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ゲームに投資(11月27日更新) [ゲームに投資一覧]

 先週のゲーム株は、バンダイ(7967)、セガ(7964)など4銘柄が上昇、スクウェア(9620)、アルゼ(6425)など22銘柄が下落した。先週半ばに日経平均が年初来安値を更新するなど株式相場全体を取り巻く環境は依然厳しく、決算発表を受けて将来の業績を懸念する見方が台頭、一部のゲーム株がストップ安するなど、投資家の見切り売りが株価に与えた影響は多大なものとなった。

●マリオ、ソニック?
 先週最も上昇したのは、バンダイであった。14日に発表された2000年9月中間決算で、連結の最終損益が78億円の黒字(前年同期は7億8,200万円の赤字)となったことから株価が動意づいていたが、みずほ証券が株価格付けを新規に「買い」にしたことで、さらに株価に弾みがついたようだ。また、21日には全額出資の子会社である「バンダイネットワークス」が12月から香港と台湾、シンガポールの3地域で通信事業者と提携し、携帯電話向けにキャラクターやゲームの配信事業を始めると発表したことも好感されたようだ。

 なぜならば、バンダイは既にNTTドコモ(9437)の「iモード」向けのキャラクター・ゲーム配信事業で先行、300万人の利用者を獲得している実績があり、一般的に携帯電話は端末の画面のサイズが小さく、ゲームソフトなども家庭用ゲーム機と比べて簡略なものがふさわしいため、“開発が容易で利益率も高い”ということが評価されたようだ。また、キャラクターに関する研究の計画案を一般から公募するという一風変わった戦略も発表された。これは、大学や研究機関に所属する若い研究者を主な対象として、社会学・心理学など3分野から、それぞれ1点を選び、「研究助成金」として各100万円を提供、研究を進めてもらうというものである。

 「たかが100万、されど100万」とキャラクター研究費用の多寡について議論するつもりはないが、「果たして、バンダイのキャラクターとは何ぞや?」と真剣に考えてしまう。任天堂なら「マリオ」、セガなら「ソニック」と即答できるのだが、バンダイに至ってはイメージすら湧かない。オリジナルキャラクターを有していることは商品戦略上非常に有利であり、「ゲームキャラクター」や「ぬいぐるみ」、はたまた「アニメの主人公」など、ビジネスチャンスは大きく広がるものだ。

 そういった意味では、今回の「研究助成金」は先行投資ということで安い買い物かもしれない。しかし、ブームというものは得てして「意図的に作るものではなく、自然に作られるものである」ということを忘れてはならないだろう。

●インド人もびっくり
 先週2番目に上昇率が大きかったのはセガであった。とは言っても値幅にして僅か20円、率にしても3%という“地味な上昇”であった。実際、セガは24日に9月中間期の連結当期損益を324億円の赤字と発表したにも関わらず株価を上昇させている。さらにこの決算数値は10月27日の業績見通しで発表した292億円の赤字という予想をも下回っているのにだ。

 業績自体は、主に9月に「ドリームキャスト」を値下げしたことが響いたようだが、株価上昇の理由はどうやら「悪材料出尽くし」にあるようだ。一般的に「株価は半年先の企業業績を予想して動く」といわれる。セガの場合、今期で4期連続赤字になるということが以前から予想されており、その“悪い”業績は、もう既に株価に織り込まれていたというわけだ。だが、そんな背水の陣となっているセガも起死回生の一発を狙い、ある“企て”をしている。

 それは、「ドリームキャストをインドで発売する」ことである。ゲーム機メーカーによるインド市場への本格参入は同社が初めてであり、現地の大手ネットワーク企業SPAエンタープライゼス(ニューデリー)と販売契約を結び、インドにおける拠点として展開する。販売価格は現時点では未定だが、日本円で4万-5万円となる見通しである。初年度の販売目標は12万台に上り、2002年には100万台以上を目指す。これを単純に掛け算すると、初年度の売上高目標が48億から60億円。2002年の売上高は400億から500億円以上となる。今期の連結予想売上高が3,200億円であるから、約10数%の貢献を果たすことになりそうだ。インドという新天地でゲームが爆発的に売れたら、まさに「インド人もびっくり」である。

●今週の展望
 今週は、ズバリKCEO(4729)に注目してみたい。それは、来年、海外市場向けゲームを大幅に拡充すると発表したからである。現在、同社は国内向けの野球ゲームにその売上げの大半を頼っており、特に「実況パワフルプロ野球」への依存率は50%を超えている。経営体質の改善のためには、今回発表したように海外で人気スポーツを題材にしたゲームを開発し販売することが不可欠である。

 そして、来年は販売するゲームソフトの約40%にあたる200万本を海外で販売する予定であるという。一方、チャート面でも、10月31日の公開来安値22万円で、“底打ち感”があり、先週末に5日移動平均線を上回ってきた展開は“チャーチスト”にとっては見逃せない動きである。

 ということで、今週はKCEOに期待!ということで締めさせて頂くが、依然安値圏で低迷する株価に愛想を尽かしたので、「果報は寝て待て!」ということで今週は以下のようにしたい。・・・「おやすみになりますか?→はい」

□関連表
・ゲーム各社騰落率
・ゲーム各社先週の動き

フィスコ アナリスト 黒岩 泰
2000/11/27

■ゲーム関連企業リポート
・コナミ
・スクウェア
・バンダイ

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