みなさんはマクロレンズはお持ちですか? ちょっとお高いこともあってなかなか手を出し難いレンズかも知れませんが、花や小さな小物を撮るのが好きな方は一本持っていると撮影のバリエーションがグッと広がるレンズでもあります。今回は、タムロンの「SP AF 60mm F/2 Di II」を使って、マクロレンズについてお話したいと思います。
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花びらが反り返っている形がかわいらしかったのでピントを一番色が濃い花びらに合わせて、その形がわかるF4まで絞って撮影。 |
被写体に近付いてみましょう!
タムロンの「SP AF 60mm F/2 Di II」は、開放F値が2という大口径のマクロレンズです。普段ズームレンズで暗めのF値で撮影している方がこのレンズを使うと、まずはその明るさにびっくりされることでしょう。
また、被写体に0.23mまで近付いて撮影ができるので、油断するとレンズフードと被写体がぶつかってしまうくらいです。それでは、明るくて被写体に近付けるレンズというメリットを活かして、まずは被写体にググっと近付くことから始めてみましょう!
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花びらのドレープにピントを合わせてF2.8で撮影。花の中央から向こう側は柔らかくボカしました。 |
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上の写真はこのような状況で撮影しました。連なる花の中からひとつだけ主役を見つけて近付いて撮ってみましょう。 |
どこまでボカすかを考えてみましょう!
被写体に近付いてお気に入りの一部分を切り取ることをマスターしたら、今度はどこまでボカすかを考えながら撮ってみましょう。
このレンズはとにかくキレイにボケるのですが、いつも絞り開放でばかり撮っていては面白くありません。被写体によって、自分が切り取りたい部分や見せたい部分を強調できるように、絞りを絞ってシャープな部分を作ることをしましょう。
次の写真のピントはすべて、花の中心の向こう側にある黄色いシベに合わせてあります。主役は中心の向こう側の小さな三角の花びらたちですが、どこまでボカすかによってイメージが変わってきます。
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絞りF2.8で撮影。主役とその並びにある花びらの形はしっかりと描かれていますが、手前の花びらはソフトフォーカスをかけたようにふんわりとボケています。 |
絞りF4で撮影。F2.8ではボケていた手前の花びらの形が、波のようになんとなく見えてきました。 |
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絞りF5.6で撮影。F2.8と比べると手前の花びらの形はよりくっきりとし、全体に花としてのイメージが強くなりました。 |
何をどこまでボカすかには、もちろん決まりなどありません。花を撮影する時にはシベや手前の花びらにピントを合わせるなどのセオリーもありますが、できればそれに振り回されずに自分が好きだと思うポイントにピントを合わせて、ボカす量を考えてみて欲しいと思います。
大事なのは、自分が一度いいと思った考えに固執せずに柔軟な発想で色々なピント位置やボケ量を撮って試すことです。その結果、一般的に言われているセオリー通りがやっぱり気持ちいいピント位置だと思うかも知れませんし、自分好みのボケ量が見付かるかも知れません。
ちょっとのピント位置とボケ量の違いでがらりとイメージの変わりやすいマクロレンズは、そんな自分の好みの写真の探索と新たな発見ができる楽しいレンズなので、ぜひ、一本はお持ちになることをオススメします!
今回の撮影機材
Canon EOS 7D
TAMRON SP AF 60mm F/2 Di II