都市銀行とインターネット専業銀行のネット取引口座が10月末現在で100万を突破――。FINANCE Watch編集部が17日までに実施したアンケート調査で、ネットバンキングが着実に普及していることが明らかになった。各行は、今後の口座獲得にも積極的で富士銀行などが、今年度末(2001年3月末)までに現状から倍増する見込みとしている。
アンケートは都市銀行9行と、今年10月12日から営業を始めた国内初のネット専業銀行であるジャパンネット銀行の10行を対象に実施した。集計の結果、10月末(一部9月末)時点の口座数(一部契約数)は、160万超となった。ただ、この中には東京三菱銀行(8315)と大和銀行(8319)のテレフォンバンキング利用者などの数字が入っており、この2行のネットバンキング利用件数を他行並みと推定すると、全体ではほぼ100万口座(件)となる。
発足したばかりのジャパンネット銀は、3年後に100万口座の獲得を目指しているが16日までの約1カ月で2万6,000口座と「まずまずのスベリ出し」(宮井芳行社長)となっている。
都市銀行でネット取引口座の開設が最も早かったのは、住友銀行(8318)で1997年1月から。逆に最も遅れたのが東海銀行(8321)で、今年6月からとなっている。住銀は、テレフォンバンクにも早くから力を入れており、こちらは10月末で200万件と金融界で最大になっている。
ネットバンキングでのアクセスは、大和を除くすべてがiモードなどモバイルからも可能としている。またサービス内容は、残高照会や振り込みなど基本機能は各行とも揃っているが、最近追加され始めた定期預金の申込み(預け入れ)については、東京三菱、三和銀行(8320)、東海、大和の4行が、まだ対応していない。また、高金利で人気のある外貨預金については、富士、三和など機能追加するところが増えている。一方、今後の口座数見込みでは、今年度末までに富士が現状より倍増としているほか、あさひ銀行(8322)も8万から15万へと大幅に増加させる姿勢だ。
都銀・ネット専業銀のオンライン取引状況 |
銀行名 |
2000年10月末 現在 |
2001年3月末 見込み |
ネットバンクの 開始時期 |
さくら銀行 |
※1
※2 |
150,000
|
※1 |
200,000
|
1998年10月 |
住友銀行 |
|
120,000
|
|
200,000
|
1997年1月 |
富士銀行 |
|
140,000
|
|
280,000
|
1997年3月 |
第一勧業銀行 |
|
100,000
|
|
―
|
2000年6月 |
三和銀行 |
※1
※2 |
154,000
|
※1 |
260,000
|
1998年2月 |
東海銀行 |
※2 |
16,000
|
|
―
|
2000年6月 |
東京三菱銀行 |
※3 |
560,000
|
|
―
|
1999年9月 |
あさひ銀行 |
|
80,000
|
|
150,000
|
1997年6月 |
大和銀行 |
※2
※4 |
330,000
|
|
―
|
1999年2月 |
ジャパンネット銀行 |
※5 |
26,000
|
|
―
|
2000年10月 |
合計 |
|
1,676,000
|
|
―
|
― |
※1 -契約者数
※2 -9月末現在
※3 -テレフォンバンキングなどを含む「東京三菱ダイレクト」の件数
※4 -テレフォンバンキングなどを含む件数
※5 -11月16日現在
■URL
・宮井芳行・ジャパンネット銀行社長に聞く
http://www.watch.impress.co.jp/finance/report/articles/interview/note/ 001106-1.htm
・初のネット専業銀、12日営業開始~ジャパンネット銀行
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/10/11/doc664.htm
(池原照雄)
2000/11/17
18:05
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