FINANCE Watch
譲渡益課税の軽減など証券対策柱に~与党3党が緊急経済対策

  自民、公明、保守の与党3党は9日夕、株式市場の活性化対策を柱とした「緊急経済対策」をまとめ、森喜朗首相に提出した。株式市場の活性化策では、(1)申告分離課税の税率を26%から20%に軽減(2)1年以上の長期保有株の譲渡益課税を2分の1に軽減(3)個人の配当課税の2分の1程度への軽減―など、数字を示しながら税制の抜本的な改正を列挙している。また、郵貯資金の国内株式での運用なども盛り込んだ。

  一方、金融再生にからむ対策では、銀行の株式持合いの解消に伴う株価下落を防ぐため、民間ファンドによる「株式買い上げ機構」を創設、ここに銀行が保有する株式を持ち込む構想を打ち出している。

  与党は、こうした対策の実行に強い意欲を示しているものの、森首相の退陣表明が秒読み段階となっているだけに、市場関係者らは冷ややかに受け止めている。

◆証券関連税制の抜本的な改正
・申告分離課税の税率の軽減(26を20%程度)
・損失の繰越控除制度の創設(5年程度の繰越)
・長期保有株式の譲渡益課税の軽減(1年以上の保有、2分の1程度)
・少額売買の譲渡益非課税制度の創設(年100~200万円まで)
・個人の受ける配当課税の軽減(2分の1程度)
・少額配当申告不要制度の限度額の引き上げ(20万円程度)
・株式による相続税、贈与税の軽減(1年以上の保有、2分の1程度、限度を設定)
・法人に対する2重課税の排除

■URL
・構造改革に関心寄せる欧州投資家~ロンドン発が市場の“台風の目”に
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/03/07/doc2204.htm
・株式市場は「亀井売り」の様相に~相場の足を引っ張る自民政調会長
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/03/02/doc2160.htm

(沖野宗一)
2001/03/09 18:15