NTTドコモ（9437）は27日、世界最大のインターネット事業者であるアメリカオンライン（AOL）と世界的に新たなネット事業を開発・展開することで合意、同日契約を締結したと発表した。この一環としてドコモは11月中旬、東京に本社を置くAOLジャパンに42.3％出資する。

　 両社は、移動体通信網と固定通信網を融合させた新しいインターネットサービスを「FMC」（Fixed Mobile Convergence）と位置付け、そのサービス内容や必要な技術を共同で開発するとともに、グローバルに事業展開する。ドコモのネット接続携帯であるiモードと、固定電話からのアクセスを基本としてきたAOLのネットサービスのノウハウを組み合わせて新たなコンテンツやアクセス方式などを開発する。まず第1弾として、AOLジャパンと組み、日本でiモード向けにAOLの「インスタントメッセンジャー」と無料電子メールサービスを提供する計画だ。

　 FMCの推進では、AOL本社とドコモが11月に「共同投資委員会」も設置、関連アプリケーションなどの技術をもつ世界のベンチャー企業に両社共同で投資を行っていく。一方、ドコモによるAOLジャパンへの出資は11月中旬の予定。現在、50％を出資しているAOLおよび三井物産、日本経済新聞社の株主3社から約103億円で42.3％分を取得、筆頭株主になる。AOLの出資比率は40.3％となる。AOLジャパンは、ドコモの出資後の早い段階で約110億円の増資も実施する。両社の提携は、世界の携帯電話事業者とネット事業者に刺激を与え、新たな提携や再編を引き起こすことになりそうだ。