FINANCE Watch
トップページに戻る  
記事検索
謎深まる“古倉人脈”~消費者金融首脳、大蔵OBの名前も

  大正生命保険を舞台にした巨額詐欺事件を巡り、逮捕された古倉義彦容疑者(クレアモントキャピタルホールディング代表)の「地下人脈」が話題を呼んでいる。古倉容疑者は、三洋投信委託、上毛撚糸(3010)、中野証券(現エヌシーエス証券)などを次々に傘下に収め、弱冠39歳で「兜町の風雲児」へとにのしあがったが、その人脈は今なお厚いベールに包まれている。

  ●三洋のMMF、初の元本割れに

  証券業界の有力筋によると、古倉容疑者の資金源として取り沙汰されているのは、消費者金融大手の首脳ら。さらに、政界に強い影響力を持つ宗教法人が三洋投信などにアングラマネーの資産運用を委ね、「マネーロンダリングを行っていた」(有力筋)との情報もあるほか、閣僚経験者の名前なども浮上している。

  しかし、古倉容疑者の逮捕で三洋投信の信頼は失墜し、短期公社債投信(MMF)を中心に解約が急増。8月29、30の2日間で約400億円が流出、残高は1,200億円強から800億円程度にまで急減した。解約に応じるためには、含み損のある国債なども売却せざるを得ず、「安全運用」が売り物のMMFとしては初めて基準価額(元本)を割り込む事態に陥った。三洋投信は取締役相談役の古倉氏を8月31日付で事実上解任、新たなスポンサー探しを始めた。

  ●東京地検も関心寄せる

  さらに、古倉氏傘下の日本証券新聞が主催した今年4月のセミナーで、大蔵省の超大物OBが講演していたことも発覚。大正生命と古倉氏の接点として、このOBが「暗躍していたのではないか」との疑惑が持ち上がっている。

  ちなみに、日本証券新聞は当初、講演内容をビデオ化して発売したが、「事件発覚後に急きょ、販売を中止した」(関係者)という。いずれの件についても、東京地検特捜部は大きな関心を寄せており、古倉マネーの全容が解明される日は遠くないかもしれない。しかし、臨時国会の召集を控え、永田町の捜査当局に対する“圧力”が日増しに強まり、どこまでメスが入るのか。不透明感も漂い始めている。

■URL
・上毛撚糸
http://www.invest.co.jp/jomo/
・日野金融庁長官記者会見の概要 平成12年8月28日(月)
http://www.fsa.go.jp/gaiyou/gaiyouj/20000829-1.html

(兜太郎)
2000/09/06 12:13
3/30(金)
[特集] ご愛読に感謝~「FINANCE Watch」高アクセス記事集
[HOT] 契約流出招いた同業他社の誹謗中傷~東京生命破綻の内幕
[産業] NEC、グループのSCMを高度化~専門子会社設立
[ネット] セブン-イレブンがアリバのシステムを導入~グループのコスト削減狙う
[データ] 2000年の国内PCベースWS出荷が10万台突破~IDCジャパン調べ
[産業] コンテンツファンドをトータルプロデュース~C&RとJDC
[ネット] 地域密着ポータル「関西どっとコム」を設立~関西電力、博報堂など
[寄稿] 『瓦版一気読み』の連載を終えて
[連載] コラム 瓦版一気読み~最後の日「別れつらい」・・・
プライバシーについて | 編集部へのご連絡 Copyright (c) 2001 impress corporation All rights reserved.
本サイトの内容につきましては万全を期しておりますが、提供情報がシステム等に起因する誤りを含んでないこと、すべての事柄を網羅していること、利用者にとって有用であること等を当社及び情報提供者は保証するものではありません。
当社及び情報提供者は利用者等が提供情報に関連して蒙った損害ついて一切の責任を負いません。投資等の判断をされる場合は、他の資料なども参考にしたうえで、ご自身の判断でお願いします。