スクウェア(9620 東1、4,170円)は、日本で販売した「ファイナルファンタジーIX」や「劇空間プロ野球」、また海外で販売した「Parasite
EVEII」や「VagrantStory」、「Chrono Cross」など大型タイトルの販売本数がいずれも期初計画を上回った。このため、同社の2001年3月期上期の業績は、単体決算では赤字予想から一転して黒字に、連結決算では期初計画の8倍の利益を計上した。
2001年下期には、新作ソフト「バウンサー」、「ファイナルファンタジーX」をプレイステーション2(以下「PS2」)向けに、ファミコン時代の「ファイナルファンタジー」をバンダイ(7967
東1、3,930円)の「ワンダースワンカラー」向けに販売する。海外では「ファイナルファンタジーIX」や「バウンサー」を販売する予定である。販売タイトルは予定通りだが、PS2の供給不足のため、2001年度末までのPS普及台数を500万台と期初見通しの600万台を下回ると判断した。このため、2001年下期に計画しているPS2用ソフトの販売計画を縮小し、同下期だけの業績見通しは期初から下方修正となる。
製作中のSF映画「ファイナル・ファンタジー」は予定通り2001年夏に公開される見通しである。米国では11月17日から劇場で予告編の上映が始まった。国内では2000年末から上映される。2作目についてはシナリオ作りを始めているとのことである。
通信インフラの普及状況を考慮し、プレイオンライン(以下「POL」)の本格サービス開始は2001年末に延期とすることを発表した。集英社と提携し、「少年ジャンプ」のマンガを独占的にPOLコンテンツとするなど、具体的な姿が見えてきた。損益分岐点となる加入者数を60万人と発表するなど、数字面も徐々に明らかになってきた。しかし、「壮大な実験」との印象はぬぐえず、積極的に業績予想に織り込むのは難しいと考える。
株価(円) |
4,170
|
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52週レンジ(円) |
3,760-23,800
|
(2000年11月20日) |
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発行済株数(千株) |
48,997
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時価総額 (十億円) |
204.3
|
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ROE(%) |
5.6
|
決算期 |
99/3
|
00/3
|
01/3予
|
売上高 (十億円) |
71.8
|
72.9
|
83.3
|
EBITDA (十億円) |
11.6
|
8.9
|
10.0
|
経常利益 (十億円) |
7.8
|
3.4
|
6.6
|
当期利益 (十億円) |
4.2
|
1.7
|
2.5
|
EPS (円) |
127.1
|
51.6
|
51.0
|
PSR (倍) |
2.8
|
2.8
|
2.5
|
PER (倍) |
32.8
|
80.8
|
81.7
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(注)EBITDA:償却前営業利益
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