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NTT再々編で持株会社と地域会社に軋轢 |
平林鴻三郵政相は26日、電気通信審議会(郵政相の諮問機関)に「電気通信事業の競争政策の在り方」を諮り、いよいよ日本電信電話(NTT)の再々編論議が始まった。しかし、当のNTTグループ内部では、持株経営の枠組みを守りたい持株会社と、事業領域拡大のためには完全資本分離も辞さない東西の地域会社の間で大きな溝がある。接続料引き下げ問題を契機に、NTT中核4社の軋轢(あつれき)が一気に表面化、さらに持株会社の宮津純一郎社長の後継人事をめぐる思惑も絡んで、グループの混迷は深まる一方だ。 ●われわれは2の次「宮津さんが可愛いのはNTTコム。われわれは2の次だ」。NTT東日本のある幹部は、最近ポツリと愚痴をこぼした。NTTは昨年7月、持株会社を頂点に、地域通信を担当するNTT東日本と同西日本、国際・長距離通信を担当するNTTコミュニケーションズ(NTTコム)の4社に分割された。再編後わずか1年で再び経営形態が議論されるのは、接続料引き下げにより東西NTTの業績悪化が確実となり、自民党・郵政族から「地域会社の事業領域を見直し、長距離通信や携帯電話、インターネット接続などへ進出できる道を検討すべき」という声が挙がったことが背景のひとつとなっている。 実際、NTT東日本の井上秀一社長は「このままでは(事業領域の広い)ユニバーサルサービスの維持も覚束なくなる」と危機感を募らせる。しかし、東西NTTの事業領域拡大を許せば、NTTグループの市場独占を招くのは明らか。グループの完全資本分離が条件となるのは争えず、その場合、持株会社は存在意義を失う。
●”ポスト宮津”で暗躍も? 宮津社長に近いのは、NTTコムの鈴木正誠社長といわれる。昨年末にはNTTコムが米国政府にロビー活動を行い、接続料引き下げ問題で強硬姿勢を貫くよう働き掛けた、という衝撃的な噂も一部で囁かれた。つまり、外圧によって接続料が大幅引き下げとなれば、東西NTTの業績は悪化、しかも、NTTコムは低下した接続料を原資として東西NTTと競合している県内・市内電話を値下げすれば、一段と東西NTTを突き離せる。鈴木社長の持株会社トップの芽も確実になるというシナリオだ。 日米の接続料交渉はとりあえず妥結した。が、NTT東日本の幹部はため息混じりにつぶやく。「むしろ、決裂した方がよかったかも知れない。その方が、完全資本分離を含めて事態が一気に進展する可能性は高かった…」。 ■URL・NTT(持株会社) http://www.ntt.co.jp/
(三上純)
2000/07/31
12:07
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