VR Watch

進撃のHTC Vive。日本でのVR普及へ本腰

週間VR Watcher 2016年7月4日〜7月10日

1週間のVRに関する話題をまとめてお届けする「週間VR Watcher」。今回はなんといっても「HTC Vive」の国内展開の発表が大きな話題だ。また、NVIDIAの最新GPUも発表された。

HTC Viveが店頭販売開始。VRシステム一式が手軽に入手可能に

HTCは7月7日、同社のPC用VRシステム「HTC Vive」を日本国内店頭で販売開始することを発表した。国内での流通・サポートを担当するのはデジカ。全国のドスパラ、TSUKUMO各店、およびユニットコムが運営するPCショップ各店で購入が可能となる。当初の販売店舗数は北海道4店舗、関東19店舗、東海6店舗、関西4店舗、中国1店舗、九州2店舗の計36店舗で、順次追加の予定。デジカでは店頭の体験スペースの予約システムもオープンしている。

HTC/デジカ「HTC Vive」99,800円での店頭販売開始を発表 - GAME Watch
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1009313.html
HTC、「HTC Vive」の国内オフィシャルパートナーを発表 - GAME Watch
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1009177.html
VRシステム「HTC Vive」、99,800円で店舗販売。「ボトムズ」などコンテンツ拡充も - AV Watch
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1009185.html

ドスパラとTSUKUMOからはHTC Vive推奨PCも発売開始しており、ユニットコムも推奨PCを展開予定としている。

サードウェーブデジノス、HTC Viveが快適に動作するPCを発売! - GAME Watch
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1009127.html
G-GEAR、GeForceとAMDの最新GPUを搭載した「HTC Vive」推奨PC2機種発売 - GAME Watch
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1008982.html
TSUKUMO、VRクリエイター向けモバイルバッグを発売 - GAME Watcher
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1009119.html

この発表にあわせ、ドスパラとTSUKUMOはVR専門フロアを秋葉原にオープン。ドスパラに関しては、クロマキー合成を用いて現実の情景とVR内の描写を合成、Mixed Realityとしてディスプレイに出力するシステムも備えている。

アキバ最大級の試遊スペース、「ドスパラ VRパラダイス」が新規オープン - AKIBA PC Hotline!
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news/1009272.html
秋葉原に“思う存分VRが楽しめる施設”「ドスパラ VRパラダイス」がオープン - GAME Watch
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1009128.html
HTC Viveの体験スペースを用意、「ツクモVR.」がオープン - AKIBA PC Hotline!
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news/1009261.html

これまでOculus RiftやHTC ViveといったPC向けVRシステムはインターネット販売を通してしか入手できなかったが、今回、HTC Viveの店頭販売が開始されることで、即日の持ち帰りも可能になり、より手軽に入手できるようになる。店頭で実際に体験する機会も増えることで、「とにかく体験しないとわからない」といわれるVRの国内普及が加速するとみられる。

また、「Oculus Rift 対 HTC Vive」というPC向けVRシステムの対決において、HTC Viveがリードを広げつつある構図が見えてきた。現在のVRブームの先駆けであるOculus Riftだが、製品版の生産の遅れや配送遅延など、ローンチ時のつまづきが痛手になっていることは否めない。一方のHTC Viveは、円滑な製品流通はもちろん、メディア露出でもライバルに水を開けている。

「ルームスケールVR」を活かしたアミューズメント施設での採用や法人向けでの需要が多いことも、HTC Viveの強みとなっている。HTC Viveを採用するバンダイナムコのアミューズメント施設「VR ZONE Project i Can」も今回のHTCの発表にあわせて新アトラクションを7月15日から稼働開始することを発表している。

「VR ZONE Project i Can」に「ボトムズ」のコンテンツが登場! - GAME Watch
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1009150.html
コンシューマにも法人にも攻勢をかけるHTCのVR HMD「Vive」 ~お台場VR Zoneでは「ボトムズ」体験アトラクションがオープン - PC Watch
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1009318.html

ちなみに、セガ・ライブクリエイションが運営するアミューズメント施設「東京ジョイポリス」も、VRアトラクション「ZERO LATENCY VR」を7月23日にオープンすることを発表している。こちらはオーストラリアでのβテスト時にはOculus Riftの開発版が採用されていたようだ。

東京ジョイポリス、VRアトラクション「ZERO LATENCY VR」をオープン! - GAME Watch
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1009243.html

いよいよ活気付いてきた感がある日本でのVR。コンシューマー向けの「本命」ともいわれるPlaystation VRのローンチまではまだ時間があるが、それまでにまだまだ盛り上がりの余地がありそうだ。

NVIDIAから低価格のVR向けGPU発表

NVIDIAは7月7日、同社の最新GPU「GeForce GTX 1060」を発表した。価格は249ドルからで、先行するハイエンド「GTX 1080」「GTX 1070」と比べると非常に安価だ。気になるパフォーマンスは前世代のハイエンドである「GTX 980」に匹敵するとのこと。

価格帯からみて、AMDの「Radeon RX 480」(199ドルから)と真っ向からぶつかるGPUであり、発売後には両製品の性能比較も進んでいくだろうが、実利用時のパフォーマンスにおいては個別のゲームタイトルなどソフト側での最適化も重要になってくるはずだ。両社がVR分野においてもどのようにデベロッパーを巻き込んでいくのかも注目したい。

GTX 980より安くて速い「GeForce GTX 1060」 ~1,280CUDAコア内蔵で249ドルより - PC Watch
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1009303.html
NVIDIA、ミドルレンジGPU「GeForce GTX 1060」を正式発表 - GAME Watch
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1009247.html

相次ぐ新GPUのリリースにより、VR向けPCのコストは大きく下がりつつある。PC向けVRシステムの普及の原動力となることが期待される。