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ソフトバンク・インベストメントは終日公募価格割れ~IPOの軟調続く

  ソフトバンク・インベストメント(8473)が15日、大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場スタンダードに新規上場した。公募価格150万円に対し、初値は12万円安(8%安)の138万円と下回って始まった。あと、すぐに145万円のザラ場高値をつけたが、積極的な売り買いがみられず方向感のない動きが続き、結局終値は公募価格比22万円安(15%安)の128万円と終日公募価格を下回った。ザラ場安値は121万円。

  出来高は2,348株だが、朝方日興ソロモンからおよそ1,200株の買い物が入っていたため、これを除けば商いは極めて薄く、売り気配で取引が開始されたかもしれない。同証券では「通常の顧客からの注文」としている。

  同社は、ベンチャーキャピタル・ファンドの運用・管理および株式公開支援、コンサルティングを中核としたベンチャーズ・インキュベーション事業を展開している。運用するベンチャーキャピタル・ファンドの純資産額は9月末現在でおよそ2,500億円(簿価ベース)。今期は好業績が期待できるものの、インターネット関連に特化したファンドであることなどから来期以降の業績を見込むのが難しいとの見方がある。

  また、相場全般が弱いなかでヤフー(4689)やソフトバンク・テクノロジー(4726)も冴えず、直近のソフトバンク(9984)グループの新規上場・公開でもモーニングスター(4765)、イー・トレード(8627)と不調が続いたこともあって、同社に対しての投資センチメントは冷えたかたちだった。公募価格の絶対水準も、個人投資家にとっては高い。

  一方、前日東証マザーズに新規上場したソフトブレーン(4779)は、公募価格70万円に対して初日取引は17万円安(24%安)となる53万円の売り気配で終日値段が付かなかったが、15日には同27万円安(39%安)の43万円で初値がついた。しかし、この初値がザラ場高値となり終日下げ基調。結局、終値は同32万3,000円安(44%安)の39万3,000円。ザラ場安値は39万円だった。

  同社は、インターネット技術を用いた企業向けパッケージソフトウェアの開発・販売や、シミュレーションソフトウェアの開発販売などを手がけている。もともと、8月28日に上場する予定だったが、引き受け幹事団を見直すことを理由に7月31日に上場申請を取り下げ再度上場申請するなど“ごたごた”もあったため、こちらも投資センチメントとしては冷えたものだった。

■URL
・ソフトバンク・インベストメント
http://www.sbinvestment.co.jp/
・ソフトブレーン
http://www.softbrain.co.jp/
・ソフトバンク・インベストメントがナスダックJに上場へ~海外売り出しも
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/11/21/doc1111.htm
・ウィットキャピタルが「E-ディーラー」使って初主幹事
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/11/10/doc1007.htm
・ソフトブレーンが東証マザーズ上場を一時中止
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/07/31/doc74.htm

(別井貴志)
2000/12/15 18:02