JR西日本（9021）とJR東海（9022）は20日、両社が保有する日本テレコム（9434）の株式のほとんどを、携帯電話の世界最大手である英ボーダフォン・グループに売却すると発表した。譲渡総額は2,492億円で、ボーダフォンは日本テレコム株の約15％を保有する。これによりボーダフォンは、テレコム傘下の携帯電話会社、J-フォングループとの関係強化を図る。

　 譲渡株の出資比率と価格は、JR西日本が約8.6％（1,427億円）、JR東海が約6.4％（1,065億円）となる。今回の株式譲渡で、日本テレコムの筆頭株主はJR東日本（9020、15.1％）のままだが、ボーダフォンは、米AT＆Tおよび英BTと並んで第2位の株主になる。日本テレコム株をめぐっては、ボーダフォンのライバルであるBTがAT＆Tの保有株を買収する交渉を進めており、今後も同社の支配権をめぐる動きが活発化しそうだ。

　 テレコム株の売却により、JR2社は2001年3月期の連結純利益を西日本が775億円に、東海が995億円にそれぞれ上方修正した