圧倒的なコストパフォーマンスで売れに売れたFORISエントリーモデルことFS2331。23.0型・フルHDパネル(1920×1080ドット)搭載の汎用モニターで、多彩な入力系統/機能を備えつつ、ナナオ独自の映像技術により静止画も動画も十二分に美しく見やすいのに、4万4800円で買えちゃうという製品ですな。
そしてついに、この大人気モニターの後継機種が登場した。型番はFS2332。前機種から数多くの秀逸な機能性能を受け継ぎつつ、見やすさ快適さ扱いやすさがさらにパワーアップし、しかもプライスダウンの3万9800円(EIZOダイレクト価格)という価格の安さ♪イキナリの超狙い目モニターとして出現したFS2332なのである。
ではまず、FS2332がどういう「性格」のモニターなのかを大雑把に紹介してみよう。
パネルサイズは23.0型で解像度はフルHD(1920×1080ドット)。入力端子はDVI-D/D-Sub/HDMI×2系統の合計4系統で、PCもレコーダーもゲーム機もみーんなつながる高い汎用性を持つ。
表示性能はビシッと秀逸で、写真やドキュメントや電子書籍閲覧に最適な表示モードのほか、動画に最適化したCinemaモードを使えば映画鑑賞なども快適に行える。表示モードとしてGameモードがあり、また遅延1フレーム以下の表示追従性の高さを備えるので、ゲーム用途にもピッタリだ。
ほか、カラーマッチングツール「EIZO EasyPIX」のWindows版に対応していたり、付属カード型リモコンで入力切り替えから音量調整から各種設定までアレコレと操作が可能だったり、パソコン上からモニターの詳細設定を行えたり(ScreenManager Pro for LCD(DDC/CI) 使用)、細部にわたって充実した機能を持っている。
てな感じで、接続性の豊かさと表示性能の高さから、PCユーザーにもデジカメ派にもAV指向な人にもゲーマーにも、誰にとっても快適であり、かつ安価に使えるハイコストパフォーマンスモニターなのである……というところまでは、前の機種であるFS2331とほぼ同様だ。
が!!ここからが超イカシてる!!前機種でも「十分納得して買えるモニター」だったんだが、後継機種のFS2332には、さらなる魅力的機能&性能が詰め込まれているッ!!どんな機能&性能?では、以降、FS2332の注目すべき機能&性能を見ていこう!!
FS2332を使ってみてズガーンとショックを受けたのは、EIZO独自の超解像技術「Smart Resolution」だ。画像のクリアさクッキリ感を補正する、いわば解像感補正技術ですな。
一般的な超解像(技術)はさまざまなテレビなどに採用されていて、確かにクリアさやクッキリ感がUPする。しかし、喜べるケースばかりではなかった。誰もが「あぁ、アレねえ」と頷ける悪影響もあったのだ。
たとえば確かに映像のクッキリ感が高まっているものの、映像に含まれているノイズ成分もクッキリと浮かび上がって「ん〜ザラついた映像になっちゃったかも〜」とか。あるいは「ボンヤリした映像がシャキッとしたけど……手前も奥も過剰にクッキリ処理されて奥行き感がなくなったなァ」みたいな。ほかにも、人の肌部分までガッチリと超解像されて微妙に不自然な印象になったとか、映像上の文字部分も超解像処理されて文字が読みにくくなったなど、超解像による「不自然な影響」が存在した。
FS2332に搭載されたEIZO独自の超解像技術こと「Smart Resolution」は、こういった不自然な影響を徹底して排除している。一般的な超解像処理と違うのは、映像に含まれる「ノイズ」と「ぼやけ」を推定したうえで処理しているところ。結果、映像のクリアさクッキリ感のみが純粋に増し、「映像がと〜っても自然&キレイに生まれ変わった♪」てな印象になるのダ!!
そのシクミを簡単に説明すると、前述のように、まず映像に含まれる「ノイズ」と「ぼやけ」を推定。「ノイズ」は輪郭ではないと判断し超解像処理を施さない。「ぼやけ」は画像の前景と背景で解像感処理を調整しており、ピントが合っていなくて輪郭がぼやけた部分には、輪郭がくっきりするよう超解像処理を施し、被写体背景などのデフォーカスでぼけた部分には、自然な奥行きが再現できるよう超解像処理を弱めている。
ナンでこんなことをしてるのか?前述のような従来の一般的な超解像にアリガチな「ノイズ感の増加」や「奥行き感の喪失」は、まさに「ノイズ部分やデフォーカス部分にまでも均一に超解像処理したための不都合」なのだ。FS2332のSmart Resolutionの場合、「ノイズ部分」はスルーして、「ぼやけ部分」は前景と背景を判断して最適な超解像処理を施すことで、一般的な超解像処理後の不都合を回避する。解像感が欲しい部分だけに超解像処理を施すというわけだ。
映像がこのSmart Resolutionで処理された結果、どんな感じになったかと言うと……ズギャァァッ!!ぼぼぼボクの古くて低解像度でイマイチ感が漂っていたハズのDVD映画が、な~んか高解像度でクリアな雰囲気に!!古いデジカメで撮った写真も自然な感じでクッキリ感アップ!!PC、AV機器問わず、多くの静止画/動画が高精細で鮮明になった印象!!
そしてやはり、ジ~ックリ見ても、一般的な超解像にアリガチだった違和感ってのが非常に少ないのが嬉しい。しかも、このSmart Resolution、人の肌とか映像上の文字にも巧く働き、さらに画面内の動画表示部分のみに機能したりもするんだからステキ。
一般的な超解像では、映像全体を超解像処理してシャープネスを向上させちゃうため、前述のような不自然さや違和感が出たりした。これ、要は「超解像処理しないほーが良い部分まで処理しちゃってる」からですな。FS2332のSmart Resolutionは、映像状の「ノイズ」と「ぼやけ」を高い精度で推測・判別してそれぞれに最適な超解像処理を行うことで、より自然な高解像度感を獲得できてグレイトってのがまずヒトツ。
そしてもうヒトツ。Smart Resolutionでは、さらにインテリジェントに「超解像処理しなくて良い部分」を自動判別できるのだ。具体的には「肌」「文字」「動画」といった「映像の部分」を自動判別している。
まず「肌」。たとえば人の顔に一般的な超解像処理が施されると、目や鼻や口がミョーに際立ったり、肌が粗い印象になったりして、なんつーかこー「ドぎつい」とか「不自然」てな見栄えになったりする。Smart Resolutionの場合、肌補正をONにすると、基本、人の肌は超解像処理を弱めて、髪や服や人物の周囲にのみ処理を施す。ので、人間もその周囲も非常に自然な雰囲気でありつつ、全体的な解像感の向上が感じられるのだ。
それから「文字」。たとえばWebページなどを閲覧しているとき、一般的な超解像処理が行われるとチョイと不都合がある。具体的には文字の部分まで超解像処理されてしまうため、文字の輪郭が荒れたり、文字の色がヘンな感じになったりすることがある。この点、Smart Resolutionの場合、文字補正をONにすると、画面上の文字領域を自動判別し、その部分のみ超解像処理を弱めるため、文字が読みにくくなることはほぼナイ。文字は従来どおりクリアに、かつ、写真やサムネイルなどはよりクッキリと美しく、てな処理が行われるんですな。
そして「動画」。典型的かつわかりやすいのがYouTubeやニコニコ動画を見ながら写真のレタッチ作業を行うとき。動画領域補正をONにすると、画面内で常に動きのある領域を自動で検出し、その領域に対してのみ超解像が適用される。そのため、超解像処理が施されたクリアな動画を鑑賞しつつ、写真には超解像がかからないので、正確なレタッチ作業が行えるのだ。また、この動画領域の自動検出が実用的で、レタッチ作業で画面全体を使いたくなったら、動画を閉じれば数秒後には超解像処理が自動的にOFFになる。Smart Resolutionはユーザーが意識しなくても使える、とってもイカシた超解像なのだ。前述のとおりSmart Resolutionでは「ノイズ」と「ぼやけ」をきちんと判別して最適な超解像処理を施しているので、Web動画などももちろん自然&一皮剥けた感のある美しさで蘇る。
さらに、「肌補正」「文字補正」「動画領域補正」は、それぞれ組み合わせて使うこともできる。たとえば、動画領域補正と文字補正をONにして映画を見ると、映像部分は超解像処理が施されたクリアで自然な美しさ。字幕部分は超解像処理を施さないので、文字の輪郭が荒れることなく自然で読みやすく鑑賞できるのだ。
てな感じのSmart Resolution。FS2332は、PCともゲーム機ともAV機器ともあるいはデジカメなどとも相性の良いオールマイティなモニターだが、それら各シチュエーションで効果を発揮してくれる超解像技術までを大搭載───PCでネットしてれば写真や動画がどれもキレイ化するし、ゲーム中も映像がグッと引き締まって緻密な雰囲気になるし、AV機器での映画などの動画鑑賞をワンランク上の映像体験としてくれる。
Smart Resolutionの設定は、解像感のレベル、肌色や文字や動画領域の検出(補正)などを細かく設定できるが、やはり多くのケースで非常に自然な超解像処理が行われるというのが印象的だ。ちなみにFS2332では、同一画面上でSmart ResolutionのON/OFFを確認できるデモモードも搭載しているので、自分の好みにあった設定に画面を見ながら調整できる。まさしくSmart Resolutionは一見の価値アリ&FS2332の非常に大きな魅力のひとつなので、できればゼヒ、店頭などで実機に触れて確かめてほしい。
もはやFS2332の醍醐味は新搭載の超解像技術ことSmart Resolution!!てな感じではあるが、質実剛健なるモニターメーカーであるナナオゆえ、基礎体力の部分でもシッカリとバージョンアップしているのであった。
たとえばFS2332の液晶パネルにはIPSパネルが採用されている。ほかの方式の液晶パネルと比べて、IPS方式の液晶パネルは、広い視野角があるうえに、見る位置や角度によって色が変化しにくいというメリットがある。ので、写真閲覧やレタッチ作業にもよく向きますな。「EIZO EasyPIX」を使ってFS2332のカラーマッチングを行えばなおさらだ。ちなみに従来機FS2331と同様に、オーバードライブ回路によって中間階調の応答速度も高められており、さらに遅延1フレーム以下という高い表示レスポンスも継承されているので、動画鑑賞やゲームにも十二分に対応する。
そしてそのバックライトとしてLED(発光ダイオード)が採用されている。従来機はCCFL(冷陰極管)バックライトを採用していたが、LEDはCCFLよりもずっと省電力でエコな光源。従来機FS2331と比べると、約25%も最大消費電力が抑えられているのだ。また超低輝度域(約3cd/m²))まで表示輝度を下げられたり、超低輝度時でも安定した表示性能を実現しているなど、モニターのバックライトとしての利点も多い。
てなわけでFS2332、ナナオ製のオールマイティであり、かつリーズナブルなモニターとして、なんつーか、かなり極まった一台になった感じ。Smart Resolutionの気持ちよさや入力系統の多さ、あるいはIPS液晶&LEDバックライトの実用性など、ヒキの強いモニターなんだが、リモコンが使えたりスピーカーが内蔵だったりする細かな部分に至ってもユーザー本位ってトコロが背中を押しますな。
拙者的には……もちろんFS2332をPC用モニターとして使うのもアリだと思うんだが、やはり「何にでも使い回しちゃうパーソナルモニター」として大活用させたい気分ですな。ときにはPC、ときにはレコーダーなどのAV機器、ときにはゲーム機。じつはタブレット端末をHDMI接続して使ったりするのも楽しい。そしてやはり、ここまで機能性能が備わっていて使い回しが利きまくりなのに39,800円(EIZOダイレク価格)という価格の安さ!!マジでクラクラしちまいますな♪内容にも価格にもバッチリと納得して買えるモニターを探しているなら、FS2332は絶対にチェックすべきだ。
スタパ齋藤1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。 |
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