卒業・入学シーズンである3・4月は、進入学を機にケータイを契約する“学生”に向けて、さまざまなキャンペーンが行われる時期だ。特に最近は新規契約する学生だけでなく、その家族まで割引になるサービスも充実。家族中を巻き込んで契約の見直しをする機会にもなっている。家族にひとりでも“学生”がいるならそうした「学割」を使わない手はない。そこで、各キャリアのお得さを横並びでチェックしてみた。
※記事中の金額表記はいずれも税抜です。
学割は金額よりも期間や対象者に注目
そもそもケータイ/スマホの「学割」とは、ざっくり言うと「“学生”が新規契約またはMNPを利用し、学割に加入すると3年間、基本使用料が無料になる」システムだ(ドコモだけは「2013年6月以降に新規契約した契約者」も対象となっている)。
下記の表に各社の学割内容をまとめたので参照していただきたいが、学割に加入すると3年間、基本使用料が無料になるのはどのキャリアも大筋変わらない。
ポイントとなるのは、学割が「家族の基本料金」にも影響することだ。以下の表のとおり、家族が“学生”と同時に新規契約(またはMNPを利用)すると、“学生”と同じように基本料金が所定の期間無料になる。この家族の無料期間は、MNPによる加入なら各社3年間で横並びだが、新規契約による加入の場合はドコモのみ3年間、auとソフトバンクはそれぞれ1年間となっている。
ちなみに、本文中で“学生”と表記しているのにはワケがある。一般的に「学割」という名称からイメージするのは中高校生や大学生だが、実は各キャリアによって学割の対象となる年齢に違いがあるのだ。ソフトバンクは0歳の赤ちゃんから、ドコモは3歳から、auは6歳から(つまり小学生から)が対象になる。ソフトバンクとドコモの場合は、小学生未満の未就学児童も対象となる。
各社、「“学生”への割引」という部分は横並びだが、適用可能な年齢や家族の割引等、細かい条件は異なっているので、そこが選択のポイントとなるわけだ。「“学生”自体が何歳か」でも違うし、「同時加入する家族は新規かMNPか」によってもどこが一番お得か変わってくる。
ちなみに、すでに家族が加入しているキャリアへ“学生”が「学割」で加入した場合はどうだろうか。残念ながら、その場合、「学割」の家族割引は適用されない。家族にも割引が適用されるのは、あくまで家族と“学生”が同時にキャリアに加入したときだけである。
ただし、“学生”の学割加入と同時に家族が機種変更することで適用される割引サービスは存在する。ドコモの場合は“学生”の家族を対象にした「学生家族いっしょ割」の適用がそれにあたる。この「学生家族いっしょ割」では最大13か月、既存ユーザーの基本使用料が月額743円、割引になる。ソフトバンクの「学生家族まるごと割」は、やはり“学生”が学割に加入すると同時に家族が機種変更すると、端末代が割引される(ただし対象者の条件は微妙に異なるので下表参照)。auも同様の「U25家族セット割引」があるが、学割とは関係無い独立した割引サービスだ。
いずれにしても、“学生”分の新規契約と同時に店頭で行う必要はあるが、タイミングが合えばぜひ利用したい。
子供向けケータイは「学割」を適用できる?
未就学児をはじめ、小さな子供も利用可能な「学割」。では、各キャリアが子供の利用を想定して発売している防犯機能付きの小型ケータイ、たとえばドコモの「キッズケータイ」、auの「ジュニアケータイ」、ソフトバンクの「みまもりケータイ」などに学割は適用できるのだろうか。
結論から言うと、ドコモのキッズケータイはFOMAと同様の料金プランが適用できるので、「ドコモの学割2014」を適用することで基本使用料は3年間無料にでき、もちろん家族割も適用可能となる。auとソフトバンクは残念ながら子供向けケータイ専用料金プランが学割対象外となっているが、それでもauは1年間無料、ソフトバンクは2年間無料のプランが存在している。いずれにしても、子供向けケータイは店頭で見ると端末代も一括0円の店舗が多く、その上通話料だけの負担で利用できるのはありがたいだろう。
月額料金と通話料で見る各社の違い
では実際に、学割を適用した月額料金をiPhone 5Sの例で見てみたい。基本料金はそれぞれ学割で3年間無料だ。
ちなみに各キャリアとも、国内の通話料は30秒あたり20円で同じ。ただし、通話の定額プランには違いがある。たとえばau、ソフトバンクとも基本料金には午前1時~午後9時の無料プランが含まれる。家族間通話も無料だ。
ドコモの場合はXiサービスの場合通話の無料プランがないが、その分24時間ドコモ内かけ放題の定額プラン「Xiカケ・ホーダイ」が月額667円で提供されている。時間帯や家族間に関係なく使える便利なプランだ。1年間限定ながら半額のキャンペーン中で、他キャリアの同様のサービスより割安。家族や仕事先などドコモ内の通話が多いならオプションで付けておくとお得だ。
ちなみに、表では端末料金を記載していないが、各キャリアとも現状iPhone 5S 16GBであれば実質負担金は0円という場合が多い。正直なところ、本体一括購入時の価格に関しては店舗による差が非常に大きく、3/31までは期末であることもあって店舗独自の突発的なキャンペーンもよく行われるので狙い目。各キャリアの販売店店頭や家電量販店をこまめにチェックしてみよう。
のりかえのタイミングを見計らおう
店頭で各キャリアを検討していると、「2年間単位で考えたほうがいい」と頻繁に言われる。2年後にはどんなプランが出ているかわからないので、とりあえず2年間はまたのりかえることも視野にいれて、いま安くなるプランを選ぶことを勧めるキャリアもあるぐらいだ。ただ、それではせっかく学割が3年間有効なのに、2年でのりかえてしまっては1年分を捨てることになるので、もったいない。
また、実際には「家族まるごと」のりかえる場合に、全員揃って……というのもなかなか大変な作業だ。とりあえずは、家族全員の「のりかえ月」がいつかをチェックしてみてはどうだろうか。いま現在、家族全員ののりかえ月が揃っていない場合も少なくないはず。
今回、学割で新規加入のある家族なら、ここでひとつ、家族全員ののりかえ月を3月に揃えておくというのも、最終的にはお得になる、今後を見据えた手かもしれない。年数が経っても、この時期がのりかえのベストシーズンなのは間違いないからだ。