赤ちゃんと言えば笑顔!です。ただ、お子さんをお持ちの方ならご存じのとおり、産まれたばかりの赤ちゃんはまったく笑いません。まれに新生児が寝ながら笑っているように見えますが、これは「生理的微笑」と呼ばれるもので、単に神経反射で顔の筋肉を引きつらせているだけだとか……。楽しくて笑っているわけではないと知ったときには、結構がっかりしました。
というのも、ちっとも笑わない、毎日泣くだけの新生児の育児は想像以上につらいものです。仕事でそこそこの修羅場をくぐり抜けてきたと自負していた自分も、最初の三カ月はかなり追い込まれました。先が見えない真っ暗なトンネルを子どもを抱えてひたすら歩くような感覚で、かなりまいっていたのを思い出します。
そんなつらい時期は3カ月を過ぎたあたりから徐々に緩みはじめ、6カ月ぐらいを過ぎた頃には、楽しくなっていました。というのも、子どもが笑うようになったからです。それまでいくら撮っても寝ている姿ばかりだったのが、機嫌よく起きている時間が長くなり、表情も豊か。とにかく写真を撮るのが楽しいのです。子どもが生まれる家庭が、生まれるタイミングで新しいカメラを買い逃していたら、この6カ月のタイミングもいい時期ではないでしょうか。はいはい、たっち、など動画で残してあげたい瞬間もこの6カ月以降に集中しています。
ただ、以前よりよく笑うようになったと言っても、もちろんカメラを向けたときにいつも笑っているわけではありません。笑った!と思ってカメラを用意しても、次の瞬間には笑っていないので、やはり「笑わせる」必要が出てきます。各家庭でも、なんとか笑顔を撮ろうと、苦労されているのではないでしょうか。参考になるかどうかはわかりませんが、うちの家庭でよく使うワザをご紹介したいと思います。
うちの子の笑顔を引き出す鉄板は、「いないいないばぁ」「くしゃみ」「イヌの鳴きまね」「パ行の発音」「パパのだっこ」「ゆうなちゃん」です。
「いないいないばぁ」はそのまま、柱やドアに体ごと隠れて「いないいないばぁ」と急に現われるというもので、なぜか確実に笑顔を見せてくれます。うちの場合は顔が見えないと笑ってくれないので、ファインダー機でなくミラーレスのライブビューで構えて、「ばぁ」とやった瞬間に連写しています。
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このときは就寝前のハイテンションで、ソファごしに自分で「いないいないばぁ」をして笑顔になっていました |
「くしゃみ」「イヌの鳴きまね」「パ行の発音」は、機嫌がいいとき限定で効果がある方法ですが、加藤茶ばりの大げさな動作つきのへっくしょん、甲高いワンワン、適当にパ行をパパパピプペポパポと繰り返す……などの発音にキャッキャッと喜びます。これに、大好きな「パパのだっこ」を加えるとまず攻略できます。誰かに抱いていてもらえると、撮る角度も自由になるので、まだ歩けない月齢の子にはこれがベストです。
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現在8カ月。最近はいはいが高速です。お気に入りの場所に移動したところで「ワンワン」などの擬音で笑顔をもらいました |
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うちの場合は「パパのだっこ」が大好きで、だっこされていると笑顔も撮りやすくなります |
そして、「ゆうなちゃん」は誰かというと、NHKのEテレ(教育)で月〜金曜日(8:25〜8:40、再放送 16:21〜16:36)に放送されている乳幼児向け番組「いないいないばあっ!」出演者の女の子です。笑顔がかわいくて元気いっぱい。画面にゆうなちゃんが大写しになると、子どもは満面の笑み。撮れる笑顔はあきらかにデレデレです。
うちの子の場合は、このゆうなちゃんが大写しになるタイミングと、同番組の体操の「わ〜お!」がはじまるタイミングが確実に笑顔なので、笑顔が撮りたいときは、録画してある番組を再生して、テレビ側から撮ります。ただしこの場合、テレビが壁際にあると目線は撮れません。
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「ゆうなちゃん」効果の笑顔。体操の曲「わーお」がかかると動きつきで大喜び。画面に集中してくれるので笑顔は撮りやすいです |
この方法は、うちの子限定か……と思っていたら、同じくらいの月齢のママ友さんからも、子どもがゆうなちゃんがお気に入りでかぶりつきで見ている、という話をよく聞くので、よくある現象のようです。おそるべし、ゆうなちゃん。母はいまから息子が大きくなってからアイドルにつぎ込まないかちょっと心配です……。
子どもの写真は、どうしても失敗カットが多くなりますが、デジカメなら好きなだけ消せますから、100枚のうち1枚でも成功すればOK! と思って撮っています。多少ピントがズレていてもL判にプリントするぐらいなら案外目立たないですし、とにかく「ない」より多少ヘタでも「ある」ことが大事。今しかない笑顔を残してあげたい、と思います。