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Lesson 6 主役を決めて撮りましょう!今回のテーマはズバリ『欲を捨てる』です! どういうことかと言うと、ステキな写真を撮ることを諦めることでも、欲しいレンズを我慢すること(これはお財布と相談しながら時には必要ですが)でもありません。撮りたい被写体に出会ったときに「ここも、あそこも、ぜ〜んぶ写したい」と言う“全部写したい欲”を捨ててみようというレッスンです。 旅先の思い出として風景を残しておきたいときや、後から全体の状況を確認したいときなどの記録的な画像は別ですが、自分が興味を持った物を撮るのにその物全体をフレーミングしなくてはいけないという決まりはありません。むしろ、一点に集中してそこを主役として目立つように撮ることで、誰が撮っても同じ画像から脱却して自分の好きな所が前面に出た“自分らしい画”を生み出すことができるのです。 Best Shot !
photo by nana
作例はパンケーキのオブジェをレースのカーテン越しに自然光が入る窓辺で撮影しました。ピントは赤い果実の上の角砂糖で、生クリームの波の造形がギリギリわかる程度までボカして全体にふんわりと優しいイメージにしました。 右のような全体を捉えた写真ではどんなケーキなのかはわかりやすいのですが、状況を説明しているだけであまり面白味はありません。究極的に言ってしまえば、状況写真を撮っているのでなければ写っている物が何であるかはわかる必要はないのです。 それでは早速、マリコちゃんに自分の好きな小物で自分が撮りたいようにスタイリングからしてもらいましょう。どんな小物を使ってどんな風にセッティングするかも、主役を決める重要なポイントになります。
NG Shot ! photo by mariko
マリコちゃんコメント
おかしいなー、全然かわいく撮れない・・・
裸眼で見たらすごくかわいいのに、写真にすると一気にかわいさがなくなってるよー 一枚目はハリネズミと周りが同化してるようにも見えるくらい主張がない写真で、 二枚目は1匹のハリネズミだけ、「ただ浮いている」印象しかない 裸眼で見たこのかわいさをどうしても伝えたーいのに!!! ナナさーん!!! ヘルプっ!! 何をすれば伝えられるか教えてください
マリコちゃんが選んでスタイリングしたのはハリネズミの小さな人形と3色のレースのコースター。選んだ小物はかわいいのですが、ふたつのハリネズミを上から撮っているので、ハリネズミを撮りたいのかレースのコースターを撮りたいのかわからなくなってしまいました。 かわいい物がいっぱいあったら色々入れて撮りたくなってしまうのはわかりますが、主題を絞ってそこにピントを合わせて撮ってみましょう。まずはふたつのハリネズミのどちらかを主役にしてピントを合わせてみること。そして、思い切って小物を減らしてしまうのも手です。
GOOD! photo by mariko
マリコちゃんコメント
そっかあ!画面全体を見ながら考えればいいのか!!
撮ることでいっぱいいっぱいになってたら駄目ですね・・・ もっと大胆に、「寄りで撮る」ことも知ったし、いまにも動きだしそうな写真になったー!! さらに何枚撮っても出なかった、かわいさもばっちり出てる!!! 一気に写真に動きと色が出た気がするっ! 自分のオリジナル感もこれから出せるようにがんばろっ 見る方向をちょっと変えて、設定もちょっと変えるだけで素敵な写真が撮れたよー!!! ナナさんって本当にすごいなあ どんどん私の残念な写真を変身させてくれるっ! 憧れちゃう!!
見せたいものを均一に撮ってしまうとその印象は薄くなってしまいます。あれこれ欲張って多くの情報を伝えようとすると、逆に何も伝わらなくなってしまいます。写真を見た人に注目して欲しい所を抜き出してオーバーにアピールする気持ちで、主役を決めて撮ってみてくださいね!
(状況撮影=編集部) 機材協力 = ニコンダイレクト
(2011/11/10)
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