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まさに「ゲームの世界に入る」体験! 東京ジョイポリスの「ZERO LATENCY VR」

広大で殺風景なその部屋は、VRヘッドセットを被ることで、腐臭と硝煙が支配するアウトブレイクの現場へと一変。手には銃、隣には戦友。おたがいの背中を守りながら、迫り来るゾンビを撃ち倒す……。

この夏、そんな「非現実体験」が可能になります。セガ・ライブクリエイションが運営するアミューズメント施設「東京ジョイポリス」で7月23日にオープン予定の新アトラクション「ZERO LATENCY VR」。一足先にメディア向け体験会で遊んできました。

東京ジョイポリス

迫り来るゾンビを最大6人で迎撃!

ZERO LATENCY VRは、複数人が同時に同じ部屋の中で楽しむVRアトラクション。オーストラリアのZero Latency社が開発しています。今回東京ジョイポリスで開始するのは、ZERO LATENCY VRのタイトル第1弾「ZOMBIE SURVIVAL」。プレイヤー同士が協力し、エリアに迫り来るゾンビたちを駆逐していくという内容です。

その特長は、なんといってもプレイヤー(ZOMBIE SURVIVALでは最大6人)が同じ空間でそれぞれ自由に動き回る「フリーロームVR」と呼ばれる仕組み。各プレイヤーが背負ったPCはそれぞれワイヤレスでネットワークに接続され同期しているほか、ヘッドセットなどに装着されたトラッキングセンサーで位置情報を取得することで、VR空間でもプレイヤー同士が視認し合うことができます。

同じ空間内でプレイヤーそれぞれが自由に動き回ることができる「フリーロームVR」
ヘッドセットはOSVR製のカスタムバージョン
PCを内蔵したバックパック。ヘッドセットと直接ケーブルで接続されており、VRシステムに特有の長いケーブルの取り回しが必要ありません
バックパックは4kgありますが、サイズは小ぶりで、しっかり装着すれば重量も気になりません
「ZOMBIE SURVIVAL」で使用する銃。それなりに重く、両手で持って扱います
プレイする部屋はかなり広く感じます
ゲーム画面
実際にはこんな感じでプレイしています

ゲームが始まると、エリア外から瓦礫を乗り越えてゾンビたちが次々に侵入してくるので、銃を使って迎撃し、エリア内の拠点を防衛します。ゾンビのグラフィックはなかなかリアルなものの、動きがゲーム的なスピーディーさなので「怖い」という感覚はありませんでしたが、そこは個人差もあるかもしれません。

ホラーゲームというわけではありませんがゾンビが苦手な人は注意した方がいいかもしれません。途中、デカくて気色悪い中ボスゾンビも登場します

FPSの世界に入ったかのような体験が味わえる

プレイした感覚は、とてもおおざっぱに言えば「自分の足で歩くFPS」。四方八方からゾンビが押し寄せるので、周囲の状況を把握しつつ、有利な位置を陣取っていく戦略的な楽しみがあります。ただ、フレンドリーファイア(同士討ち)はなく、プレイヤーは死んでも10秒で復活するので、ゲームが苦手でもゾンビ相手にとにかく打ちまくる爽快感が楽しめます。武器は小型自動銃、中型自動銃、ショットガン、スナイパーライフルの4種類が切り替え可能。弾切れ後はオートまたはマニュアルで弾倉装填できますが、ショットガンとスナイパーライフルは1発撃つたびに銃身をスライドさせて排莢する必要もあります。実のところ、銃をジャコッとスライドさせながらショットガンを連射するのは「なりきり度」高めで、かなりテンションが上がります。

切り替え可能な銃。ゲーム途中で別の武器が支給されることも…

面白いのは高低差の存在。エリア内にいくつか存在するエレベーターに乗ると2階に上がることができ、そこから1階などを狙撃することができます。もちろんこれは擬似的なもので、実際には皆同じフロアーで戦っているわけですが、3D立体視の効果もあり、本当に高所で戦っているような感覚があり楽しいです(高所恐怖症の人はやや注意かも)。ゾンビは主に1階に出現するので、スナイパーライフルを使って1階に群がるゾンビたちにヘッドショットを決めていくと、凄腕スナイパーのなりきり感が味わえます。逆に、近接戦闘でゾンビをなぎ倒していきたいなら1階を主戦場にするのがおすすめです。

マップは1階と2階に分かれています。2階は敵の数が少ないので1階の敵を狙撃するなどサポート重視のプレイが可能です
ゾンビを撃つと得点が入ります。武器の種類やヒットした部位によって得点が変わるようです。スコアは自分の足元を見れば確認できます

プレイ中に気をつけておく必要があるのが「通信」です。ヘッドホンには隊長(ゲームマスター)からの通信が随時入り、「Player3が囲まれているので援護して」「救援が来るのでエリア中央に集まって」など指示を出してくれます。エリアの外縁部に近づきすぎている場合や、他のプレイヤーに近づきすぎていて接触の危険がある場合は「もうちょっと下がって」など安全上の指示も来るので、ゾンビ狩りに熱くなりすぎずにちゃんと聞いておきましょう。また、マイクを通じてプレイヤー同士で会話することも可能です。友達同士でプレイするときは「こっち死にそうだから援護して〜」「この地点から強敵出現、集中攻撃!」など、お互いに連携すると楽しそうです。

6人同時プレイについてですが、なにせ同じフロアーでみんな好き勝手に動き回るので、安全的な意味でも常に他のプレイヤーの位置を意識しておく必要があります。プレイエリアは確かに広いのですが、ゲーム後半にゾンビの出現数が増えてくるとプレイヤーが押されて1箇所に集中しがちで、そうなると移動がかなり制約されます。1階と2階で半々くらいの人数で陣取るのが良さそうだと感じました。

フリーロームVRの魅力をさらに活かすタイトルも登場予定

ZERO LATENCY VRの最大の魅力は、なんといっても広大なVR空間をケーブルの制約なしに自由に歩き回れることでしょう。現状、一般で入手できるVRシステムですと「HTC Vive」で実現できる3メートル×4メートル=12平方メートルの空間が最大ですが、ZERO LATENCY VRでは240平方メートルのプレイ空間を謳っており、まさに桁違いの広さです(訂正:当初400平方メートルと記載していましたが、400平方メートルはメルボルンの施設のもので、東京ジョイポリスは240平方メートルとなります)

ただ、今回の「ZOMBIE SURVIVAL」では、他のプレイヤーに気を使ってしまい空間を自由自在に動き回る、というわけにはいかなかったのがやや残念な点でした。とはいえ、「ZOMBIE SURVIVAL」はあくまで第1弾タイトル。今後はパズルゲームなど、シューティング以外のジャンル展開も予定されているとのことなので、フリーロームおよび多人数同時プレイを活かしたタイトルがどんどん登場してくることが期待されます。

もちろん、「ZOMBIE SURVIVAL」もVRならではの没入感と臨場感を存分に味わえるアトラクションであることは間違いありません。価格は現在、オープニング記念の特別価格で1800円となっています(東京ジョイポリス入場料は別途)。プレイ時間は、ブリーフィング等準備で15分、実際のプレイ時間は15分となっていますが、体感時間は思ったよりも長く、けっこう「お腹いっぱい」でした(ちなみにオーストラリアでは1プレイ45〜50分で88ドル)。

ゲームの「未来」を感じさせてくれる「ZERO LATENCY VR」。夏休みを利用して、ゾンビとの戦いに身を投じてみてはいかがでしょう。