VR Watch
「Oculus Dash」はVRでマルチウィンドウなバーチャル作業環境を実現
あらゆるWindowsアプリがVR空間で扱える?
2017年10月12日 13:29
Facebook傘下のOculus VRは日本時間12日未明、デベロッパー向けイベント「Oculus Connect 4」にて同社のPC向けVRシステム「Oculus Rift」用コアソフトウェアの最新版「Rift Core 2.0」を発表しました。新たに追加されるUI「Oculus Dash」では、WindowsのウィンドウをVR空間に自由に配置できるようです。
Oculus Dashのバーチャル・マルチウィンドウはWindows MR以上の自由度か?
新UI「Oculus Dash」は、RiftでのVR体験中はいつでも呼び出すことが可能。Riftのメニューやライブラリにアクセスできるほか、他のVRアプリに随時切り替えることもできるマルチタスク的機能もあるようです。
さらに、Windows上のウィンドウをVR空間に呼び出すことができるのが特長となっています。呼び出されたウィンドウはVR空間上で自由に配置でき、大きさなども変更可能。
上記の紹介映像では、Google ChromeがVR空間に浮かんだウィンドウとしてそのまま動作しているほか、ChromeウィンドウからデタッチされたタブがそのままVR空間上で新規ウィンドウとして現れる様子が映っています。
公式発表では、「無限のワークスペース」、「開発者はVisual StudioやUnity、Unrealを(VR空間で)使用しながらVRアプリのデバッグが可能」などと説明されています。
これはつまるところ、「Windows用のアプリのほとんどをVR空間にウィンドウとして持っていける」と捉えて良さそうです。
実のところ、Windows Mixed Realityプラットホームのホームアプリである「Criff’s House」でもVR空間でのバーチャルマルチウィンドウは実現可能です。しかし、対応するアプリはWindowsの「UWPアプリ」に限定されており、ChromeやPhotoshop、前述のUnityやUnrealなどを始め、多くのアプリは使用できません(Windowsのデスクトップ画面全体を一つのウィンドウとしてVR空間内に配置することは可能)。
少なくとも「VR環境でのバーチャルワークスペース構築」という面においては、今回の発表でOculus RiftがWindows Mixed Realityの一歩先を行ったように見えます。
VR空間であらゆる作業が可能に?
また、Riftにおけるホームアプリ「Oculus Home」は、VR空間に存在する調度などをユーザーが自由にカスタマイズ可能となりました。
Rift Core 2.0はベータ版が今年12月にリリース予定です。
Rift Core 2.0により、PCを用いるあらゆる作業がVR空間で完結できる未来が現実味を帯びてきました。文字入力はどうする、などの疑問点はもちろんありますが、「VR空間を自分だけのパーソナルワークスペースにする」夢に向かって一歩前進というところでしょうか。