ゲームソフト開発のジャレコ（7954）を買収することになった香港のインターネット企業、パシフィック・センチュリー・サイバーワークス（PCCW、香港1186）は、日本での具体的な事業展開を開始する。

　 PCCWと、ソニー（6758）の100％子会社で映像制作関連の総合的な技術サービスを提供しているソニーPCLは22日、共同で東京にゲームやアニメなどのコンテンツを制作する「NOWスタジオ」（eファクトリー）を開設すると発表した。総投資額は42億円。

　 これに伴って、PCCWの100％子会社であるPCCWジャパンとソニーPLCは、戦略的業務提携することで合意した。PCCWによるジャレコの一連の買収関連取引が終了する2000年11月には、新生「パシフィック・センチュリー・サイバーワークス・ジャパン」としてPCCWジャパンとジャレコが統合される予定。

　 ソニーPLCは、今年中に着工を予定しているNOWスタジオ建設に伴い、音声や映像のハードウェアと技術面でサポートする。一方のPCCWジャパンは、Webデザインや番組制作などの経験者を100名以上新規採用する計画だが、社員教育の面でソニーPLCがバックアップする。

　 NOWスタジオの開設により、PCCWが世界展開を進行させている双方向のブロードバンド・インターネットサービス「NOW」を、2001年前半までに日本でも提供していく構えだ。NOWは、テレビとインターネットを融合させたサービスで、デジタルテレビとストリーミングビデオの2つを同時にWebコンテンツとして提供する。NOW利用者のことを、テレビ視聴者（TV Viewer）とインターネット利用者（Internet User）を合わせたヴューザー（Viewser）と呼ぶ。

　 東京のNOWスタジオでは、日本語コンテンツの企画、制作のほか、アニメやゲームなど海外でも人気の高い日本のコンテンツを世界配信するため、各国言語への再編集作業も行なう。ロンドン、東京に続き、ニューヨーク、中国にもNOWスタジオを開設する予定。