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ニュースの見方(2/20)        [ニュースの見方2月バックナンバーへ]
不良債権は“金の卵”?

【不良債権「直接処理」要請へ~金融庁が大手行に】
(20日毎日など朝刊各紙)
 金融庁の森昭治長官は19日の記者会見で、「徹底的な直接処理をした結果、赤字決算になっても市場は評価するのではないか」と述べ、公的資金を受けている大手行に不良債権の直接処理を促す方針を示した。G7共同声明が不良債権問題の早期解決を求めたことを受けたもの。

 ●不良債権は“金の卵”?
 財政は極限にきており、金融政策も5年以上にわたって超低金利が続いているにもかかわらず、景気は刺激されなかった。この原因を突き詰めていけば、不良債権問題に辿り着く。金融機関の不良債権問題が、金融緩和の効果を遮断してきたのだ。

 日本の場合、米国とは違い、金利の上げ下げが景気に直接反応することはなく、むしろ銀行貸し出しを通して間接的に効いている。しかし、銀行貸し出しのチャンネルが不良債権問題によって壊れてしまい、金は余っているものの、市場(=企業)に金が流れない状況に陥っている。

 金融政策の有効性を復活させるためにも、不良債権問題の抜本的解決が必要であることは言うまでもなく、金融庁長官の発言を株式市場は好感するものだ。

 現状で最も収益性の高いビジネスチャンスは、安く仕入れることのできる不良債権に関する分野であると外国機関投資家は分析しており、新しい不動産ビジネス(証券化と不動産投信)の台頭を見ると、不良債権は“金の卵”となるかもしれない。

【FINANCE Watchから】
 ●キヤノン、3Dモデル生成ソフトを開発~デジカメで容易に(19日)
 キヤノン(7751)の英国法人である「キヤノン・リサーチ・センター・ヨーロッパ(CRE)」は、デジタル写真から3Dグラフィックスモデルを作成するソフトウェア「SOM(Small Object Modeler)」を開発。以外の特別なハードウェアなしに、短時間で自動的に3Dグラフィックスモデルを実現するソフトで、実物の質感をそのまま再現できるという。

 キヤノンのカメラ部門売り上げ(2000年12月期)は前年比16.8%増。この高成長を牽引したのがデジタルカメラ(同4倍増)だ。SOMは、デジタルカメラの世界シェアトップを狙う同社の新技術として大いに注目するもので、同社株がボックス圏の4500~4000円相場から上昇トレンドに入るきっかけとなる。

■URL
・記事
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/02/19/doc2031.htm
・ニュースリリース
http://www.canon.co.jp/pressrelease/sonota/som.html
・キヤノン
http://www.canon.co.jp/

【FINANCE Watchから】
 ●地上波デジタルで共同公開実験~NTTデータや東京放送など(19日)
  NTTデータ(9613)、NTTドコモ(9437)、博報堂、東京放送(9401)、北海道放送の5社は、3月1、2日の両日、東京と札幌を結んで地上デジタル放送の共同公開実験を行う。

 このニュースのポイントは、東京放送が他の放送各社に先行して公開実験を行う点。デジタル放送、双方向サービスの本命は、BS、CSデジタル放送ではなく、この両放送はあくまで過渡的・補完的サービスと捉えるべきだ。圧倒的なコンテンツを有する地上波放送は100%所有することで、BS、CS出資比率20%以下とは力の入れ方が異なっており、また地上波デジタルは携帯電話へのサービスが可能であるため、NTTドコモと共同で動いている。東京放送のブランド力とコンテンツ力の評価を高めるニュースである。

■URL
・記事
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/02/19/doc2032.htm
・ニュースリリース
http://www.nttdata.co.jp/profile/release/130216.html

[袴田まさお]
2001/2/20
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