東芝(6502)は、ブラウン管並みの64階調で色をコントロールできる新技術による有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)ディスプレイの試作機を開発した。サイズが2.85インチの小型で各種携帯機器向けのディスプレイ。2万5,000画素で緑色のみ表示できるが、数カ月以内にフルカラー対応にしていく考えだ。
業界では16階調が主流という色の濃淡を示す階調を、同社は64階調に引き上げたことで色のコントロール技術を強化した。また、高分子の有機ELを使ったことで、特に動画をより鮮明に見せることができる。
同社は動画などのコンテンツを携帯電話やPDA(携帯情報端末)を使って見るユーザーの増加を見込んでおり、小型のディスプレイ中心の生産を計画している。
具体的な生産開始時期や価格などは未定。有機ELディスプレイはソニー(6758)が世界最大13インチのディスプレイの開発に成功するなど、次世代ディスプレイをめぐって熾(し)烈な競争が繰り広げられている。東芝は2002年春までには新製品の概要を固めたい方針で、「まず需要は小型から」(同社広報部)との姿勢を見せ、最初の製品は2~3インチになるという。
■URL
・東芝
http://www.toshiba.co.jp/
・ソニー、世界最大13インチ有機ELディスプレイの開発に成功
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/02/07/doc1928.htm
(塩谷麻樹)
2001/02/09
14:43
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