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日本アリバ 渡辺邦昭 社長
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ソニープロキュアメントセンター
川久浩一センター長 |
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アスクル 小河原茂 執行役員
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企業間(B2B)電子商取引プラットフォームを提供する日本アリバは27日、間接材分野における電子カタログの標準化を目指す「電子購買コンソーシアム」を設立すると発表した。このコンソーシアムは、電子カタログの記述仕様の標準策定を目的とする「サプライヤ コンソーシアム」、電子調達アプリケーション「Ariba Buyer」のユーザー企業を中心に組織し情報共有や要件定義などを進める「バイヤー コンソーシアム」、金融決済や物流サービスの仕様やビジネスモデルを標準策定する「コマース コンソーシアム」の3つから構成される。
「電子購買コンソーシアム」の代表には、ソニー(6758)の青木昭明・執行役員上席常務が就任。各コンソーシアムの代表と事務局で運営され、策定・提案される内容を検討、日本版B2B取引の標準を策定していく。
「サプライヤ コンソーシアム」の代表にはアスクル(2678)の小河原茂・執行役員が就任。コンソーシアム参画企業は500社を見込んでいる。初年度の活動目標として(1)間接材分野における製品分類の標準化(2)全角や半角、略語など間接材製品の商品仕様・説明の記述方法の標準化(3)注文様式や項目などバイヤーからサプライヤへの注文におけるビジネスプロセスの標準化(4)アリバ対応電子カタログの標準化作業だけではなくB2Bの他のサイトとの取引も意識した構造としXMLも採用―としている。
製品分類の標準化では、国連とダン アンド ブラッドストリートが共同開発し、ECCMA(商品コード標準化に取り組む非営利団体)が管理する世界初のオープングローバル製品分類コードシステム「UNSPSC」の日本語リファレンス、日本独自分類も進める。
一方、「バイヤーコンソーシアム」の代表は未定で参画企業も今後詰めていく。地球環境などの品質基準を配慮したカタログ情報の収集や、ユーザー(バイヤー)企業としての視点から情報共有や用件定義を進める。
「コマースサービス コンソーシアム」の代表も未定だが、昨年11月に包括提携した企業(発表時のパートナー数は20社だったが現在26社)のうちの金融機関8社とカード会社、物流会社の総勢20社程度で構成される見込み。
日本アリバの渡辺邦昭社長は「日本で本格展開を開始して半年経ったが、標準化へ向けた具体的な準備が整った。日本におけるEマーケットプレイスの事業標準を確立し日本企業の収益力、国際競争力の向上に貢献したい」と今回の方針を述べた。
一方、ソニーは間接材の調達に関しては4、5年前に独自に取り組んだものの目立った効果が出せず、1999年にアリバを検討、実際に昨年はアリバ製品の英語版を使いPC関連の間接材についてユーザー500人で試用した経緯がある。
昨年11月からは日本語版を使いソニー関連営業所などを含めユーザー約1万人、50社のサプライヤーで利用しているという。ソニープロキュアメントセンターの川久浩一センター長は、こういった経験を踏まえて「生産に直結する原材料や部品などの直接材の調達では最後に特殊な処理を施さなくてはならないため共通化を図るのは難しいものの、経費購買対象となる文具やオフィス用品などの間接材調達では共通化に向いている。アリバのようなツールを活用して標準化の基盤を構築し、生産性の向上に是非ともつなげていきたい」と指摘した。
また、アスクルの小河原氏は「サプライヤー側の代表として、これまで行ってきたネット通販の経験を購買モデルに活用していきたい」と述べた。
■URL
・日本アリバ
http://www.ariba.co.jp/
・ソニー
http://www.sony.co.jp/
・アスクル
http://www.askul.co.jp/
・UNSPSC
http://www.eccma.org/unspsc/
・内外有力20社が資本参加も含め協業へ~日本アリバのB2B市場
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/11/28/doc1183.htm
・日本アリバ製品導入でSBコマースとコンサルティング3社が協業
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/03/08/doc2228.htm
(別井貴志)
2001/03/27
17:46
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