伊藤忠商事（8001）や出版のダイヤモンド社グループなどが出資するインターネット上の旅行販売会社「アルキカタ・ドット・コム」は、2003年度中の株式公開を目指す方針を明らかにした。その一環として、このほどJR系の日本テレコム（9434）を引受先とした第3者割当増資（1,500株）を実施した。日本テレコムとは事業面でも連携を深めていく。

　 アルキカタ社は、99年9月に伊藤忠、ダイヤモンド社グループ、豪州のネット旅行販売会社であるtravel.com.auとの合弁で設立。店頭や対面での販売は行わず、ネットで海外格安航空券やホテル宿泊などの事業を展開してきた。知名度の高いダイヤモンド・ビッグ社の旅行情報誌「地球の歩き方」ブランドを使い、着実に業容を拡大している。

　 このほど実施した増資で、資本金は3億7,500万円となった。調達資金はシステムの高度化投資などに充てる。日本テレコムの出資比率は20％で、伊藤忠グループ、ダイヤモンド社グループに次ぐ3位となった。日本テレコムは、インターネット接続事業「ODN」のコンテンツ拡充でアルキカタと協力するほか、アルキカタの扱い商品でJRグループとの連携も強める。

　 株式の公開は店頭市場をにらんで準備を進めているが、ナスダック・ジャパンなど新興市場を幅広く検討する意向だ。