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オープンな建設取引市場「CMnet」を構築へ~森ビルとソフトバンク

左から、森稔 森ビル社長
孫正義 ソフトバンク社長
澤田光英 日本建築センター社長
米倉誠一郎 一橋大学
イノベーション研究センター長・教授
宮内謙 SBイーコマース社長
伊藤泰勇 森ビル常務取締役
  森ビルとソフトバンク(9984)の電子商取引関連の事業統括会社ソフトバンク・イーコマース(SBEC)は27日、インターネット上で建設プロジェクトの受発注を行うマーケットプレイス「CMnet(Construction Open Market net)」の創設に向けて共同で「CMnet運用協議会」を設立すると発表した。

  これまでの建設工事の発注では一般的に「一括発注方式(ゼネコン一括)」などが採用されてきたが、そのプロセスにおいては不透明で非効率な面も多かった。そこで、設計と施工に関するマネジメントや発注者に対するアドバイスを行うCM方式が米国で登場してきた。そのCM方式を取り入れ、企画から設計、調達、施工にいたる一連の建設プロセスでの情報をインターネットを介して共有化し、透明性、守秘性を確保、競争原理を導入してコストダウン、品質の向上を図ろうというのが今回の狙い。

  同協議会は、建設・不動産業のオープンマーケットの創出と環境整備を目的に、2001年1月に発足する。CMnetを活用した運用実験や実用に向けた条件整備、セキュリティーの検証などを研究する。建設・不動産業に関する参加企業を幅広く募っており、すでに東京電力(9501)、東急不動産(8815)、鹿島(1812)、清水建設(1803)、大林組(1802)、新日本製鉄(5401)など24社が参加を表明し、100社程度の参加が見込まれている。

  一方、森ビルとSBECは、CMnetの開発・運営を行うための準備会社として「シーエムネット」を資本金2億円(折半出資)で年内に設立する。森ビルが行う実際の案件などを使って2001年1月から6月末まで実証実験し、建設プロジェクトの入札などを行って協議会に協力する。マーケットプレイスのエンジンは、すでに米国で実績のある日本アリバが提供する企業間電子商取引サービスを利用する予定。

  現在の日本の建設市場は約70兆円といわれており、CMnetではこのうちの1~2%にあたる7,000億円~1兆4,000億円程度の扱いを目標にする。

  建設業界のマーケットプレイスでは、すでにゼネコンとNTTデータ(9613)、日本オラクル(4716)が「コンストラクション・イーシー・ドットコム」を設立している。BtoB(企業間取引)市場が本格化していくなかで、オラクルとアリバの競争も熾烈になってきたといえる。

■URL
・CMnet
http://www.cmnetcorp.com/
・CMnet運用協議会
http://www.academyhills.com/cmnet/
・ソフトバンク・イーコマース
http://www.softbankec.co.jp/
・NTTデータと建設大手5社など、建設資材マーケットプレイスの新会社設立(INTERNET Watch)
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2000/0801/const.htm

(別井貴志)
2000/11/27 15:04