購入していますか。　（n=8,778） [Impress Watch]	音楽ダウンロードサービスを利用してアルバムや曲などを購入していますか。　（n=603） [gooリサーチ消費者モニター]

　Podcastの視聴状況も、視聴したことがないという人がWatch読者で約64%、gooリサーチで約75%で、多くの人が視聴経験をもっていない。そもそも記録メディア別のシェアで半数程度が内蔵メモリ型がしめていることからも、Podcastに対応していない、またはあまり適しているとはいえない機種のシェアが高いのだ。

あなたはポッドキャストで配信されたコンテンツをポータブルオーディオプレーヤーで視聴していますか。　（n=8,778） [Impress Watch]	あなたはポッドキャストで配信されたコンテンツをポータブルオーディオプレーヤーで視聴していますか。　（n=603） [gooリサーチ消費者モニター]

　興味深いのが、付属品以外にイヤフォンやヘッドフォンを別途購入している人の比率だ。Watch読者では約73%にものぼっている。高ビットレートへの変更率も高いので、音質向上に積極的に取り組んでいる姿勢が見られる。別途購入の価格帯では、5,000円以上10,000円未満が約22%、10,000円以上20,000円未満が約14%で、gooリサーチと顕著な差が表れている。

あなたはポータブルオーディオプレーヤーで使うために付属品以外に別途イヤフォン/ヘッドフォンを購入しましたか。　（n=8,778） [Impress Watch]	あなたはポータブルオーディオプレーヤーで使うために付属品以外に別途イヤフォン/ヘッドフォンを購入しましたか。　（n=603） [gooリサーチ消費者モニター]

あなたが購入したイヤフォン/ヘッドフォンの価格帯を教えてください。　（n=6,382） [Impress Watch]	あなたが購入したイヤフォン/ヘッドフォンの価格帯を教えてください。　（n=283） [gooリサーチ消費者モニター]

あなたが購入したイヤフォン/ヘッドフォンのメーカー名を教えてください。　（n=6,382） [Impress Watch]	あなたが購入したイヤフォン/ヘッドフォンのメーカー名を教えてください。　（n=283） [gooリサーチ消費者モニター]

　ここまで見てきたように、ほぼ毎日使うポータブルオーディオプレイヤーにはユーザーの積極的な工夫が見られる。さらに新製品の注目度も高く、それほど高額な製品ではないため、毎年買い換えている人も多い。記録容量の増加は今後も続くだろうが、そのほかの部分ではどのように進化していくのだろうか。

　現在のように、パソコンにCDの楽曲を取り込んだり、音楽ダウンロードサービスで購入した楽曲をプレイヤーに転送して聴くというスタイルが根本的に変わらないかぎり、アップルの牙城を崩すのはむずかしそうだ。各メーカーは買い換え需要を喚起していく魅力ある製品をどんどん出してほしい。

性別 [Impress Watch]	性別 [gooリサーチ消費者モニター]

年齢 [Impress Watch]	年齢 [gooリサーチ消費者モニター]

職種 [Impress Watch]	職種 [gooリサーチ消費者モニター]

2007/08/08
Impress Watch編集部

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