これまでトイデジというと、電源とシャッターボタン、簡単なモード切り替えボタン程度で、撮った写真や動画は、パソコンに取り込むまでは確認できないものがほとんどでした。まさに“トイ”という感じ。しかし、今回ご紹介するトイデジ「BONZART Lit」はすごい。多彩なトイカメラを扱うBONZのオリジナルブランド「BONZART」のトイデジ第2弾で、たった30g程度のボディしかないのに、静止画と動画が撮影できて、コンパクトデジカメ同様の設定も可能にしちゃったというトイデジなのです。
まず驚くのが、背面にあるまさかの1.44インチカラーTFT液晶です。電源ボタンを軽く押すと、静止画撮影モードで電源オン。レンズを通して、被写体がリアルタイムで確認できます。電源ボタンを再び押すと動画撮影モードになり、さらに押すと再生モードに切り替わります。レンズは30万画素CMOSで、最短撮影距離は50cmから。撮影可能なサイズは、静止画なら3M(2048×1536)、1M(1280×1024)、VGA(640×480)、動画は640×480、320×240。しかも、静止画も動画も4倍ズームが可能です。
中央の「OK」ボタンを押すとメニューが現れるのですが、静止画撮影に関する設定メニューがとにかく豊富なんです。設定できる項目は、静止画サイズ(前述の通り)、画質(スーパーファイン/ファイン/標準)、測光方式(中央/マルチ/スポット)、ホワイトバランス(オート/晴天/曇天/蛍光灯/白熱灯)、露出補正(0.0から+2.0および-2.0方向に6段階ずつ変更)、シャッターモード(オフ/Sタイマー2秒/Sタイマー10秒/連写)、カラー効果(ノーマル/白黒/セピア/ネガ/赤/グリーン/青)。動画は、動画サイズ(前述の通り)、フレームレート(30fps/15fps)、測光方式(中央/マルチ/スポット)、ホワイトバランス(オート/晴天/曇天/蛍光灯/白熱灯)の3種類。加えて本体設定は、操作音(シャッター、起動音、操作音、いずれもオンオフ)、電源周波数(50Hz/60Hz)、オートパワーオフ(1分/3分/5分)、表示言語(English/日本語)。
いかがですか? 設定内容だけ見れば、ないのはISO感度くらい? というほど。とても2,980円で買えるカメラとは思えません。でも画質はしっかりトイデジで、ゆるい写りが特徴です。特に外で太陽光の下で撮影すると、絵画のような雰囲気になるんです。メニューの文字を通してではありますが、これにホワイトバランスと露出補正やカラー効果を組み合わせれば、独自の味付けが可能になります。
オモチャみたいなのに、機能は充実してるトイデジ「BONZART Lit」。しっかりした写真は、シャッターを押すだけで綺麗に撮れるデジタルカメラを使用し、遊びゴコロ満載の写真を撮りたいときは「BONZART Lit」と使い分けてみてはいかがでしょうか。普段ホワイトバランスや露出補正などしないというおまかせ派の方も、「BONZART Lit」で遊んでいるうちに、変更することが楽しくなってくるかもしれません。
ただし注意が1点。液晶モニターはスクエアですが、実際に撮れるのは4:3なんです。モニターに写っていない部分まで写るのはご愛敬といったところでしょうか。