こどもとIT
ガンダムが動く「NABASIC」、AIを搭載した「COZMO」――CEATECで見つけた子供向けプログラミング教材たち
2017年10月10日 07:00
CPS(Cyber Physical System)とIoTの総合展示会「CEATEC JAPAN 2017」が、10月3日~6日、幕張メッセで開催された。「つながる社会、共創する未来」をメッセージとして、主催者特別企画展の「IoTタウン」などの見所も多く準備されている。ここでは、「IoT」のテーマに沿って、無線やセンサー、AIを用いたプログラミングロボットなど、CEATECで見つけた興味深い子供向けプログラミング教材をいくつかピックアップして紹介したい。
自分のプログラム通りにガンダムが動く! 玩具ブログラミング言語「NABASIC」
IoTタウンのメインストリート、一際多くの来場者が立ち寄っていたバンダイナムコグループのブースで見つけたのが、玩具プログラミング言語「NABASIC」(ナバシック)だ。NABASICは、プログラミングタブレット「NABACOM」(ナバコム)を利用し、タッチディスプレイだけで簡単にハードウェアのプログラミングを行うことができる。
今回の参考展示では、ハードウェアとして48分の1サイズのユニコーンガンダム(デストロイモード)が接続されており、自分のプログラミングでこれを動かすことができるという(写真・動画は許可を得て撮影しています)。
すべてタブレット画面上でプログラミングが行えて、キーボードは使わないため、低年齢向けを想定しているという。まだ研究段階だが、実用化されたら子どもより夢中になる親も多そうだ。今後、光センサーやマイク、距離センサーなどによるトリガー設定も検討しているらしい。ガンダムの戦闘シーンがプログラミングで再現できる日も近いかもしれない。
お茶目でユニークな動きが特徴の「COZMO」
タカラトミーのブースでは、ユニークな動きが特徴の「COZMO」(コズモ)が注目を集めていた。COZMOは、米国のおもちゃメーカーAnki社が2016年に発売し、大人気となったAI搭載型ロボット。日本では2017年9月に発売されたばかりだ。
COZMOにはAIが搭載されており、一緒に遊ぶうちに学習を重ねて少しずつ賢くなっていく。また、カメラ、赤外線、チルトなど搭載された多数のセンサーによって自分の身の回りの状況を把握し、環境に適した行動を取ることができる。“感情”を持っていて、クルクルと表情も変わる。放っておくと、付属のPowerCubeを自分で転がしたり積み上げたりして遊んだりするのだとという。
このように、自立型で動く、ペットか相棒のような可愛さが特徴のCOZMOだが、動きのプログラミングも可能となっている。親機となるスマートフォン/タブレットにダウンロードしたCOZMOアプリから、「コードラボ」を選択することで、子ども向けプログラミング言語「Scratch」ベースでの直観的なプログラミングが可能になる。
タカラトミーでは、オリジナルのカリキュラムも準備しており、「入門」「逐次処理」「繰り返し処理」「分岐処理」「入出力」「総合課題」など、段階を経て、楽しくプログラミングを学ぶことができるというわけだ。
COZMOのメーカー希望小売価格は26,980円(税抜)。
日常の困りごとを、アイデアで解決できる「MESH」
ソニーの新規事業創出プログラムから生まれたIoTブロック「MESHタグ」も展示されていた。
MESHタグは、「LED」「ボタン」「人感」「動き」「明るさ」「温度・湿度」「GPIO」など、多様な機能を持ったブロックが無線でつながっており、それをプログラミングアプリ上でつなげるだけで、さまざまな機能を実現することができる。
また、GPIOタグには、さまざまな拡張アクセサリを接続することができる。例えば、USB給電で動作するデバイスの電源操作や、サーボモーターのコントロールなども可能になる。
多彩なタグを活用すれば、日常のさまざまなシーンを便利にすることができる。過去に子どもを対象に行われたワークショップでは、幼稚園から小学生の子どもたちがMESHを使いこなしており、中には、人感タグとLEDタグによって「お母さんが2階に来たのがわかる仕組み」を開発した子どももいたとのこと。
“必要は発明の母”という言葉があるように、アイデア次第で家中の困りごとをIoTが解決してくれるMESHタグは、何気ない毎日をプログラミング教育のチャンスに変える、子どもにとって絶好なプログラミング教材と言えるかもしれない。MESHはすでに、小中学生向けワークショップや学習塾でも教材として活用されているという。
7種のタグがセットになった「MESH アドバンスセット」の希望小売価格は37,980円、ボタン、LED、動きタグがセットになった「MESH スターターセット」は14,980円(ともに税込)。そのほかバラ売りも行っている。
プログラミングしたとおりにiPadの画面を動き回る「TABO8」
プログレス・テクノロジー株式会社のブースでは、iPhoneやiPadなどで利用できる、小さな手乗りロボット「TABO8(ターボエイト)」を展示。充電はUSBで行い、90分の充電で60分ほど連続動作する。
iPhone(iOS10.2以上)ではコントローラアプリでラジコンのようにTABO8を操作するだけだが、TABO8のユニークなところはiPadとの組み合わせにある。プログラミングした通りにiPadの画面上を動き回り、インタラクティブに反応を返してくるのである。
ただし、iPadの画面上で動作させるための環境はかなりシビアということで、第5世代iPadもしくはiPad Pro 12.9インチ/10.5インチ/9.7インチと対応機種は限られているので注意が必要だ。
TABO8は当面市販される予定はなく、小学館から12月中旬以降に発行される「小学8年生 特別号」(税込1万9800円)の予約販売(予約開始は10月10日10時より、数量限定)のみとなる。