ゲームモニターとして、生命線ともいえるのは表示遅延が少ないと言うことだ。
最近、やっとテレビメーカーやモニターメーカーにもその重要性が浸透してきたと言えるこの機能。EIZOは早くからこの遅延フレーム数を潔く公開し、FORIS FX2431TVでは、その遅延フレーム数が業界最速の約1フレームであることをアピールした。
今回のFORIS FX2301TVでは、この最速遅延フレーム数をさらに下回る最小0.5フレームを実現してしまったのだ。これは業界最速だ。
これまで、普通の液晶モニターや液晶テレビでは、2-3プルダウン処理などのフレームレート変換や、IP変換などを行う関係で、入力映像フレームをバッファリングする必要性があった。だから、60Hz(60fps)表示レートの液晶モニターでは、最速でも約1フレームの表示遅延が起こりえたのだ。実際のテレビ製品ではノイズ低減や高画質化処理などの回路も通ることになるので、さらに1~2フレーム遅れることになり、一般的なテレビ製品では3フレーム程度遅れるのが当たり前なのであった。
さて、最近、液晶テレビでは一般的になりつつある「倍速駆動」という機能だが、これは入力映像信号の倍のレート(例えば60Hz信号の場合は120Hz)で映像を表示するものだ。こうした製品でも映像フレームをバッファリングするが、今、入力された現在フレームと1つ前のフレームとの中間フレームを生成してこれを表示してから、現在フレームの表示に移る。文字通り、倍速なのだから処理の単位時間は1/60秒ではなく1/120秒となる。
ノイズ低減や高画質化処理を全てキャンセルして、中間フレームの生成もキャンセルして、中間フレームを表示しているタイミングから現在フレームの表示を開始することができれば、表示遅延を0.5フレームにすることができる。つまり、言い換えれば、入力映像信号が画面半分分やってきたタイミングから表示を開始してしまうということだ。
FORIS FX2301TVは倍速駆動回路を内蔵しており、補間フレームを生成しての残像低減に対応しているが、この補間フレーム生成を用いずに、この倍速回路の仕組みをバイパスさせて利用するケース(スルーモードON、倍速表示モード「遅延軽減」選択時)で、その表示遅延0.5フレームを実現してしまったのだ。
表示遅延0.5フレームは、ほぼブラウン管モニター並みといってよく、つまりは、ほぼ表示遅延なしといっていい。「液晶だから音楽ゲーム、格闘ゲームが遊びにくい」といった悩みは、FORIS FX2301TVではもう起こりえないというわけである。
実際に、表示遅延にシビアな格闘ゲームをプレイしてみたが、入力精度の厳しい連続技の成功率も心なしかよい感じがする。筆者は中級?格闘ゲーマーであるが、プレイ感覚は手持ちのテレビ製品よりもだいぶ良好であった。
このモードには「スルーモード」という名前が付けられており、その呼び出しは、リモコン上の[スルー]ボタンを押すだけで行える。なお、スルーモードをONにすると、自動的に倍速表示モードは「遅延軽減」が選択される。メニュー階層を潜ることなくワンタッチで行える上、スルーモードをオフにすれば、それまで設定した倍速表示モードに戻るので、シビアな反応が求められるゲームプレイ時にだけ気兼ねなく積極的に使っていける。
なお、FORIS FX2301TVの液晶パネルはTN型だが、オーバードライブ回路を搭載し、中間応答速度が最速で3msの高速パネルを採用している。そのため、補間フレーム挿入を活用しない表示遅延低減モードであるスルーモードにおいてもブレやボヤケは非常に少ない。この特性からスルーモードであっても、ゲーム映像の速い動きでも見にくいということがない。
表示遅延が少なくても、映像がブレたりボヤケたりしていては本末転倒だが、大丈夫、FORIS FX2301TVはスルーモードでも、ゲームプレイに耐えうる残像の少なさが実現されているのである。
本来ならば、倍速回路の搭載は補間フレーム生成のくだりが主題となるはずなのだが、ゲームモニターとしては表示遅延が最重要課題であったために、そちらの話題を最初に持ってきてしまったが、FORIS FX2301TVは、補間フレーム生成を駆使した倍速駆動で残像を低減させる機能を持っている。
実際に、テレビ放送やブルーレイコンテンツを見てみたが、カメラが左右にパンするシーンや、字幕が上下、あるいは左右に流れるシーンで目立つ輪郭部のブレやテクスチャのぼやけが、この機能によってくっきりと描き出されていることが確認できた。ブルーレイ「ダークナイト」のオープニングのビル群の空撮シーンでは、奥行き方向に視点が進んでいくが、近づいてくるビル群や通り過ぎていくビル群が非常に滑らかに動く。
この機能は、映画やアニメをはじめとした動画コンテンツ向けの機能ということになるが、ゲーム用途に用いることも可能だ。FORIS FX2301TVでは、この倍速機能がテレビ表示だけでなくビデオ入力やHDMI入力でも有効なので、一般的なゲーム映像にも応用ができるのだ。ちなみに、補間フレーム生成付きの倍速駆動機能を利用すると、表示遅延は普通の液晶テレビ並みの3フレーム程度になる。この程度の表示遅延ならば、音楽ゲームや格闘ゲームほど表示遅延にシビアでない、RPGやアドベンチャーゲーム、一般的なスクロールアクションゲーム、レーシングゲームなどには問題なく使えるはず。
筆者は、PS3版「ロスト プラネット 2」を補間フレーム挿入付きの倍速駆動モードでプレイしてみたが、奥行き方向に進んでいくシーンや右スティックによる照準操作による視点移動が滑らかに行える実感が得られた。補間フレーム付きでプレイしたのでフレーム遅延は3フレームほどあったはずだが、三人称シューティングゲーム(TPS)では、それほど気にならない。おそらく一人称シューティングゲーム(FPS)でも同様だろう。ゲームの種類によっては、この機能は十分有効利用ができるのではないかと思う。
この倍速駆動機能は「設定メニュー」の「本体設定」にて「倍速デモ」を起動させると、画面の半分を倍速駆動あり、もう片半分を倍速駆動なしとして分割表示してその違いを見せつけてくれる。購入した直後などはぜひ活用してみよう。
さてさて、読者の中には、原信号至上主義の人達もいるはず。「倍速駆動は素晴らしい技術だが、映画は毎秒24コマで楽しみたい」という人も少なくないはずだ。そうしたマニアックな要求にも応えてくれるのがEIZOクオリティ。「設定メニュー」-「カラー設定」-「詳細設定」にある「倍速モード」切り替えで、この倍速駆動の振る舞いを細かく設定できるようになっているのだ。
用意されているモードは「標準」「強調」「5-5/4-4」「遅延軽減」の4つ。通常は補間フレームを次フレームにブレンド表示する「標準」で問題ないはずだが、より補間フレームを支配的にして積極的に残像を低減させたい場合は「強調」を利用するのもいいだろう。
一方、映画好きにお勧めしたいのは「5-5/4-4」だ。仕組み的には、倍速駆動回路に同一フレームを5回表示させ、毎秒24コマ映像を忠実に再現する。このモードでは、あのカクカクとしたフィルムジャダー付きの映画らしい味わいが楽しめる。なお、最後の「遅延低減」は中間フレームを予測せず、直前と同じフレームを補間することで、表示遅延を最大限に軽減するモードで、前述のスルーモードとともに機能することで最短遅延を0.5フレームを実現する。この「遅延低減」は、スルーモードをオンすると、自動的に切り替わる。
モード名 | 解説 |
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標準 | コマ間の補間フレームを生成して動画のブレを軽減。滑らかな映像を再現。※「標準」でブレが気になる時は「強調」で。ただし、「標準」に比べ、ノイズが多く見られることがあり。 |
強調 | |
5-5/4-4 | 補間フレームを生成せず、同じフレームを繰り返して24Hz表示(毎秒24コマで表示しているように見せる)。映画などのフィルム映像を原画に忠実に再現。 |
遅延軽減 | 補間フレームを生成せず、直前と同じフレームを繰り返して表示。映像表示時の遅延を最小で0.5フレームに抑える。 |
モード名 | 解説 |
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2-3/2-2 | フィルム映像やCG、アニメなどの映像信号を自動判別し、最適な補間処理を実施。 |
2-3 | フィルム映像に対して、最適な補間処理を実施。 |
オフ | 通常の補間処理(コマ間の補間フレームを1コマ生成する)を実施。 |
FORIS FX2301TVは、型番からも想像ができるとおり、地上デジタルテレビチューナー内蔵のテレビ製品という側面もある。そのためスピーカーが本体に埋め込まれている。スピーカーは直径5cm、出力2Wのものがステレオ構成で2基搭載されている。一般的なテレビ番組を視聴するには不満のない音質で、HDMI入力、ビデオ入力、PC入力経由の音声信号もちゃんとこのスピーカーで鳴らすことができる。
PC入力はDVI-D入力端子とD-Sub15ピン入力端子の2系統があるが、それぞれに個別の音声入力があるので、2台のPCを接続したときには、それぞれのPC画面表示に連動した音声を再生できる。FORIS FX2301TVがあればPCスピーカーは不要なのだ。PC入力対応にここまで配慮したテレビ製品はないので、ここもEIZOらしいこだわりの機能という感じだ。
しかし、FORIS FX2301TVのサウンド機能はこれだけではない。それこそ兄貴分のFORIS FX2431TVを喰ってしまうほどの凄い機能がFORIS FX2301TVには搭載されているのだ。
それはバーチャルサラウンドヘッドホン機能だ。
FORIS FX2301TVはDolby DigitalとDolby Pro Logic IIに対応したデコーダ機能を有しており、5.1ch信号をストリーム信号のままで受け取れるだけでなく、2chリニアPCM信号やアナログのステレオ信号も、5.1chに拡張可能となっている。これにより、入力信号に関わらず5.1ch信号として扱うことができるのだ。さらに、バーチャル処理を加えることで、バーチャライザーがヘッドホン用の5.1chサラウンドを実現しているのだ。
もちろん内蔵スピーカーでも音の再生はできるのだが、それよりもなにより、立体的な音響をヘッドホンで楽しめてしまうのがポイント。
Dolby Digitalは前側左右、後側左右、そして画面側中央の5chと、重低音の0.1ch分の合計5.1chサラウンドシステムの標準規格でDVDビデオやブルーレイのサウンドトラックの標準仕様に採用されているフォーマットだ。通常、5.1chの再生には合計6個のスピーカーが必要で聴者を取り囲むように設置する。大変素晴らしいシステムなのだが、スピーカーを置くための設置スペースの問題や音量を上げたときの周囲環境への影響問題などがあり、パーソナルにサラウンドを楽しむには少々敷居が高いという現実がある。
しかし、これを解決してくれるのがバーチャルサラウンドという技術なのである。
たくさんのスピーカーを設置しても結局は左右の耳に音が入ってくることになる。それでも、人間は前後左右の音像を聞き分けることができる。これは鼓膜に音波がたどり着くまでに耳殻に反射したり回折したりして起こりうる、人間の耳特有の音調変換のせいだと言われている。この現象をシミュレーションして音波を加工してやればヘッドホンでもサラウンド感が表現できるはず。これがバーチャルサラウンドという技術の着想だ。
FORIS FX2301TVでは、5.1chサウンドを、聴者を取り囲むようにバーチャル再生するプロセッサが内蔵されており、ヘッドホンを通してこれを聞くことでその効果が最大限に発揮される。一応、セット品として「BoseのAround ear Headphones」が設定されているが、基本的にヘッドホンは専用のモノでなくてかまわない。手持ちの愛用のヘッドホンでいいのだ。
実際に、筆者が試してみた感じでは、音声信号の出力ダイナミックレンジが高くなる関係で、いわゆるイヤホンではなく、ユニットの大きい密閉型ヘッドホンの方が高いサラウンド感が得られると感じた。一般的なヘッドホンでDVDやブルーレイなどの映画コンテンツを楽しむと、音像が頭部の中央に定位してしまい、映像の広がり感とのギャップに違和感を感じてしまうが、FORIS FX2301TVでは、このバーチャルサラウンド機能の効果で強いアンビエント感が得られる。筆者の所有している高音質ヘッドホンでFORIS FX2301TVのバーチャルサラウンド機能を試してみたところ、音像が頭部から離れたところに定位するので、ヘッドホンだけでなくFORIS FX2301TVのスピーカーからも同時に再生されているのかと勘違いして、ヘッドホンを取り外して確認してしまったほど。
こうしたバーチャルサラウンドで気になる後方チャンネルの定位感だが、筆者の場合は、正面を12時方向だとすると大体、後方左チャンネルが8時方向、後方右チャンネルが4時方向から聞こえていたので、サラウンド感は充分に体感できると断言できる。
このバーチャルサラウンド機能、映画コンテンツを楽しむために活用するのも結構だが、FORIS FX2301TVがマルチメディアモニターということで是非ともゲームプレイにこそ積極的に活用してもらいたいと思う。
FORIS FX2301TVのバーチャル5.1chサラウンド機能のうち、もっともサラウンド感が凄いのがDolby Digitalの5.1ch再生に関してだ。これはHDMI入力経由の音声に限定されるので、ゲーム機ならばPS3全機種、Xbox 360は後期型(Xbox 360前期型はHDMI端子がない)が、この機能を活用できる。
実際にPS3版の「ロスト プラネット 2」をFORIS FX2301TVのバーチャル5.1chサラウンド機能を活用してプレイしてみたが、映像の広大な雰囲気とマッチした音響の広がりを体感することができた。ロスト プラネット 2では、敵が何かを叫びながら銃撃してきたり、機動兵器が機械音を立てながら接近してきたり、銃撃が背景物に衝突して跳弾する音が四方八方から鳴り、さらに自分のキャラクターを操作する関係でその音源位置の相対関係がリアルタイムに変化する。この刻々と変わっていく効果音の定位感を元に敵の位置を知ったり、戦闘の激しい方向を知ってプレイしている自分に気がつくほどで、もしかすると、FORIS FX2301TVのバーチャル5.1chサラウンド機能は、ゲームプレイの際の武器になるとすら感じた。これは一般的な、テレビの2スピーカーでプレイしていては得難い体験だといえる。
なお、D5入力端子やPC入力端子とペアになっているアナログ音声入力端子からの音声に対しても、FORIS FX2301TVはバーチャル5.1chサラウンド機能を利用できる。この場合は、Dolby DigitalではなくDolby Pro Logic II音声としてデコードされバーチャルサラウンド再生が行われる。Dolby Pro Logic IIはサラウンド音声をアナログ音声信号にマトリックスエンコードしたもので、そのまま再生すればステレオサウンドとして再生でき、Dolby Pro Logic IIデコーダーで処理すれば5.1chサラウンドサウンドとして再生できるものだ。
「ゼルダの伝説」「マリオギャラクシー」など任天堂製のWiiタイトルにはこの方式を採用したものが多くあるので、Wiiのゲームのサウンドもバーチャルサラウンド再生ができると言うことになる。
モード名 | 解説 |
---|---|
ゲーム1 | 音がどこで鳴っているかがわかりやすいモード。主人公視点のシューティングゲーム(FPS)で、映像だけでなく音でも敵や障害物の位置が判断しやすくなる。 |
ゲーム2 | 適度に残響を加えたモード。臨場感が増すため、アドベンチャーゲームやロールプレイングゲームなどに適している。 |
ムービー | 3つのモードの中で一番長い残響効果があり、低音の強調を加えたモード。映画などを迫力ある音響で楽しめる。 |
ちなみに、FORIS FX2301TVのバーチャルサラウンド再生に際しては、EIZOは3つの音場プログラムを用意している。「ゲーム1」「ゲーム2」「ムービー」の3つだが、今回、筆者がいろいろとプレイして見た感じでは残響効果を柔らかく与えた「ゲーム2」がアンビエント感と音の定位感のバランスがよいと感じた。ゲームも映画もまずはこのモードで試し、より強い残響が欲しければ「ムービー」を、残響効果を最低限にしたい場合は「ゲーム1」を選択するといいと思う。
ところで、Dolby Pro Logic IIデコーダはごく普通の左右2chステレオの音楽再生に効かせることもでき、その際は疑似サラウンドによる再生となる。こうした一般的な音楽コンテンツは残響効果を最低限にした定位感重視の「ゲーム1」がしっくりと来ると筆者は感じた。「ゲーム1」は、楽器音を的確に再生しながら、楽器を音像を的確に広い空間に配置したサウンドになるので音楽鑑賞と相性がよいのだ。
液晶モニターやテレビ製品にすら、ありそうでなかったバーチャルサラウンドヘッドホン機能。これもFORIS FX2301TVを発端に、業界に大きなセンセーションを与えるに違いない。
FORIS FX2301TVは、マルチメディアモニターの魅力が強い製品だが、その前にテレビ製品であることも忘れてはならない。というわけで、テレビの画質についても言及しておこう。
TN型液晶パネルと言うことで画質を心配している人も多いと思う。しかし、これについて心配は無用だ。23インチの画面を現実的な視線角度範囲で見る限りは問題がない。コントラストについてもネイティブコントラストで公称1000:1があり、動的バックライト制御を組み合わせたコントラスト拡張時は2000:1もある。スペック的には前後/左右160°の視野角を謳っている。パーソナルユースが前提ならば、これで不満を感じることはないはずだ。
「たしかに23インチ程度だと左右から斜め見る機会は少ないかも知れない。しかし、台上に設置したテレビを寝そべった姿勢から見上げるようにして視聴することは多くなる。そうした使用ケースにおいてTN型で大丈夫なの?」
かなりマニアックな心配だが、畳やこたつ、ふとんの生活文化がある日本では、テレビを見上げるようにして見るシチュエーションが多く、無視できない心配かもしれない。
しかし、大丈夫。これについてもFORIS FX2301TVは配慮が行き届いている。TN型液晶パネルの特性に配慮し、下から見上げるようにして視聴する際の画調モードを特別に用意しているのだ。その名は「リラックスモード」。こちらもリモコンから[リラックスモード]のボタンを押せばワンタッチで移行できる。嬉しいのはFORIS FX2301TVとの相対角度に応じて、なんと5種類の画調が用意されている。このマニアックさもさすがはEIZOといった風情だ。「寝ながら見」がクセになっている人は是非とも活用したい。
さて、実際に筆者も、FORIS FX2301TVで、テレビ映像を見てみたが、さすがはEIZO製品。TN型パネルとはいえ、非常にクリアな質感で、肌色の発色も良好であった。階調表現は液晶らしい滑らかなアナログ感に溢れている。補間フレーム挿入による倍速駆動の効果と高速応答パネルの効果で動画のキレもいい。
それと、なにより、フルHDの高解像感が素晴らしい。
「何をいまさら?」といわれそうだが、テレビメーカーの液晶テレビだと、20インチ前後のモデルは未だに標準ハイビジョンパネル(1366×768ドット)程度のものが多く、FORIS FX2301TVのようにフルHD(1920×1080ドット)パネルの液晶テレビは少数派なのだ。テレビ出演者の衣服の布の"織り目"模様までが23インチ画面サイズでしっかりと見えるのはなかなか感動的な光景なのである。
パーソナルなテレビだからこそ、部屋のマッチングやインテリアとの相性にもこだわりたいという人もいることだろう。FORIS FX2301TVでは、スピーカー部を覆うジャケット部をお好みの5色から選べるようになっている。標準で黒と赤から選べるが、EIZOダイレクト・EIZOガレリア限定で茶、青、黄も単品販売されていて、期間中(8/1まで)であれば5色のうちからもう1色だけ無料プレゼントされるという「発売記念キャンペーン」を実施している。
テレビは電源がオフになっている間は、存在感の大きいインテリアの一部だ。じっくり選ぼう。
名機FORIS FX2431TVに搭載され、ゲームモニターとしての価値を高めていた機能は、弟分のFORIS FX2301TVにもちゃんと搭載されている。
その1つが「ポータブルモード」。
ソニーのプレイステーションポータブル(PSP)のPSP-2000型番以降は、ビデオ出力機能が搭載されたが、ゲームプレイ時に限っては、なぜかゲーム画面が小さく表示されてしまう制限があった。
ポータブルモードでは、PSPのゲーム画面を液晶パネル全域に表示する特別なモードだ。この機能を液晶モニターに搭載しているのはEIZOの製品だけ。PSPはポータブルゲーム機だが、「モンスターハンター」シリーズなどのネット対応プレイゲームなどは自宅で据え置き機的にプレイしている人も多いので、この機能はとても重宝するのだ。入力解像度と全く同一の表示モード「リアル」や整数倍拡大の「2×」、FORIS FX2301TVの画面の縦幅に合わせる形で最大拡大してくれる「ジャスト」など、モードは豊富に用意されている。
もう一つは「リアルイメージ機能」だ。
最近の液晶テレビや液晶モニターは、低解像度映像をなるべく滑らかに表現しようとマルチサンプリング方式のフィルターを使って解像度変換を行ってくれる。一般的な映像コンテンツならばそれはありがたいのだが、ドット画として構成されたファミコン世代のレトロゲームの映像に対してこの処理が入ると、せっかくのカクカクしたドット画の味わいが損なわれてしまう。ということで、あえて高画質な解像度変換を行わないモードとしてEIZOが開発したのが、この「リアルイメージ」機能だ。
最近では、PS3、Xbox 360、Wiiでもレトロゲームの「そのまま復刻版」が定期的にリリースされており、昔の名作ゲームを楽しむ機会は増えつつある。たしかにマニアックな機能だが、だからこその「EIZOクオリティ」だ。
オールドゲーマーは、もうEIZOのある石川県に足を向けて寝られない!?
■FORIS FX2301TV
http://direct.eizo.co.jp/shop/c/cFX2301TV/
■EIZOダイレクト
http://direct.eizo.co.jp/
■株式会社ナナオ
http://www.eizo.co.jp/
■ナナオ、ゲーミングモニタ「FX2301TV」を6月24日に発売
倍速モード、地デジチューナー搭載のフルHD液晶、バーチャル5.1chサラウンドにも標準対応
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20100610_373332.html
■ナナオ、遅延低減などゲーム向け23型地デジ液晶-倍速駆動。サラウンドヘッドフォンで敵位置把握
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20100610_373276.html
■ナナオ、倍速駆動対応/最小遅延0.5フレームのゲーマー向け23型液晶~地デジチューナとドルビープロロジックII機能も搭載
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20100610_373319.html