ヤフー(4689)は16日、2001年3月期の第3四半期(10-12月期)決算を発表した。収入の95%を占める広告が引き続き好調で、売上高は37億600万円と前年同期比2.3倍に増加した。利益率の高い大型広告案件もあって、営業利益は同2.5倍の15億1,600万円、経常利益は同2.6倍の14億9,300万円、純利益は同2.5倍の8億4,300万円だった。売上高、利益とも10四半期連続で過去最高を更新した。
一方で、広告収入は景気に左右されるため、今後景況感の悪化に伴いネット広告も一時的に伸びが鈍化する可能性もあるとみており、同日、広告以外の事業の拡充、収益化を図っていく方針も示した。基本的にはこれまで通りサービスは無料で提供していくものの「米国Yahoo!が導入しているように一部のサービスの有料化、課金化を検討」(井上雅博社長)、順次実施する。
具体的には、まず企業による社内外向け情報発信を有料でサポートする「ビジネス・エンタープライズ・サービス」を対象に検討。企業のWebサイトをカスタマイズする「Corporate Yahoo!」や、Webホスティング、企業情報の発信サポート、投資家向け情報サービスなどを考えている。
また、「プレミアムサービス」として「フリーメール」、ホームページ作成の「ジオシティーズ」、ファイルホルダー提供サービスの「ブリーフケース」の各無料サービスで、容量を拡大したいユーザーにはその分を付加サービスとして課金することも3月をめどに開始する予定。各サービスごとに月間数百円の定額で徴収する見込み。
さらに、オークションサービスでは収益化を図ると同時に出品アイテムの良質化、システム負荷の軽減を図るため出品に関する設定もすでに大きく変更。設定は、出品期間を2~14日間だったものを2~10日間に、自動再出品回数を最大5回だったものを2回に、ユーザー年齢などによる制限などアダルトカテゴリーの分離などを行った。
設定変更の結果、過去最高出品数となった昨年11月の約200万件から同12月には約180万件と10%減少している。前月比ベースで減少したのは初めてのことだが、その後再び190万件程度に回復しているという。オークションの収益化については、企業が多数の商品を効率よく出品できるシステムを有料で提供する「Yahoo!プレミアムオークション(B2C)」を検討している。月5万円程度の固定費と落札代金に対する3~5%程度の課金を計画。
このほか、オークションでは詐欺・違法品の出品を防止するためにクレジットカード番号などによる確認システム、オークション参加の有料化(月額固定で数百円)、買手・売手への課金なども予定している。
広告以外の収入の比率は現在5%程度だが「今後3年で20~30%程度にしていきたい」(同社長)方針だが、「これら広告業以外のサービスを開始すると、設備投資を含め開発が集中することも考えられるため、一時的に利益率が悪化する可能性もあろう」(同)と見ている。
■URL
・Yahoo! JAPAN
http://www.yahoo.co.jp/
・Yahoo! JAPAN-Investor Relations
http://docs.yahoo.co.jp/info/investor/jp/release/
(別井貴志)
2001/01/16
19:16
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