「ワンセグ」(携帯・移動体向けの1セグメント部分受信サービス)の本放送が4月1日に開始され、電車内などで視聴している人を見かけるようになってきた。ワンセグ対応の携帯電話端末やノートパソコンもつぎつぎに発売されている。さて、デジタル機器の情報に敏感で、新しいものをすぐに試してみたいWatch読者に、ワンセグはどのように迎えられたのだろうか。Impress
Watchとgooリサーチの共同調査で、見えてきたワンセグの利用シーンはいかに。
まずワンセグということばの認知度だが、IT系専門媒体の読者だけあって、9割以上は名称のみならずサービスの概要まで知っている。つまり、持ち歩ける端末で移動中に視聴できるテレビということまでわかっているということだ。そしてアンケートの時点でワンセグを視聴している人は約7%だが、今後視聴してみたいという人は73%にものぼり、Watchの読者のあいだではかなりの注目度といえるだろう。一方gooリサーチでのアンケート結果では、サービス概要まで知っている人は約65%、現在利用している人は約2.7%にとどまっている。
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あなたは「ワンセグ」のことをどの程度知っていますか?(Impress
Watch) |
あなたは「ワンセグ」のことをどの程度知っていますか?(gooリサーチ消費者モニター) |
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あなたは「ワンセグ」を視聴していますか?(Impress
Watch) |
あなたは「ワンセグ」を視聴していますか?(gooリサーチ消費者モニター) |
次にワンセグを視聴している端末について。約93%が携帯電話という回答だった。現在はワンセグ対応のノートパソコンやカーナビがまだ少ないこともあると思うが、予想以上に携帯電話に集中していた。ワンセグ対応機種が未対応機種に比べてどの程度購入金額が増えてもいいかという質問において、1万円未満という回答が80%もあったことから、ワンセグには関心があるものの、あまり金をかけたくもないというのも本音かもしれない。
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ワンセグを視聴している機器をお知らせください。(Impress
Watch) |
「ワンセグ」を視聴する場合、どのような機器で視聴したいと思いますか。(Impress
Watch) |
ワンセグを視聴する1回あたりの時間は、10分以上30分未満が50%強といちばん多く、次に10分未満が25%弱だった。場面別の視聴コンテンツは、通勤通学中は「ニュース/報道」が52%、「スポーツ」が25%、「天気/交通情報」が21%だった。通勤通学以外の移動中では「バラエティ」視聴が若干増えるものの、「ニュース/報道」「スポーツ」「天気/交通情報」の順位は変わらなかった。外出・旅行中で特定番組を見るというシーンにおいては「ドラマ/映画」が17%と伸びている。一方、gooリサーチでの回答では、Watchの読者に比べて「ドラマ/映画」の視聴が多く、回答者の男女比率が回答結果に表れているといえるだろう。
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「ワンセグ」を視聴する1回あたりの時間はどのくらいの長さが最も多いですか。最もあてはまるものを教えてください。(Impress
Watch) |
「ワンセグ」を視聴する1回あたりの時間はどのくらいの長さが最も多いですか。最もあてはまるものを教えてください。(gooリサーチ消費者モニター) |
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通勤・通学中
-どのようなシーン(場面)でワンセグを視聴していますか。視聴しているコンテンツを教えてください。(Impress
Watch) |
通勤・通学中
-どのようなシーン(場面)でワンセグを視聴していますか。視聴しているコンテンツを教えてください。(gooリサーチ消費者モニター) |
30分未満の視聴がいちばん多いということは、移動中または待ち合わせなどの時間つぶしに利用し、ストーリー性のあるものよりも報道や情報コンテンツ視聴や、スポーツの途中経過を知るといった使われかたが多いと思われる。通勤電車内で携帯電話を使ってニュースや野球などを見るのというのが主流といえそうだ。
ワンセグならではのデータ放送は、必ず表示させている人は10%、表示させていることが多いという人は30%弱。データ放送に期待することについて自由回答として寄せられた意見で感じられるのは、まず現状のデータ放送の内容に満足している人が少ないことだった。番組と連動している情報が少ないなど、しくみがあるからとりあえず流しています、といったデータ放送が多いということだ。天気予報などは便利という声もあったが、放送局側のやる気が感じられないという辛辣な意見が散見され、情報の送り手がデータ放送をうまく活用できていない。また、データ放送では双方向性を期待する声も多かった。デジタル放送ということで、従来のアナログ放送にないサービスを期待している人は多い。
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「ワンセグ」視聴時にデータ放送を表示させていますか?(Impress
Watch) |
今回のアンケートでもっとも注目していた質問項目は、ワンセグを視聴するようになって携帯電話の各機能・サービスの利用状況が変化したかどうかだ。携帯電話での音楽鑑賞やゲームなど、ひまつぶし的な使いかたが減るのではないかと予想していたのだが、結果はまさにそのとおりとなった。通話やメールといったコミュニケーションはほとんど変化しておらず、音楽、ゲーム、サイト閲覧において「利用時間が減った」と回答した人がそれぞれ10%程度見られた。
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通話
-「ワンセグ」を視聴するようになって以降の携帯電話の各機能の利用状況を教えてください。(Impress Watch) |
メール
-「ワンセグ」を視聴するようになって以降の携帯電話の各機能の利用状況を教えてください。(Impress Watch) |
現在ワンセグを視聴している人がもっとも不満としてあげているのは、「地下・建物の中など電波の届かない場所では視聴不可能」で、80%にのぼる。移動時に利用するとしても地下鉄区間では使えないし、屋内でも画面が固まったり映らなかったりすることがある。サービス提供エリアは今後拡大していくが、受信の安定度がもっとほしいところだ。またほとんどが携帯電話でワンセグ放送を視聴していることもあり、バッテリーの持続時間を不満点にあげている人も47%と目立っている。
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「ワンセグ」に対する不満点を教えてください。(Impress
Watch) |
また現在はワンセグを視聴していない人が、どのような点が改善されたら視聴したいと思うかという質問では、「ワンセグを視聴するための端末の価格」、「バッテリーの持続時間」と回答した人が60%を超えている。現時点ではワンセグを利用していないため、関心がコンテンツ内容よりも端末に向いている。
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「ワンセグ」について、どのような点が改善されたらより視聴したいと思いますか?(Impress
Watch) |
アンケート結果を総合すると、Watch読者はデジタル機器への関心が高いこともあり、ワンセグの認知度は非常に高かった。その中でも新しもの好きのユーザーが、比較的低価格で体験できる携帯電話で利用しはじめたようだ。携帯電話のモバイル性を活かして通勤通学中や待ち合わせでの時間つぶしに、ニュースや天気などの情報、スポーツの途中経過などを視聴している。
一方、自由回答の内容を見ると、現在提供されているコンテンツの満足度はあまり高くなく、デジタル方向ならではのデータ放送についてはきびしい意見が多々見られた。現状ではコンテンツを提供している放送局側よりも、端末メーカーのほうがワンセグの売り込みに積極的であり、ユーザーにワンセグで視聴できるコンテンツのメリットが伝わっていないように思われる。今後ワンセグ視聴エリアを拡大したり、地下や屋内での受信環境を改善していくのはもちろんだが、ワンセグというしくみを最大限に活かしたコンテンツが増えてほしいと思う。
Impress Watchでの調査は6月14日16時から6月21日16時に かけてImpress Watchの読者を対象にインターネット上で行い、
11,360の回答があった。 gooリサーチでの調査はImpress Watchと同じ期間、gooリサーチの 消費者モニターを対象にインターネット上で行い、1,088の回答
があった。
<主な属性>
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性別(Impress
Watch) |
性別(gooリサーチ消費者モニター) |
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年齢(Impress
Watch) |
年齢(gooリサーチ消費者モニター) |
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職業(Impress
Watch) |
職業(gooリサーチ消費者モニター) |
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2006/07/05
Impress Watch編集部
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