ケータイ料金はどこがお得? 主要各社のLTEサービス料金比較
主要3社のLTEサービス支払い額を比較
少し前まで、ケータイの料金はとてもわかりにくかった。あえて過去形で言わせてもらうが、LTE方式のサービスの開始以降、少しだが料金はシンプルなものに変化している。各社ともLTEのサービスでは通話料が完全に別になり、「基本使用料」+「パケット代」+「プロバイダー料」+「ユニバーサルサービス料」の4つを基本とし、オプションサービスの利用や通話料がこれに上乗せされた額が毎月の料金となっている。
プロバイダー料とは、ドコモの場合「spモード」、auは「LTE NET」、ソフトバンクは「S!ベーシックパック」とされているものが、プロバイダー料に該当するものとなる。
この金額を元に、端末購入による毎月の割引や、端末購入代金の分割払い分が加算され、その合計が請求される。携帯電話の主要3事業者とも全く同じ仕組みと言って良いだろう。
通話をほとんどせず、ふつうにメールやWeb、アプリを楽しむという使い方であれば、主要3社の料金を比べるのはここまでの金額だけでよく、意外に簡単なのだ。そこで一般的な使い方で比べてみよう。
各社LTEサービス支払い料金比較
ドコモ | au | ソフトバンク | ||
基本使用料 | 780円(※1) | 980円(※2) | 980円(※3) | |
パケット定額料 | 4935円 | 5985円 | 5460円(※4) | 5460円(※5) |
(データ通信容量) | (3GB) | (7GB) | (7GB) | (7GB) |
プロバイダー料 | 315円 | 315円 | 315円 | |
ユニバーサルサービス料 | 3円 | 3円 | 3円 | |
合計 | 6033円 | 7083円 | 6758円 | 6758円 |
※2 「誰でも割」適用時
※3 「ホワイトプラン」の場合
※4 「LTEスマホ パケット割」および、LTEフラットスタート割(i) 適用時
※5 「4Gスマホスタートキャンペーン」および、「4G LTE定額プログラム」適用時
データ通信容量が3GBの「Xiパケ・ホーダイ ライト」を選んだ場合のドコモが突出して安いが、ドコモでau、ソフトバンクと同じ7GBタイプの「Xiパケ・ホーダイ フラット」を選んだ場合、現在「LTEスマホ パケット割」(au)や、「4Gスマホスタートキャンペーン」(ソフトバンク)を実施しているau、ソフトバンクの方が安くなる。
外出先でモバイルバッテリーまで用意して動画を多数見るというなら別だが、一般的な使い方なら月間3GBで十分収まる。月間のデータ通信容量がどのくらいになるかは個人差が大きいのでなんとも言えないが、テザリングなどを利用せず、スマートフォン単体で使っている分には3GBで困ることはなく、さらに家で無線LANを使っていればまず問題なしというのが筆者の見解だ。月間3GBで収まっている人は、安いタイプを選択しない手はない。
また、スマートフォンをモバイルルータ替わりにして、パソコンなどからデータ通信を行うテザリングに関しては、ドコモだけが別途オプション料金を徴収していない。au、ソフトバンクともにオプションサービスとなり、最初の24カ月は無料だが、その後は月額525円の料金がかかる。
そして、通話の点だが、一般加入電話に掛けることがほとんどという場合は、各社とも無料通話はなく、別途30秒ごとに21円かかるのは3社とも共通。他社携帯電話への通話も30秒ごとに21円という点も3社共通だ。
ただし、auとソフトバンクは同じ通信事業者内の通話は1時~21時まで無料となる。ドコモだけ条件が異なり、そのままではドコモ内の通話無料がなく、別途月額700円の料金がかかる「Xiトーク24」を申込むことで、24時間ドコモ内での国内通話が無料となる。
事業者内無料通話がオプションとなるドコモだけが不利にも見えるが、通話定額制度や無料は、単純に比較できない。かける相手が他社携帯電話ばかりや加入電話というなら、事業者内の通話無料があってもメリットはないからだ。
最近ではさらに「LINE」をはじめとしたパケット通信を用いた無料通話の方法が多数あり、実はあまり考慮しなくても良いのかもしれないからだ。
なお、家族でグループを組むと家族間の通話が無料になる制度は3社ともある。
この春は適用しないと損! 社会人も学割キャンペーン
ここまで、社会人が使う場合の料金比較をしてみたが、この春は学割キャンペーンが3社とも行われている。ドコモは「応援学割2013」、auは「学割」、ソフトバンクは「ホワイト学割with家族 2013」と名付けられ、各社とも5月31日までの申し込みで料金の割引が受けられるキャンペーンとなる。
このキャンペーンは名前のとおり学生向けのサービスであるが、学生以外の社会人であっても適用できることがある。家族に「学割」の対象者がいる場合に限られるが、対象の学生がいる家庭では、学生が1人申しこめば、お父さん、お母さんや、すでに社会人になったお兄さん、お姉さんなども学割の適用ができる。
学割キャンペーンを適用すると毎月の支払いは下記のように変化する。
学割キャンペーン適用後の料金比較
ドコモ | au | ソフトバンク | ||
基本使用料 | 0 | 0 | 0 | |
パケット定額料 | 3885円 | 4935円 | 5460円(※4) | 5460円(※5) |
(データ通信容量) | (3GB) | (7GB) | (7GB) | (7GB) |
プロバイダー料 | 315円 | 315円 | 315円 | |
ユニバーサルサービス料 | 3円 | 3円 | 3円 | |
合計 | 4203円 | 5253円 | 5778円 | 5778円 |
※5 「4Gスマホスタートキャンペーン」および、「4G LTE定額プログラム」適用時
各社の学割キャンペーンだが、ソフトバンクとauが基本使用料の無料化だけにとどまっているのに対し、ドコモだけが基本使用料の無料化に加えてパケット代を1050円引くというものになっている。
そのため、データ通信容量が3GBまでとすれば、さらにドコモが安いという結果になり、月額4203円という最安値になった。ちなみに学割を適用すれば、データ通信容量を3GB→7GBへ増量してもまだドコモが安い。
また、家族の学割適用になる場合の条件も各社異なっている。各社とも家族の場合は新規契約に限っているが、割引期間が純粋な新規契約か、他社からMNPで乗り換えた場合の新規契約かによって割引期間が異なるなど、条件が異なっている。
そもそもの話になるが、学生本人が学割適用になる条件も各社で違う。ドコモとソフトバンクは既存ユーザーも対象となるが、ソフトバンクは機種変更(購入)をしないと対象とならない。auは学生であっても新規契約のみが対象だ。
学生の定義も異なっており、小学生以上のau、3歳以上のドコモ、未就学児とだけして年齢の下限がなく0歳でも適用可能なソフトバンクと分かれている。
対象条件をまとめてみたのが下記の表となる。
学割キャンペーンの適用条件
ドコモ | au | ソフトバンク | |
学生の定義 | 学生(3歳以上小学生未満のお子さま・学生) | 小学生以上 | 学生(未就学児童及び学生) |
学生本人の割引適用(既存回線) | ○ | × | × |
学生本人の割引適用(機種変更) | ○ | × | ○ |
学生本人の割引適用(新規契約) | ○ | ○ | ○ |
学生本人の割引期間(基本使用料) | 最大37カ月 | 36カ月 | 37カ月 |
家族の割引適用(既存回線) | × | × | × |
家族の割引適用(機種変更) | × | × | × |
家族の割引適用(新規契約) | ○ | ○ | ○ |
家族の割引期間 | 最大37カ月 | 12カ月(乗り換えは36カ月) | 12カ月(乗り換えは36カ月) |
過去の学割適用者の申込 | ○(2012年度適用者を除く) | × | × |
また、学割キャンペーンの適用条件だが、過去に1度でも利用した場合は対象外となるauとソフトバンクだが、ドコモだけは2011年以前の学割キャンペーンを利用していても対象となる。ドコモは学生本人がスマートフォンを利用中で、新しい機種を買わなくても申し込むことができる点も唯一。つまり、申し込みするだけで費用が一切かからず3年間安くすることもできる。
さらに細かいことを言えば割引期間が異なれば総支払い額が変わってくる。auは割引期間は契約の翌月から3年間(36カ月)だが、ドコモは契約月から割引が開始され、最大37カ月と1カ月分多くなっている。家族の場合はさらに差が出ることがあり、auとソフトバンクの場合はMNPを使った乗り換えでないと3年間の無料とならない。
学割で端末代金を割引
次に、忘れてはらないのが、端末代金だ。ドコモは学割のキャンペーンの特典のひとつとなり、auは学割のキャンペーンではないが25歳未満の利用者に「U25 auスマホ割」を用意し、端末代金の割引を行なっている。
ドコモは家族と一緒に購入した場合に、学生本人が最大10000円引き、家族が最大5000円引きとなる。auは単独でも利用可能だが、25歳未満の利用者の購入に限っており、最大10500円となる。ただし、auの場合は人気端末であるiPhone 5は適用外となっている点は覚えておこう。
なお、ソフトバンクは端末の割引キャンペーンを行なっていない。料金制度やキャンペーンを賢く利用
以上のように、この春、スマートフォンを購入する際は、料金や特典を十分に確認し、自分に合った活用をすることにより、今までよりも安くスマートフォンを使うことができる。
特に、学割のキャンペーンの割引額は少なくない。割引の大きなドコモ「応援学割2013」の場合、基本使用料とパケット定額料合わせて月額1830円が37カ月適用され、総額67710円もの割引となる。スマートフォン1台分の金額もまかなえてしまうほどの金額だ。
端末価格の割引に加えて、さらに各社ともに端末購入にともなう月額料金の割引サービスもある。トータルで考えれば、今、新しいスマートフォンの購入や、購入にともなう通信事業者乗り換えのチャンスだ。
各社とも学割キャンペーンは5月31日まで。春モデルのスマートフォンも続々発売されている今こそ、スマートフォン購入を検討するとともに、料金を見直すいい機会であることは間違いないだろう。
(正田拓也)
URL
- NTTドコモ 料金・割引
- http://www.nttdocomo.co.jp/charge/
- au 料金・割引
- http://www.au.kddi.com/ryokin_waribiki/
- ソフトバンク 料金・割引
- http://mb.softbank.jp/mb/price_plan/
- NTTドコモ 応援学割2013
- http://www.nttdocomo.co.jp/charge/discount/ouen_gakuwari_2013/
- au 応援学割2013
- http://www.au.kddi.com/jiyu/gakuwari/
- ソフトバンク ホワイト学割 with 家族 2013
- http://mb.softbank.jp/mb/special/students/
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- ドコモが「応援学割2013」実施、端末価格の割引も
- http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20130110_581307.html
- au、3年間基本料無料など「学割」キャンペーン
- http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20130121_584383.html
- ソフトバンク、基本料が無料になる「ホワイト学割with家族2013」
- http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20130122_584450.html