【米ナスダック指数の急落】
(11日朝日朝刊ほか)
米ナスダック指数は2000年3月の高値5048ポイントからおよそ60%と大幅下落となったが、どのあたりで下げ止まるのであろうか。
●本当の恐ろしさはこれから?
ちなみに、わが国の平成バブル崩壊による下落は10年経過した今もまだ下げ止まらないようにみえる。だが、バブルの天井である1989年12月の日経平均3万8,915円からみると、本年3月の安値まで68.4%の下落。もし米国ネットが本当にバブル崩壊というのであれば、わが国の平成バブル崩壊が参考になろう。同じ68.4%の下落なら1600ポイント前後になる。今の水準からまだ30%も下である。
期間はどうか。そもそも回りくどい日本人と違い、きわめて直裁的な米国人のこと。短期に暴落する。かつてネットバブルならぬ自動車バブルの1929年以降のバブル崩壊の際、NYダウは10分の1に暴落するのにわずか3年ほどしか要していない。このことからすれば、ナスダック指数の恐ろしさはこれからかもしれない。
【緊急経済対策に土地流動化策】
(10日毎日朝刊ほか)
何でもありの経済対策のなかで、不動産取得税などの3年程度の軽減、内閣に都市再生本部を設置するなど土地流動化策が盛り込まれた。
●敏感に反応した不動産株
景気が本格的に自律回復をしないのは地価の値下がりが続き銀行の不良債権が一向に減らないからだ。今期待されているのは、実は地価対策なのかもしれない。実際、経済対策の内容が明らかになるにつれて、市場で最も敏感に反応したのは不動産株だ。先週末は三井不動産(8801)、三菱地所(8802)など主力不動産株が1日で5~10%の値上がりとなった。
折しも、東京証券取引所は不動産投資信託市場を開設した。「J-REIT」といわれる不動産投信の登場で投資家は高利回りを期待できる新しい投資対象が増える。今回の土地流動化策は、不動産の流動化を加速させるREITの後押しもあって、わが国経済の再生のための起爆剤になり得る可能性が大きい。週明けの不動産株は全般市況安をうけて、小反落している。
■URL
・譲渡益課税の軽減など証券対策柱に~与党3党が緊急経済対策
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/03/09/doc2242.htm
【FINANCE Watchから】
●制限値幅を一定条件で2倍に拡大~全国取引所が4月16日から(9日)
市場はこの決定を好感しよう。このほか信用取引の規制も緩和すべきだ。急激に上昇したから、株券が調達できないから、といって直に信用取引を規制するのはおかしい。多分投機を助長するからとの理由だろうが、そうした銘柄にあえて参加するのは自己責任を十分わきまえた投資家たちだ。
■URL
・記事
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/03/09/doc2235.htm
[内藤新二]
2001/3/12
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